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#異能力バトル
名無の男2
207
47
#裏社会
中森 始
12
#児童向け小説風
layRa
240
ソラがヒーロー部に入部してから数週間が経った。ヒーロー部としての活動は能力犯罪者を倒したり、街の保安のためパトロールをするのがメインだが仲間と活動するのは楽しかった。それと同時に、エージェントとしての仕事も激化。能力犯罪者が増えるばかりだ。
ソラは組織の端末を確認する。朝イチに1件だけメールが来ていた。
「能力犯罪者を確認した。今日中に対象を処分せよ。」
その文と一緒に犯罪者の位置がマークされていた。能力はバイオ。細菌を操り内側から蝕む能力だ。もし、スカイたちが出会ったら?もし、スカイたちが細菌で蝕まれたら?? 不安がソラを襲った。
インターホンが鳴った。この時間からインターホンを鳴らすのはスカイしかいない。
「ソラー?いるー?」
ノックが強くなる。
「遅刻するよー?」
6時30分。全然余裕だ。ソラは玄関の扉を開けるとスカイが待っていた。
「遅刻するって…全然余裕あるだろ?」
「そうだけど。…そうだけど…。」
スカイは何か言いたげだ。
「そんなことより!朝ごはん食べた?」
「…いやまだ。」
スカイはため息をついて家に上がり込む。
「作るから座ってて。」
スカイがソラの家に上がり込むなんて、別に珍しいことでは無かった。幼なじみ特権というのだろうか…スカイは冷蔵庫を漁り、ハムエッグを作ろうとしている。フライパンの音と、焼き上がる匂い…朝の静かな家に響いた。
「はい。」
「…いただきます。」
スカイの作ったご飯を食べる。シンプルな味付けながらも朝にはちょうどいい。スカイはソラの部屋を見渡す
「…てか、あんたの家。本当になんにも無いのね。」
「まぁ…特に置くものないし。」
「ソラ。何か隠してること…ある?」
鋭い。こういう時のスカイは何故か冴えている。幼なじみの勘というものだろうか。ソラは黙った。気のせいだと思わせたかった。でも、スカイの目は真剣だった。
「…何も無いならいいけど。」
「気にしすぎだよ」
「そっ。 」
それだけだった。朝ごはんを食べ終えスカイと登校する。
通学路にはリュウとアイリの後ろ姿があった。
「おはよう。2人とも」
「よっ!ソラ!スカイ! 2人揃って登校か?仲良いな!」
「スカイ先輩もやり手ですね!朝から彼氏と一緒なんて!」
スカイの顔が赤くなった。
「ち、ちょっ!!!バカ!!!」
「スカイ先輩、顔赤ーい!」
アイリはバカにしている。
「俺は、スカイと登校するの嬉しいよ。」
「〜〜〜〜ッ!!!」
ソラの追い打ちにスカイは限界だった。その様子を見たアイリはスカイを更に煽るように笑っている。
「尊すぎる…!!!リュウ先輩!負けてらんないですね!」
「…競うもんじゃねぇだろ。」
リュウは呆れた様子で歩き出した。
教室に入ると、みんなざわついていた。リュウは思い出したように話す。
「そういえば今日体力テストだったな。」
「げっ…俺苦手なんだよな…運動するの。」
「ヒーロー部なんだから、多少は体力つけなさいよ?」
「スカイの言う通りだ。もし学年最下位なら、スクワット300回な!」
「そんな無茶苦茶…」
体力テストは2限目だ。
校庭に集合した2年男子たち。今日は50m走とソフトボール投げをやるらしい。
「もし学年最下位だったらスクワットな?」
リュウは始まる前から煽ってくる。
「いいよ、最下位でも。」
「つまんねぇな!」
なんやかんや、ソラの出番だ。リュウは8秒台と流石の運動神経だったがソラはどうだろうか。ソラは息を整え走り出す。
タイマーが止まった。記録は9秒台。中間だろう。しかしリュウだけは見抜いていた…コイツは本気を出してないということを。リュウの目を見てソラは思った。…そうだエージェントとしての体術が本物なら、9秒台は嘘だ。そんなことはソラにも分かっていた。
「こんなもんでしょ」
「っ、まぁいいよ。」
2種目目はソフトボール投げだ。エージェントとして鍛えた腕は確かなもので26mとまずまず。リュウは相変わらず30mと好成績を残した。
「ビリじゃないからスクワットは無しだな 」
「許してるか…」
1日目の体力テストが終わり、廊下で同じく体力テストをしていたスカイとすれ違う。
「お疲れ様。どうだった?」
「まぁ普通」
「それだけ?もっと無いの?」
「…いや、普通くらいがいいかなーって。」
「ヒーローたるもの!ちゃんと自分の体力を見直して…」
そんな様子を周りはクスクス笑って見ていた。
「始まったわ」「夫婦漫談」「奥さんに叱られてる〜」周りのみんなにとっては当たり前の光景だった。それに気付いたのかスカイは声を張り上げる。
「とにかく!!!ソラは能力無いんだから!もっと自分を強くして!!」
「はい。」
スカイはそう言って女子更衣室へ消えてった。
放課後…部室に集まった4人はホワイトボードを見つめる。能力犯罪者についてだ。
「今回の敵はバイオ。細菌を操る能力者だ。」
「細菌?ってことは近付けなくない?」
「そこなんだよな…情報によれば細菌を体の中に入れて体を内側から蝕むらしい。それにだ、毒の力もあるから鉄や装備は当たり前のように溶けるぞ。」
今朝の能力だ。マーカー位置も今朝から移動している。
「早く行こう。被害が広がる前に」
「あぁ。だが…どうする?細菌を防ぐには…。」
「マスクとかどうですか?細菌とかウイルスならマスクだと抑えられますよ?」
単純な考えだ…だが、それしか予防線が無い。
「とにかく行ってみるか!早くしねぇと、被害が拡大する!」
4人は急いでバイオの居場所へ向かった。
バイオは町外れの廃工場跡にいた。どうやらそこを媒介として細菌類を街にばらまいているらしい。
「みんな俺様の菌で犯されちまえ!!」
奇声を上げ怪しく笑うバイオの前に4人は立つ。
「そこまでよ!!」
「んぁ??ガキ4人…噂のヒーロー部ってやつか?」
「そうだ。アンタを止めに来た。」
「大人しくしなさいよ!」
リュウたちの威勢にバイオは笑う。
「ヒーロー気取りのガキ共め…ちょうどいい、お前らから消してやる!」
バイオは腕から細菌類の混じった霧を放つ。
「吸うな!口と鼻を塞げ!」
4人は腕で顔を覆い、細菌の霧の中で立つ。
「ソラ!危ないから!離れてて!アイリ、ソラを遠くへお願い!」
「わかりました!先輩、こっちです!」
アイリとソラは廃工場の死角へ移動する。
「私らが相手よ!」
「獲物が減っただけだ。関係ねぇよ!」
霧が濃くなる。深い霧にスカイたちは視界を奪われ、呼吸したくてもできない状況に息が苦しくなる。
そんな様子を見ていたソラはアイリに指示する。
「アイリ、ここからアイツの足元狙える?」
「任せてください!これくらいなら余裕ですよ!」
アイリは指鉄砲を構える。そして、ゆっくり狙って足元を狙うとバイオは驚き、一瞬だけ霧が薄くなった。
「アイリ、そのまま撃って!撃ちまくって!」
「分かりました!!ほらほらほら!!!」
銃声が数発響きバイオの注目が逸れる。ソラはそれを見て、バイオの後ろから近づき鉄パイプで殴り付ける。
「がはっ!!?」
「ソラ!?何して!」
でも今ので隙ができた。リュウは一気に間合いを詰め、格ゲーから学んだコンボを決める。
「神龍滝登り!!」
金色の波動を纏わせた拳でアッパーを当てると、鈍く重い音が鳴り響きバイオは天井高くまで吹き飛ばされた。
「がはっ!!?」
バイオはその場に叩きつけられ倒れた。
「っしゃあ!」
「これで終わりよ…あとは警察に任せましょう。」
3人は帰る気だが、ソラにはまだミッションが残っている。彼から能力を消さなければならない。しかし、今行動すると3人にバレる。
「どうしたの?帰ろ?」
遠くからサイレンの音がする…警察が来たようだ。
「警察への引渡しするよ。」
「分かった。でも、早く来てね。」
スカイはその場を後にした。ここからはソラの仕事だ。ソラがバイオに近付こうとすると、奥から警察と共に組織のジャケットを着た少年が現れる。
「ご苦労様!エージェント:イレイス。」
「…クリア。」
エージェント:クリア、ソラ/エージェント:イレイスと似た能力を持つ者。そして、ソラの直属のボスである。
「いやー、まさか君が高校生ヒーロー部のメンバーになってたとは!」
「…あくまで利用しているだけだ。」
「そうじゃないと困るよ!」
クリアは笑うが、ソラの目はクリアを睨んだままだった。
「何しに来たんだ。」
「そうそう!君の働きを見に来ただけ!さっきの戦いずっと見てたよ?…いやーすごいね!君の仲間は。特に聖騎士の女の子。あの子は君のことを考えると、力が強くなるみたいだね。面白い力だよ。」
クリアは男からバイオの力を消し、警察に引渡し。
「…さてと。ボスとして命令するよ、あまりヒーロー部の子達と仲良くなり過ぎないこと。感情移入しすぎたエージェントは、使えない人形と同じだからね。」
「分かってる。」
「そう?ならいいよ。あくまでも利用するだけ。いいね?」
ソラは小さく頷いた。
「じゃ、今日はもう引き上げておっけーだから。あとはこっちで処理しとく。ゆっくり休んでね。」
クリアは警察と共にその場を離れる。
ソラは家に帰る。今日は珍しく組織からの連絡も無い。クリアが言っていた通り、今日は久しぶりの休息だ。ベッドの上で横になり天井を見つめる。もし、スカイが、リュウが、アイリが、能力犯罪者名簿に載ったら?消せと言われたら?ソラはできるのだろうか…。不安が押し寄せる。でも、エージェントとして行動しなければ…ソラの中で不安と恐怖が渦巻いていた。
やがてソラは、眠りに落ちる。不安を抱えたまま、みんなを守れるかどうかも分からないまま。ゆっくり、深い眠りに落ちる。
コメント
1件
うわああ第2話もめっちゃ良かった…!!😭💕 幼なじみのスカイとの朝のやり取り、尊すぎて悶えた…「作るから座ってて」って自然に家上がってご飯作ってくれるの、幼なじみ特権すぎるでしょ!!🥺💖 戦闘シーンも熱かったし、アイリの援護射撃からのソラの鉄パイプ→リュウの神龍滝登りコンボ、めっちゃかっこよかった!! でも最後のクリアの言葉と、ソラの「もし仲間が標的になったら…」っていう不安が切なすぎる…。ヒーロー部とエージェントの板挟み、これからどうなるんだろう…続きが気になりすぎる!!🔥