ダンスグループのリーダーで、いつもキラキラ輝いている彼。
しかし貴方の隣にいるときは、ピアスひとつすら装飾品を身につけてません。
般若「よっ!お待たせ、〇〇」
ステージで普段見ているギラついた姿とは真反対の、ラフな服装で貴方に会いに来ました。
「待ってないよ」と言うと、指輪を身につけていない両手で、貴方の頭をわしゃわしゃと撫でます。
般若「…ふはっ、かわいいなぁ〇〇、本当は結構待ってたんだろ?待たせたお詫びにさ、良い店連れくな」
そう言って貴方の手を優しく引きます。
思春期の時期に突然、金属アレルギーを発症した貴方。
オシャレを覚え初める歳に、キラキラした装飾品を殆ど身につけられないと病院側から告げられ、深く落ち込んだことをよく憶えていました。
それに加え、化粧や汗をかくことですら肌が荒れてしまい、自身の肌の跡を隠せず、夏などの暑い日は殆ど外出ができませんでした。
般若「ど?ここのケーキ、美味しい?」
般若に連れられてきたのは、オシャレな木造の喫茶店でした。
貴方はオレンジジュースとケーキを口にしている向かいで、般若は慎重にコーヒーを嗜んでいます。
色々アレルギーについて調べてくれたことは感謝していますが、貴方はここまで過保護にされて、少し苦しく感じます。
「そこまで気をつけなくても大丈夫だよ」そう言うと般若は頬をかいてはにかみます。
般若「いやぁ、だってさ…〇〇のこと傷つけたくないし、何より〇〇の事が大事だからさ」
プラスチックのフォークを持った手を撫でる般若。
「ありがとう」と言う貴方は、少し悲しそうに笑います。
夜、デートを二人で楽しんだ後、肩を並べてゆっくりと帰路に着きます。
手を繋ぎ仲睦まじく歩いていると、前から派手な髪と服の男が二人、こちらにやってきました。
般若「…なんだ?」
男A「おねーさんかわいいね、俺たちと遊ばない?」
般若の質問に返答せず、男が一人、貴方に話しかけます。
首を振ると、もう一人の男が一瞬般若を見て、こちらに笑いかけます。
男B「まさか、そんな地味な男の方がいいって?俺らといる方が絶対楽しいって」
指輪やブレスレットを沢山身につけた手で触られそうになる貴方。
「やめて!」恐怖で手を引っ込めると同時に、元々繋いでた手を引かれ、般若の背後に隠されます。
般若「…おい」
男A「…は?邪魔すんなよ地味野郎」
男二人に睨まれる般若。
貴方は怖くて般若の背中にしがみつきます。
般若「お前ら、俺ん女に触るんじゃねぇ」
男B「っは!俺らに刃向かうってばっかじゃねぇの?!」
突然、一人の男が般若に向かって殴りかかってきます。
貴方は咄嗟に目を瞑りました。
…目を開けると、男は二人とも地面に倒れていました。
一人は顔を押さえてうめき、もう一人は怯えて後ずさっています。
般若「次こげんことしてみぃ、こげんのじゃ済まんぞ…!」
「ひぃぃ!」と情けない声を上げてふらふらと逃げて行きました。
般若「〇〇大丈夫か?どこも触られてないか?」
怖い顔から一変し、焦りながら貴方の手や顔を触っている般若。
怪我や発疹がないか見てくれているようです。
「こ、怖かったぁ…!」貴方は腰を抜かして思わず般若の腰に抱きついてしまいます。
般若「…はは、もう大丈夫やけん、アイツらは追い払ったからな」
抱きつく貴方を撫でる手は、いつものように優しくて、いつも以上に安心しました。
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