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48. ◇息子の緊急事態
―― 運動会も終わり真樹夫が6才の誕生日を迎えたあとのこと ――
亜矢子たちには宿直が月に何度かあり、小人数でのローテーションで
回しているため、必ず月に何度か同じ人と宿直当番があたるようになっている。
ある宿直当番の日、亜矢子と三浦は同じ宿直当番で亜矢子女医クラスの医師でないと
処置出来ない重篤患者を看ていた日の夜のこと。
亜矢子の母親から息子が高熱を出して様子がおかしい──。
夜間診療にも連れて行ったが帰ってからも容態が一向に良くならない。
どうしたらいいだろうか? と連絡が入った。
勿論普通なら再度救急車を呼べということになるが、1度診て貰ったのに
薬も効かず症状が酷くなったのなら、救急車に乗せても最悪何度も断られたあげくに
処置が間に合わず、運が悪ければ死に至る可能性も否めない。
近年良くある話だ。
身近にもあった話だし、昨今ニュースでも話題になっている。
他人事ではいられない。
すぐ側で私と母親とのやり取りを聞いていた三浦くんが、どこかへすぐに
電話し『ここは心配いらない。亜矢子さんに負けず劣らずの医師を早急に手配するので、
息子さんの元へ行って診てあげてください』と言ってくれた。
「だけど最悪何かあった場合、私は勿論のことあなたにも
責任問題が発生することになるのよ? いいの? 」
「合点承知ノスケですた。
さっ、早く帰ってあげてください」
「ひとつだけ教えて。
私と同じぐらいの技量のある医師って誰なの? 」
「My brotherですよ。
開業医でござる。
バイト代出すことで合意してますんでご安心を。
兄弟ですから口軽く他言なども大丈夫安心物件ですから」
「ありがと、恩にきるわ。
息子のことが落ち着いたらすぐ戻ります」