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エイムねこ@Cat🍅💚
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みどりいろと忘夢
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クマみす
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大学というものは、どうしてこうも疲れるのだろうか。
「……疲れた」
大学の講義を終え、俺——青井らだ男は、大きく息を吐いた。
時計を見る。
——午後七時三十分。
これからスーパーのバイトがある。
「……帰りてぇ(切実)」
だが帰るわけにはいかない。
家賃も払わなければならないし、食費だって必要だ。
何より、今月はちょっと使いすぎた。何に使ったのかは覚えていない。たぶん、ゲームだ。
「……頑張ろ」
自分にそう言い聞かせ、俺はスーパーへ向かった。
——それから数時間がたった。
「ありがとうございましたー」
最後の客を見送り、俺は制服を脱いだ。時刻は午後十時を回っている。
「やっと帰れる……」
今日はもう何もしたくない。
帰ったら風呂に入って、適当に飯を食って寝よう。そんなことを考えながら、俺は夜道を歩いていた。
静かな住宅街。
街灯が一定間隔で並び、少し先の道をぼんやりと照らしている。
いつもの帰り道。
いつもの景色。
いつもの——
「……ん?」
道端に、何か置いてある。
段ボールだ。
しかもかなり年季が入っているし、ところどころ潰れていて、ガムテープも雑に貼られている。
「……粗大ゴミ?」
近づいてみると、段ボールの側面に、太いマジックで文字が書かれていた。
——『拾ってください』
「…………」
俺は立ち止まった。
「いや……」
誰が拾うんだよ。
そう思った。
思ったので、そのまま通り過ぎた。
「…………」
止まった。
「…………やっぱ気になる。」
振り返ってみても、変わらず段ボールは、そこにある。
「……」
Uターンして戻り、しゃがんで蓋に手をかけた。
「…………何入ってんだ、?」
ゆっくりと開ける。中は暗かった。最初は、何が入っているのか分からないくらい。しかし、
ゴソッ
何かが動いた。
「……え?」
小さな影。
俺が目を凝らした、その時。
目が合った。
緑色の、小さな生き物と。
「…………」
「…………」
数秒間、沈黙が続いた。
小さな角。
丸っこい身体。
短い手足。
そして、背中には小さな翼。
「…………トカゲ?」
「ドラゴン」
「…………」
蓋を閉めた。
もしかしたら疲れてるのかもしれない。もう一度開けてみる。
「ドラゴン」
「……気のせいじゃなかった。」
俺はドラゴンをマジマジと見つめる。言われてみればドラゴン…かも?
「ドラゴンならさ、炎とか吹ける?」
「?」
「ほら、口からこう」
「知らない」
「知らないマジか」
ドラゴンは、不思議そうにじっと俺を見る。よく見ると、かなり小さい。片手で抱えられるくらいだ。そして——
「……お前、なんか痩せてない?」
「腹減った」
「急だな」
「腹減った」
「それは分かったから」
「腹減った」
「三回言えばどうにかなると思ってる?」
「うん」
「………。」
しかし、ドラゴンの目は本気だ。
結局折れた俺は、財布を取り出した。
「…………しょうがねぇなぁ。」
「?」
「……なんか食べる?」
「食べる」
「即答草」
結局、俺はコンビニで食べ物を買った。何を食べるのか分からなかったので、とりあえずパンと肉と野菜とその他いろいろ。そして再び段ボールの前に戻る。
「ほら」
「……!」
ドラゴンの目が輝いた。
次の瞬間。
「うまい」
「早っ」
むしゃむしゃ
もぐもぐ
ごくん
「うまい」
「そうか」
「もっと」
「……」
俺は財布を見る。
「…………」
今月、あと何日だっけ。
「もっと」
「遠慮って言葉知ってる?」
「知らない」
「でしょうね」
しかし、目の前で腹を空かせた生き物を放っておくこともできない。俺はため息をついた。
「……ほら、パン。」
「ありがとう」
「You are welcome」
小さなドラゴンは、嬉しそうに食事を続けた。その様子を眺めていると、なんだか放っておけなくなってくる。
「なぁ」
「なに?」
「お前、名前は?」
「ない」
「ないの?」
「うん」
「じゃあ……」
俺はドラゴンを見る。
緑色。
それ以外に特徴らしい特徴もない。
「……みどり」
「みど、り…?」
「緑色だから」
「分かった」
「いいんかい」
みどりは美味しそうにパンを頬張っている。そのとき、俺はふと、段ボールに目を向けた。
『拾ってください』
「…………」
もう一度、みどりを見る。
みどりは最後の一口を飲み込んでから改めて俺を見た。
「……パンはもうないぞ。」
「……らだ男」
「なんで俺の名前知ってんの?」
「さっき言ってた」
「えぇ、ホント?」
「ほんと」
「……まぁ、いっか」
俺は立ち上がった。
「またな」
「…………」
みどりがこちらを見る。
「……?」
「…………」
なんだ、その目。
「……」
俺はため息を吐いた。
「……家、ないの?」
「ない」
「帰る場所ある?」
「ない」
「…………」
俺は空を見上げた。
そして、もう一度みどりを見る。
「……今日だけなら、いいかぁ。」
「?」
「……俺ん家来る?」
「行く」
「即答草」
こうして、俺は一匹のドラゴンを拾った。このときの俺は知らなかった。この小さなドラゴンとの出会いが、俺の平凡な大学生活を——
「らだ男」
「ん?」
「腹減った」
「さっき食っただろ!!!!」
——とんでもなく騒がしいものに変えていくことを。
コメント
1件
あー、これいいやつだわ。冒頭の「疲れた」から始まる日常の空気感がリアルすぎて、俺もバイト終わりの帰り道思い出しちゃったよ。で、いきなり段ボールからドラゴンってギャップが効きすぎてて笑った。「腹減った」三回連発とか、遠慮知らずなみどりにじわじわ来る。らだ男が渋々ながらもパン買ってやる流れ、完全に飼い主の顔になりつつあるの最高。次回、この騒がしい生活がどう展開するか楽しみ🔥