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#探偵
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#ロマンスファンタジー
花月夜れん
407
甘野芣婭 (17歳)
ヴィオちゃんは芣婭に微笑みかけながら、ヒールを鳴らして部屋の中に入って来た。
「お見舞いに来てみたら、異世界から来た男が4人もいるじゃない。ふふ、また私の占いが当たってしまったわね」
「ヴィオちゃん⁉占いが当たって、翔ちゃん達が来る事が分かってたの?」
「今朝ね、バンビちゃんにも会いたかったから来たの。熱があるみたいだけど、大丈夫?」
「うん、それは大丈夫なんだけど…、マジで占い師だね」
「ふふ、悪い結果がじゃなかったから安心して」
ヴィオちゃんの言葉を聞いた翔ちゃんは、ヴィオちゃんの事を睨みながら口を開く。
「アンタが仕組んだ事か?俺達が異世界に来れるように」
「ちょっと貴方!ヴィオレット様に向かって、なんて口の利き方をっ!!!」
翔ちゃんの言葉遣いに腹を立てた執事おじが怒り出すと、ヴィオちゃんはスッと執事おじの前に出ておじの事を宥める。
「あら、男はこれぐらい生意気で良いじゃない。そうね、先に言っておくけど、私は貴方が求めている答えを持ち合わせていないわ。答えられるとしたら、そうねぇ…。異世界へのゲートが開かれたのは、貴方とバ
ンビちゃんの縁が再び結びついたから」
「縁?」
「そう、貴方にとってこの縁はとても大切なもののようね」
その言葉を放ったヴィオちゃんの姿は、怪しげな雰囲気漂わせる美しい魔女そのもので、芣婭自身が言われたわけじゃないのにドキドキしちゃった。
なんか、何かの漫画に出てきそうなセリフが似合うと言いますか、とにかく意味不明な言葉が似あうって事!
「このお姉さん、何言ってんだ?透雅は頭良いから、お姉さんの言ってる事が分かるか?」
「喜一、翔太朗の事を見てれば分かるよ」
「へ?」
「はぁ、お前は鈍感なのか馬鹿なのか、どっちなんだ」
「???」
透雅君がヴィオちゃんの言った言葉の意味を説明したけど、喜一君も隣にいる浩平君も意味が分かってないみたい。
「ヴィオレット、お前は呪いの類には詳しかったよな?」
「一応、魔女の血を引くイーヴェル家の娘ですもの。誰か呪いにでもかかってるの?」
「芣婭の背中に呪いの証がある、ミラが見た事もない呪いだ」
「バンビちゃんの?」
「お前の意見を聞いておきたい」
ギル君に意見を求められたヴィオちゃんは、芣婭に近付いてチラッと火傷の傷がある部分に視線を向け、その視線はすぐにギル君に戻される。
コンラット達もヴィオちゃんの言葉を待っているのか、静かにヴィオちゃんが話し出すのを待っていた。
「確かに、バンビちゃんの背中にある呪いは私も初めて見たわ。呪いの種類が何なのかは、大体の予想がつくわ」
「呪いって種類があるの?」
「呪いには2種類あって、1つは命を蝕むもの、2つは精神支配のもの。バンビちゃん呪いは精神支配の呪いだと思うわ」
「精神支配…」
「恐ろしい女の顔が浮き出ていたわ、バンビちゃんは心当たりはある?」
ヴィオちゃんに言われて頭に顔が浮かんだのは、お母さんの怒ってる時の顔。
芣婭はお母さんに対して苦手意識はあったし、なるべくお母さんには近寄らないようにもして、どうしやら怒らないかばかり考えていた。
「お母さんかな、怖い顔して怒る女の人はお母さんだけ」
「エスポワールに行って、ちゃんと調べてみた方が良いわ。私の予想が当たっていないかもしれないしね」
「お前の呪いの目利きは信頼している、ミラにも何度か頼られた事があっただろ。芣婭の呪いを早く解いてやりたいから」
ギル君はそう言って、優しく芣婭の事を抱き寄せると、翔ちゃんが鬼のような顔をしてギル君の事を睨みつける。
「おい、芣婭から離れろ。近過ぎる」
「お前に関係ないだろ」
「あ?テメェ、なんつった」
「何回も言うが、芣婭は俺のモノだ。元カレとやらに指図される筋合いはない」
ギル君と翔ちゃんの間に稲妻のようなものが走り、2人が芣婭の事でバチバチしているのが一瞬で分かった。
翔ちゃんって、こんな感情を前に出すタイプじゃなかったのに、マジでどーしちゃったの⁉
「コイツ等、何やってんだ?」
「さぁ、人間同士の醜い争いをしてるんじゃないですか」
ベロちゃんとケロちゃんはそう言って、ギル君と翔ちゃんに冷ややかな視線を送る。
ドタドタドタッ!!!
廊下から慌ただしい足音が聞こえ、開かれた扉に視線を向けると1枚の手紙を握り締めた汗だくのパパが部屋の中に入って来た。
「芣婭っ!!!熱を出したと聞いて、急いで帰って来たぞ!!!」
「パパ、お仕事じゃなかったの?」
「大事な娘が熱を出しているのに、仕事なんてしてられないよ。ロザリアもすぐに帰って…、えっと?この若者は…」
「あー、えっと…、芣婭の世界の人達」
「芣婭の世界って、異世界からやって来たって事か⁉へ、は⁉どうやって⁉」
芣婭の説明を聞いたパパは大きく目を見開いて、めちゃくちゃビックリしてる。
いきなり翔ちゃんを含めた4人が異世界から来たなんて、普通は1回で理解出来ないよね、うん。
「パパって…」
翔ちゃんが知ってるのは元の世界で殺されたお父さんだけ、芣婭が異世界で養子縁組を組んだ事は翔ちゃんは当然知らない。
「翔ちゃん、この人は…」
「僕はシュベルト・ロールベルグ、この屋敷の主人です。お客人、芣婭は僕と養子縁組を組み、この公爵家の娘になりました」
芣婭が翔ちゃんに説明をしようとした時、芣婭に変わってパパが翔ちゃんに頭を下げながら説明をする。
「養子って事は、この世界での芣婭の親って事ですか。俺は芣婭の両親がしてきた事を知っています、貴方の事を簡単に信用は出来ません。申し訳ないですけど」
「君は芣婭の事をとても大切に思っているんだね。芣婭の両親の事は軽くしか聞いていないが、僕と妻は芣婭に同じような思いをさせたくないと思っているよ。こんなに可愛い娘に、手を上げるなんて考えられないよ、本当に」
翔ちゃんの質問に答えたパパの言葉を聞いて、思わず泣きそうになってしまった。
熱を出しただけで仕事を放り出して帰って来てくれて、芣婭の事を大切に思ってくれている事が分かるから、すっごく嬉しい。
「芣婭の顔を見たら、貴方が大事にしてるって分かります。すいません、失礼な事を言いました」
パパに向かって頭を下げた翔ちゃんは、謝罪の言葉を口にする。
「あぁ、謝らないで下さい。僕は全然、気にしていませんから。あ、ヴィオレット様っ、ご挨拶が遅れて申し訳ございませんっ」
「いいえ、公爵が来るのを待っていました」
「僕をですか?」
「ええ、この部屋の中にいる彼等にも聞いてもらいたい話が。その手紙は宮廷からですわよね」
ヴィオちゃんはそう言って、パパの手に握られた手紙を指さした。
「この手紙は芣婭宛のものですよ?」
「私にも宮廷から手紙を送られました、恐らく同じ内容ですわ」
「同じ内容?」
「光の姫のお披露目会の茶会の招待状です、私も招待されています」
「光の姫?」
パパとヴィオちゃんの会話の中に出て来た光の姫が何なのか、芣婭は全く分からなかった。
なんか光るお姫様?な事は分かるけど。
「数100年前、ルナ帝国は悪魔が攻め込んでいた時代の頃に、異世界からやってきた女性が悪魔から国を守ったと言う伝説があります。その女性は光魔法の最高位の魔法、聖魔法を使えた事から、光の姫と呼ばれる事になりました」
「やっべー、マジでファンタジーの世界の話じゃんかよ!!!そんなのが本当にいんの?」
「居たから伝説になったんですよ、話聞いてました?」
「あ⁉俺の事馬鹿にしたか⁉今⁉」
レヴァさんに馬鹿にされた浩平君が食って掛かる中、芣婭の頭の中に菜穂の顔が浮かんだ。
もしかして、菜穂はその光の姫なんじゃ…。
だって、芣婭と同じ異世界から来たって、レヴァさんが言ってたし、けど直接顔を見てみないと分かんないけど。
「光の姫のお披露目だと?芣婭とヴィオレットにだけ招待状が送られるのはおかしい。歴史に名を残す出来事が起きているに、茶会だけを開くだけと言うのか」
「単にバンビちゃんに会いたいだけってなら、 分かり易いけど。今回の事は現皇帝も関わってると思うわ」
「そうか、しかし行かせる訳には行かない」
「ギル君、芣婭ね。そのお茶会に行きたい」
ヴィオちゃんと話していたギル君は、芣婭の言葉を聞いて驚いた顔をする。
それはギル君だけじゃなくて、パパもコンラット達も同じ顔をしていて、王子様が芣婭に執着してるのを分かってるからだと思う。
「最初に行っておくけど、茶会に参加出来るのは女の子だけ。護衛騎士も2人しか行けない、それも黒騎士団以外の団員の騎士を護衛騎士とする事」
「なっ⁉今まで、そんな事なかっですよね?俺達が宮廷に入れない事なんてなかったですし」
「あの皇太子!」
王子様の企みを知ったニックは苛立ちを隠せずに、自分の手のひらに拳をぶつけた。
「邪魔をされたたくないからでしょ?せっかく、バンビちゃんとゆっくり話せる機会なのに。バンビちゃん、お茶会に行くならニック達を連れて行けないわ。誰か他の騎士を探さないといけない」
「他の騎士を探す…、シーちゃんじゃだめ?」
「シエサは強いけど、今は使用人としてロールベルグ家に身を置いている。あれこれと文句を言って、シエサの事は宮廷に入れない可能性があるわ。バンビちゃん、皇太子殿下は手段を択ばない人よ。中部街で、皇太子殿下がコンラットにした事を平気で出来る人」
ヴィオちゃんに言われて思い出した、王子様がコンラットの事を表情1つ変えずに叩いた事を。
この国の王子様は人の事を平気で叩く…、怖い人。
「なら、俺が芣婭と一緒に行くよ」
「へ?」
「翔ちゃん今、ものすごーく怖い顔してますけど…」
「河邉菜穂がその光の姫?ってヤツだと思ってるんだろ?河邉菜穂って可能性もあるし、じゃなかったらすぐに帰ってこれば良いだろ?。もし、河邉菜穂だったら聞きたい事いがあるしな」
そう言った翔ちゃんは、芣婭が見た事がない怖い顔をして舌打ちをすると、透雅君が口を開く。
「翔太朗だけじゃなくて、俺もついて行くよ」
「透雅君も?」
「うん、翔太朗だけじゃ不安だしね。やり合わないで済むなら、それに越した事はないから」
「お前等、勝手に行く流れになってるけど魔術使えないだろ。素手で戦える範囲は限られてる、この国では魔術を使った戦いの方が殆どだ。例えるなら、狼の群れに兎2匹が無謀に喧嘩を売るようなもの。お前等、簡単に殺されるぞ」
「「っ!!!」」
コンラットの厳しい意見を聞いた喜一君と浩平君が音を立てて唾を飲み込み、翔ちゃんと透雅君は真剣な表情で黙って話を聞いていた。
「「…」」
「顔が知られていない2人を連れて行くのは悪くない、芣婭の知り合いなら尚更だ。俺は意地悪で言ってるんじゃない、現実を言ってる事は理解してくれ。ただの不良同士の喧嘩じゃねーんだ」
「コンラット、不良って言葉知ってたんだ。こっちの世界にも不良がいるんだね」
「え?あー…、ガラの悪い奴は多いからな」
芣婭の言葉を聞いたコンラットは、少し焦りながら答える。
「おい、ギルベルト。俺達に魔術ってヤツを教えろ」
「は?」
「コイツ、ギルベルト様に失礼な事をまた言ってるんですけど⁉」
「俺がお前等に教えた所で、何の得になる?芣婭の事を守るなら、俺と俺の騎士達で事足りてる。ガキ共、この世は誰もかれもが優しい訳じゃないんだ」
またしても翔ちゃんの礼儀のない言葉遣いを聞いた怒ったニックよりも、静かに冷静に翔ちゃんに話をしたギル君の方が怖かった。
ギル君の言ってる事は正しい、この間の闇市場に潜入した時とかもそう。
悪魔とかとモンスターとかも出て来る世界で、魔法が使えない翔ちゃん達にとっては危険な世界過ぎる。
芣婭にはケロちゃんとベロちゃんの2人が側に居てくれるから、何とか死なずに済んでるだけ。
そんな2人は口を出すのかと思ってたけど、興味がないのか参加してこない。
翔ちゃんは真剣な顔をしたまま、ギル君の前で膝をついて深く頭を下げながら口を開く。
「アンタの言う通り、今の俺だと芣婭の事も守れないままだ。ここにいる野郎共の中で、アンタが1番強いんだろ?ただで魔術を教えて貰おうとは思ってない。アンタの下について、アンタの役に立つ」
「あの翔太朗が頭を下げた?」
「俺、初めて見た…って、透雅?」
翔ちゃんの行動を見て驚く喜一君と浩平君の前で、透雅君も同じようにギル君の前で膝をついて深く頭を下げた。
「俺も貴方の下について、役に立ちます。この世界での生き方、戦い方を」
「お、俺もっ」
「お願いします!!!」
喜一君も浩平君もギル君の前に膝をつき、頭を下げる姿をギル君とコンラットは静かに見つめ、少し間が空いた後にギル君は芣婭に視線を向ける。
【芣婭が決めてくれ】って言ってる気がして、ギル君に向かって頷くと、ギル君は翔ちゃん達の方に向き直って言葉を放った。
「お前等の覚悟は伝わったが、行動で示せ。コンラット、コイツ等の面倒をみてやれ」
「かしこまりました、ギルベルト様。お前等、もう立って良いよ。膝が痛いだろ」
コンラットが膝をついている翔ちゃん達を立たせている中、レヴァさんがギル君の近寄って耳元で何かを囁いている。
「ギルベルト様、宜しいのですか?」
「俺が決めた事じゃない、芣婭が決めた。アイツ等、ボルフと同じ歳か少し上くらいだろう?ボルフにも友人が出来ても良いだろ」
「そう言う事でしたか」
「ギルベルト、この子達は私の屋敷で暮らさせるわ」
レヴァさんとギル君が話していると、ヴィオちゃんが髪の毛を靡かせながら2人の会話に入った。
「ヴィオちゃんのお家に?」
「ギルベルトの所の騎士寮に空きがないって、この間言ってたのよ」
「あぁ、俺もお前に頼もうと思ってたんだ。まぁ。お前の好きにしろ」
「ふふ、そのつもり。使い物になってもらわないと困るもの」
そう言ったヴィオちゃんは軽く笑いながら、翔ちゃん達に視線を向け、翔ちゃんは真剣な顔をして軽く頭を下げる。
「そろそろ、バンビちゃんを休ませないとね。この子達を連れて、今日の所は帰るわね」
「ヴィオちゃんっ、翔ちゃん達の事ありがとっ」
「良いのよ、バンビちゃん。また、顔を見に来るわね。子犬達、いらっしゃいな」
「「「子犬達?」」」
ヴィオちゃんにそう呼ばれた透雅君達は、きょとんっとした表情のまま子犬達と呟く。
「芣婭」
「翔ちゃん、なぁに?」
「体調が良くなったら、ちゃんと話がしたい」
「2人で?」
翔ちゃんとちゃんと話をしないといけないのは分かるけど…、ギル君と付き合ってるから気が引ける。
「芣婭と話がしたいなら、俺に認められてからにしろ青二才」
「あ?誰が青二才だって?誰が⁉」
「お前に決まってんだろ、ガキ」
「んだと⁉」
「ちょっと!何、喧嘩してんのよ!!!」
ギル君と翔ちゃんが再び言い合いを始めてしまい、ちょっとだけ切れ気味のヴィオちゃんの声が部屋の中に響き渡った。
***
ギルベルトが甘野芣婭の見舞いに訪れてから2日後、ギルベルト達は隣国のエスポワールに足を運んでいた。
高い高層ビルが街の至る所に建設され、広い道路に奇妙な形の車達が浮きながら走行する中、黒色の十字架が目立つ30階の規模の大きいビルが1番目立っている。
エスポワール国はどこか近未来化した東京の街並みと似ており、住人達の服装もルナ帝国のような西洋貴族風のものではなく、男性も女性もスーツを着用している者が多く見れた。
黒十字架を掲げたビルの前の看板には、魔法医師機関と書かれており、ミラとギルベルト、各隊の隊長達が訪れていたのだ。
黒騎士団の騎士服を着たヒューズとローレンツ、ダンテの3人は、エスポワール国の女性達の視線を奪う中でも、集中的に向けられている相手は全身黒で揃えたスーツを着たギルベルトである。
黒色で協調された色白の肌に透き通った鼻、美しい光を放つ銀色の瞳、襟足の長い黒色の髪、スラッと高い身長のギルベルトは、近寄りがたい雰囲気を放っているのに女性は顔を赤らめてしまう。
甘野芣婭と交際を始めてからのギルベルトは、更に彼の魅力を増長させ、以前よりも女性の目を引く存在となってしまった。
「いやぁ、エスポワールに来たのなんて4年ぶりだなぁ。まさか、俺にまで声がかかるとは思いませんでしたよ、ギルベルト様」
「それは俺も同感ですね、部隊長を連れての遠征は久方ぶりじゃないですか?」
ダンテとローレンツの2人は、そう言いながら自分達の前に立っているギルベルトに視線を送る。
「あぁ、今回の遠征にはお前達3人を連れて来いと言われてるからな」
「え、2人なら分かりますけど、俺はおまけじゃないんですか?」
「団長を務めるコンラットは芣婭の護衛だ。お前は副隊長から、第1部隊の隊長に変わっただろ」
「会議の時に、いきなり言われた時は驚きましたってっ!!!」
ギルベルトとミラがロールベルグ家に訪れる前、カーディアック家の会議室にこの3人を集めた会議が行われていた。
ジャガル・ロマイを中心として開催されていた闇市場で売買されていた獣人の奴隷達の保護、母国であるファントムウルフ国に無事に送り届けた事をダンテがギルベルトに報告。
報告を受けたギルベルトは、ダンテから渡されたファントムウルフ国の国王からの手紙に目を通していく中、ギルベルトの目に1つの文が目に留まる。
【現皇帝に対しての反発運動をしている集団が、各国で見られている。お前と同じように奴隷解放をし、ソイツ等は自分達の事を反逆者と名乗っているそうだ。どうやら、軍でも作る気らしい。母国に帰ってきた奴隷達が、自ら反逆者の一員になったと耳にしている】
「どうしました?ギルベルト様」
ギルベルトの異変を察知したヒューズが声をかけると、フォアントムウルフの国王からの手紙を見ながら口を開く。
「反逆者…、聞いた事がない。ダンテ、お前は聞いた事はあるか?」
「えぇ、最近よく耳にしますよ。俺達は大半は各国を回っていますから、集団の名前だけは知っています。ギルベルト様と同じように奴隷解放をし、奴隷達を母国に送り届けているんだとか」
「へぇ、ギルベルト様みたいな人が他にもいるんですねぇ。その反逆者がどうかしたんですか?」
「どうやら、反逆者は人数を集め、組織を拡大させようとしているらしい」
ヒューズの質問に答えてたギルベルトに、ローレンツは煙草を咥えながら呟いた。
「それはそれは、奴隷達からしたら反逆者は英雄に見えているんでしょうね。その軍団が本格的に動き出したら、現皇帝や皇族達の目に留まる。近い未来、ギルベルト様に接触してくる可能性があります」
「お前達も反逆者の事は、頭の片隅に入れておいてくれ。今回、お前達を呼んだのは、俺と共に隣国のエスポワールに同行してほしい」
「ほう、エスポワールにですか。診察をされに?それとも新薬を購入しに?」
「俺の恋人が未知の呪いに侵されていてな、その呪いの事を調べに行きたい」
ギルベルトの話を聞いた3人は目を大きく見開くが、すぐに真剣な面持ちに切り替わる。
「命に関わるものではないが、精神支配の呪いにかけられている。俺の個人的な要件なんだが」
「ミラから聞きましたよ、俺はお会いした事はありませんが、ギルベルト様の呪いの進行を止めてくれたお方だ。それが、ギルベルト様の恋人なら尚更、お供させていただきます」
「すなんな、ダンテ。それから、ヒューズ」
「なんですか?ギルベルト様」
「お前は副団長から第1部隊の隊長を務めろ」
「はいはい、分かりました…、はい?」
いつも通りに聞き流していたヒューズだが、引っ掛かる部分があり聞き返してしまう。
「今、なんて言いました?」
「今日から第1部隊の隊長だ」
「お、俺がですか⁉団長の補佐は⁉しなくて大丈夫なんですか⁉めっちゃ仕事が増えちゃうじゃないですか⁉」
「コンラットからの指名だ」
コンラットの名前を出されたヒューズは、机に顔を突っ伏してうなだれたのが2日前の事。
会議が終わってすぐにヒューズ達は準備をし、2日後に隣国のエスポワールに赴き、ギルベルト達は魔法医師機関のビルの中に入って行く。
「あれが、ギルベルト・カーディアック」
物陰から獣人の青年が、ギルベルト達の事を監視していたのを4人は気付いていなかった。
コメント
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第39話読み終わったよ〜!!😭💕 ヴィオちゃん登場で一気に話が動いたね!占い当てちゃうところとか、呪いの種類見抜いちゃうところとか、カリスマ強すぎて震えたわ✨そして翔太朗がギル君に頭下げたシーン!!あの翔太朗が!って感動しちゃったよ…😢🔥 「光の姫」の話も気になりすぎるし、エスポワールの街並み描写もオシャレでワクワクした!次話も楽しみにしてるね⋆♡