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先輩とオレだけの秘密

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先輩とオレだけの秘密

12 - 第11話 最高のショーをみんなで

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2024年03月22日

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“悪いと思っているのか!?”

“マジで最低”

“死んだ方がマシ”

思い出されるのは暴言と必死に謝る母親の姿だった。何も考えたくない。


🎈「そこから完全に不登校で引きこもり。出てこれたのは高1の夏。約1年経ってた。あまりのショックに何度も吐いたし、ショーを見るだけで目眩で倒れた記憶がある。」


結局、演出のせいでは無かったけど。そんなこと周りの奴は知ったこっちゃない話だった。「殺人犯だ」と罵られそこから、あの悲惨な日常が始まったといっても過言では無い。Sub性を利用した悪質な…ことが。


🎈「だから、あまり関わりたくないんだ。僕がまた演出をつければ何が起こるか分からない。誰がまたあの状況になるか分からないんだ。」


手を見れば震えていた。相当響いてるんだ。本当は死のうとしてた。毎日に嫌気がさして。居場所がなくて。


🎈「今でもその記憶は消えないし、むしろ最近は酷くなってるかもね。その出来事と同じで後も大変だったから。」

🤖「後?、やっぱりなにかあったの?、」

🎈「…..話す気は無いよ。」

🤖「どうしてっ、」

🎈「これは君には少し過激すぎるから…かなぁ??」


知らなくていいんだよ。この世の中、知って損することなんか山ほどあるからね。


🎈「と、まぁ、そんな感じかな。幻滅したんなら僕はもう君達とは関わらないし、ショーユニットにも入らないよ。元々入る気無かったし、ね?」


誰もが幻滅して当然だ。人を殺したなんて。


🎈「さ、お弁当食べようか。時間ないし。」


きっと時間が解決してくれる。何もかもそうだったから。


🎈「今日は…」

🌟「嘘…ですよね、」

🎈「え?」

🌟「ショーがしたくないってのも、演出がつけたくないってのも、」

🎈「…っ、、」


僕の前に天馬くんが立っている。その目元は少しだけ潤んでいる気がした。


🎈「どうしてそんなことが言えるんだい?」

🌟「ボク、知ってますよ。何よりもショーが好きだってこと。」

🎈「…どういう意味かな?、今の話聞いてたのかい?」

🌟「えぇ、隅から隅まで聞いてましたよ。」

🎈「なら…」


そんなこと分かってるだろう。何も嘘なんかついてない。


🌟「ショーが大好きなんですよね、?」

🎈「…っ、何度言えばわかるんだい?僕は大っ嫌いだ。あんなおぞましいこと。もう繰り返したくないんだ。誰かが悲しむのも。それを黙ってみてるのも。もう…..あんなこと…したくないんだ…。」


嫌いだ。何も出来ない自分が。


🌟「それが本音ですか、?」

🎈「ほん…ね、?」

🌟「ボクはまだ先輩とあまり関わってません。幼馴染の寧々と違ってたった1週間です。でも、その1週間はボクにとっては大きな時間です。」


ふとこの前言われた寧々の言葉が頭をよぎった。

“司ならなんとかしてくれるよ”


🌟「それで感じたんです。スポーツや勉強の話をするよりも、なによりもショーの話をしている先輩は1番笑顔で笑ってて。そんな笑顔、ボクには引き出すことが出来ませんでした。自然体でなおかつ、へにゃってしてて。これが何よりの証拠だと思うんです。」

🎈「…..。」

🌟「まだまだ分からないことも多いし、謎に包まれてると思います。だけど、あの笑顔は話は心から分かり合えた気がしたんです。過去の話はよく分かりません。大変なことがあったんだぐらいにしか捉えることができないです。 」


なんとか…してくれる、、?


🌟「1度起きたことは取り返しがつかない。それも一理あります。でも、犯罪を犯した人が償って許されるように最高のショーをつくって、たくさんの人を笑顔にしていけば、それはもう償いになるんじゃないですか、。それに、」


手を差し伸べてくる。それを察し、寧々やえむくんがそっと立ち上がる。


🌟「ボクたちの身体能力を舐めないでください!」

🍬「あたし、スポーツとか走ること得意なんだ〜!、ここに来るまで走ってきたよ〜!」

🤖「わ、私は2人より劣ってるかもしれないけど…あ、頭があるから…!」

🌟「ボクもスポーツはなんでも出来ます!」

🤖「司でも器械運動苦手とか言ってなかった?」

🌟「は、それはぁ…..」

🍬「えぇ、あれはぐるーんってしてぴゅーってしてばぁんってすればできるよ✨️」

🌟「相変わらず何言ってるかわからんな…」


あぁ、ここがきっと分岐点なんだ。手をとるかとらないか。これは大きな違いが生まれる。僕みたいな人が手をとっていいのだろうか。こんな汚れ物を引取る気なのか。


🤖「あ、それに水泳も苦手じゃなかった?」

🌟「むむ!水泳か…」

🍬「あれもざばぁーんって…」

🌟「もういいぞ、」

🎈「あのっ、」


怖い。ずっとずっと、逃げてばかりだった。向き合うことを恐れ逃げ出して。だけど、もしこの手を取らなかったら。僕はまた一生逃げ惑う。そんなこともうしたくない。向き合いたい。


🎈「僕は…正直言うと怖い…。またあんなことになりたくない。さっき言ったことが本音だ。だけど、だけど、ショーは大好きだ。笑顔になってみんなが笑って歓声が上がって。」


あの景色がもう一度見れるなら。


🎈「何度も失敗するかもしれない。その度に迷惑かけるかもしれない。だけど、だけど、僕はまた演出をつけたいっ、。頼りない先輩だけどどうか、どうかっ、僕も一緒にショーをしてみたい…っ。たくさん迷惑かけるけど…っ。 “よろしくお願いします。”」


はぁ、、はぁ、、。息絶え絶えだった。久しぶりにこんな長く話した。伝えたいことがポロポロ出てきて抑えられなかった。

何が返ってくるだろうか。無理だとかかな。

目をそっと瞑って手を前に出す。怖い。


🌟「…遅いですよ。先輩。」

🤖「はぁ、時間かかりすぎ」

🍬「胸がぎゅーんってしちゃった」


手がそっと触れる。


🤖「ほら前向きなよ、類」


恐る恐る前を向けば、みんな笑っていた。あぁ、そうかこれが見たかったのか、僕は。


🍬「なんか告白みたいじゃない!?」

🌟「ななななななななな!?」

🤖「ほんとだ、”よろしくお願いします”ってそれに何?”僕にとっては大きな時間ですー”って初耳なんだけど。」

🌟「ばっ…///」

🍬「わわわ、司くんの顔たこさんみた〜い」

🤖「わー、ほんとだー(棒読み)」

🌟「…っっ!!!///」


最高のショーだ。


🤖「あと類。”頼りない”って類に頼った記憶あんまりないんだけど」

🎈「え、?」

🤖「だーかーら、今度は私達に頼ってよ。頼りがいがあるんでしょ?」

🌟「そうですよ!、」

🍬「類くんのお話じゃんじゃん聞くよ〜!」


本当に僕には勿体ないなぁ、。

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