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猫の好奇心

5 - 第1章 赤く光ったあのひとみ 第4話

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2024年08月29日

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…まぁ、作戦までは時間がたっぷりある訳だ。

まぁその日になるまではゆっくりしても良いって言った。


『 だァれが泊まってって良いって言ったか!?!??!? 』

「 え〜、泊まるくらいえ〜やん、減るもんやないし。美少女除霊師椎名さんが一緒に暮らしてあげるだけ感謝しいなぁ〜???? 」

『 なんも有難いことなんてないんだけど…??? 』


怒りで引き攣る顔を抑えることなく椎名に顔を向けた。帰れェ…帰れェェエ…と念を送るように、あたかも嬉しくねーよ!というオーラを醸し出し、ソファに寝そべっている椎名の周りを練り歩いた。


「 あ、剣持。 」


名前を呼ばれて思わず足を止める。なんだ、流石にウザかったか…??と思い、椎名のその後続く言葉に耳を傾けた。


「 腹減った。なんか作って? 」


…………


『 そんなコトカヨォッ!!!!!!!!!そんぐらい自分で作れ!!!!!!!!!!!僕はァ!!!!!!!!!おめーの助手なだけであってお母さんじゃ!!!!!!!!!!ねェ!!!!!!!!!!!! 』

「 いや助手なんやったらあてぃしの願い事くらい聞けや。 」


…確かに。

…………………..いやいやいやいやいや納得すんな剣持刀也。今日椎名に手料理を振舞ったら今後も作って〜、作って〜と言われるかもしれない。

即ちそれは助手という立場ではなく完全にお母さん!!!

もし料理を振舞った今後、


“ 剣持、部屋の掃除してくれ〜 “


” 剣持、買い出し行ってきてくれ〜 “


…な〜んて言われたらたまったもんじゃねェ!!!!例え3日?4日?限りのお泊まり会でもそれは許されざる事だ。僕が三枝くんから猫又を祓う前に疲弊し切ってるかもしれない!!!いや僕運動部だから疲弊し切ることはないかもしれない。

ただ椎名を怠けさせる訳にはいかない。僕のプライド云々がかかってきてるのだ。

よし、ここは心を鬼に____.


「 …そんな考え込んでどうしたんwwなんや、もしかして美少女2人と過ごすとドキドキする、なんて思春期真っ只中の思考してんのかァ〜??www 」

「 ほんま可愛ええとこあるやん剣持w 」


僕が何かを言う前に言われてしまった。しかも結構刺さる事…


『 いやちげーから!!!!…こほん、良いですよ、もう今日だけ、今日だけなら!!!!ご飯作ってあげますから。 』


諦めて観念し、そう言って台所に向かった。


『 …とは言っても何作るか… 』


真剣に暫く考えてみた。…が、椎名の為にそんな考える必要あるか??と疑問が上がってきた為、パパっと手軽に作れるものを作る事にした。人に作らせてんだから文句は言えないはずだ。

僕はなにかパパっと作れるものは無いかと冷蔵庫を漁る。すると、市販の豚カツが未開封のまま入れてあった。

丁度いい、レンチンすればそのまま出せるし腹も十分膨れるだろう。豚カツを取り出し、レンジに入れて、5分ほどチンする事にした。その間にキャベツがあったのでキャベツを千切りにしておき、少し水洗いをしてさっぱり系のドレッシングを和えて、お皿にさっと盛った。

使いかけのミニトマトを2、3個程盛り付け、レンチンできたカツを5、6等分にカットし皿に盛り付ける。

汁物はお湯をかければすぐ完成するやつを使った。お湯を沸かし、器に注げば完成。


『 ふぅ…こんなもんかな… 』


2人分用意できた豚カツ定食を、綺麗に机の上に並べ、椎名を呼んだ。

椎名は気だるそうに顔を覗かせたが、食卓の上のご飯を見れば目を輝かせて席に大人しく座った。


「 剣持って案外料理できるんやなぁ…! 」


なんて余計な一言吐き捨てられた時はやっぱりちょっと椎名の分を作ってしまった事を後悔した。


『 一言余計だっつの、とりあえず、ソースはお好みでかけてください。食べきれなかったら残してもらっていいですから。 』


そう椎名に伝え、手を合わせいただきます、と言って、ご飯を一口食べ始めた。

この作品はいかがでしたか?

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