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先輩とオレだけの秘密

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先輩とオレだけの秘密

11 - 第10話 見え隠れする過去

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2024年03月21日

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「ふふふ、類、前より笑うようになったわね」


学校に行こうと朝食をとっていた時だった。ふと母さんがそう呟いた。


🎈「そうかな?」

「うん、明らかに昔よりもニコニコしてる」


転校してから1週間経つ。毎日が楽しくて楽しくて。それが自然と顔に出ていたのだ。


🎈「…楽しい…かな、」

「そう。…ってせっかく早く起きたのに遅れちゃうわよ。」


もうこんな時間か。久しぶりに早く起きれたし、もう出ようと思ってたのに!


🎈「んー!行ってきます!」

「気をつけてねー」


玄関を勢いよく開け、学校へと急いだ。



スマホを見て時間を確認する。まだまだ余裕かなぁ。そういえば今日は天馬くん達のショーユニット見に行くんだっけ。


🎈「はぁ、どうやって断ろう」


半分ノリで言ったものだから、どう断るべきか悩んでいた。正直に言うべきか、。だけど、あんなに勧誘されてしまったし…今更断るのもなぁ…。


🎈「って噂をすれば…」

🌟「おぉ!寧々ではないか!」

🤖「げ」

🌟「げとはなんだ!!」


騒がしい。言ってしまえばそうだけど僕はこの空間が1番好きだ。


🎈「おはよう、天馬くん、寧々」

🌟「は!!、おはようございます!!」

🤖「うるさ…おはよ」

🎈「今日も朝から元気だね〜」

🌟「そ、そんなことないですよ…///」

🤖「はいはい、朝から惚気ないで」

🌟「なんだと!?」

🎈「あはは笑笑」


やっぱり好きだなぁ。不思議と居心地の良さを感じていた。このなんとも言えない距離感に信頼関係。


🤖「今日は類早いじゃん」

🎈「たまたま早く起きれてね」

🌟「さ、流石です!!」

🤖「うわ、全肯定bot…」

🎈「こんな騒がしい朝もいいかなぁってね」

🌟「そうですね!、ボクも嬉しいです!」


僕には勿体ないぐらいだ。


🌟「あ!先輩、昼休み暇ですか? 」

🎈「特に何もないけど…」

🤖「ショーユニット組むんだったらもう1人紹介したい子がいてね。その子が昼休みにくるからどうかなって。」

🌟「全て言われてしまった…」

🎈「それなら問題ないよ」


問題ないじゃない!!断るんだろう!?!?流れでそのままいってしまいそうだ。


🎈「あー、その話なんだけど…」

キーンコーンカーンコーン。

🌟「な、なに!?」

🤖「えぇ、嘘でしょ、間に合わない」

🌟「走るか!」


またタイミングよく…。昼休みに伝えるしかないか。それよりも間に合わない!!

この後、5分遅刻したのはまた別の話。



退屈になりつつある授業を終え、昼休み。もう見なれてしまえば普通の日常となんら変わりがない。


🎈「飽きちゃったなぁ」


飽きもくるわけで…。そんなこと言ったら、ここにいるみんなそうだけどね。


🎈「てか、どこに集まるんだろう…」


昼休み集まると聞いたものの肝心な場所を聞いてなかった。重要な部分を…。


「なぁ、聞いたか?また宮女の奴が来てるらしいぞ」

「えー、あのピンクの子でしょ?」

🎈「ん、宮女?」

「ショー関連でうちの学校にキャストいるからなんだとか…」

🎈「その話詳しく聞かせてくれないかい?」


おやおや、今日は僕ツイてるみたいだね。



話を聞く限りそのキャスト達は屋上によく集まっているらしい。屋上。やっぱりか。


🤖「ん、類遅い」

🎈「いやいや、場所が分からなくってね 」

🌟「は!すみません、伝えそびれてました」

🎈「大丈夫だよ、こうして来れたんだし」


情報もゲットできたし一石二鳥といったところかな。まさかもう1人は宮女の1年生だなんて。それに聞いた話では財閥のお嬢様とか。厄介なことに巻き込まれなきゃ良いけど。


🎈「それでもう1人の子は…」

?「あたしだよ?」

🎈「…ッッ!?!?」


いやどころからでてきた!?。真後ろには誰もいなかったはずだけど!?

ピンク色の髪をした少女がきょとんとして、こちらを見ている。まさに興味津々。


🎈「え、えっと…」

?「あなたが神代類くん?」

🎈「へ?」

🍬「あたし、鳳えむって言います!司くんや寧々ちゃんからはお話聞いてま〜す!」


天馬くんよりもキラキラした目。それにこのはしゃぎよう。中学生みたいだ。


🍬「一緒にショーしてくれるんですよね?」

🎈「あ、その話なんだけど…」

🍬「えぇ、、、?」


言わなきゃ。


🎈「僕はショー自体関わりたくないっていうか…。その…。」

🍬「えぇ、一緒にやってくれないの??」

🎈「ぇ」

🍬「みんなでするの楽しいよ??」

🎈「ぅ」

🤖「あ、類がおされてる」

🌟「えむの勧誘方法は誰も断れんからな」


この方法は。天馬くんが言っていた”えむ”ってこの子だったのか。やっぱり、断りにくい。天馬くんとはまた別の破壊力。


🍬「せんぱ〜い(泣)」

🎈「わ、わかった、わかったよ」

🤖「あーらら」


まさか2度同じ手を食らうとは。流石に対策不足と言ったところかな。


🍬「やったぁぁあ✨️✨️✨️」

🎈「それより鳳さんは…」

🍬「えむでいいですよ!私も類くんって呼びますし!」

🎈「じゃ、じゃあ、えむくんは…」

🌟「な、なにぃ!?!?」

🤖「まーた、先越されてる」


鳳って嫌な予感するな。信じてなかったけどほんとに財閥の子供???


🎈「鳳財閥の…」

🍬「そーです!」

🎈「じゃあ、フェニックスワンダーランドのショーキャストっていうのも…?」

🍬「あたし達のことです!知っててくれてるんですね✨️✨️✨️」

🎈「いや、小耳にはさんで…」


まさかのまさかすぎる。もしかしたらこの3人はとてつもなく凄い人達なのでは??


🍬「よかった〜。丁度えんしゅつか?不足だったので!」

🎈「演出家かい?、僕に務まるかな、」

🌟「務まると思います!絶対!」

🎈「ほ、ほんとに?」

🌟「はい!」


そんな自信満々に言われてしまえば不思議と自信は湧くもので。やってみようかな。


🍬「でも、どうしてショーに関わりたくないんですか? 」

🤖「ちょ、えむ!」


気になる…よね。寧々がスっとえむくんの口を覆う。


🎈「別に構わないさ。大した理由なんてないし。」

🤖「でも…」

🎈「知りたいかい?えむくん、」

🍬「は、はい!!」


話せば長くなるんだよね。こればっかりは。だけど、折々で説明させてもらおうかな。あまり思い出したくないし。


🎈「ま、要約するんであれば僕は演出を人につけるのに抵抗がある…かな?」

🍬「抵抗…??」

🎈「僕もここにいるみんなはそうだけどショーで誰かを笑顔にするのが好きだろう?」


ショーを行ったあとの見ている人たちの顔。あれは見ているだけでこちらも笑顔になれる。歓声があがって幕が下りても拍手は鳴り止まない。何度想像しただろうか。


🎈「幼い頃は確実に好きだったし、ショー以外楽しいと思えるものは一切なかった。それほど僕の中心的だった。だけど…」


あの時だけは違った。演出は認められることはなく、失敗に終わった。それも大失敗。


🎈「あれは中3の夏ぐらいかな。

1つのミスで失敗してしまってね。」


それがただの失敗で終わればよかったのに。


🎈「1人の子を…植物状態にしてしまったんだ。」

🌟「は…」

🍬「え、」

🤖「…..。」

🎈「そこから演出をつけるどころか人と関わるのも怖くってね。」


取り返しのつかないことをした。その人の人生そのものを奪ってしまった。そこからは何も手がつけられなかった。

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