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エイムねこ@Cat🍅💚
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みどりいろと忘夢
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クマみす
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朝だ。
カーテンの隙間から差し込む日差しが、俺の顔を直撃していた。
「……ん……」
眠い。
昨日はバイト終わりに変なドラゴンを拾ったせいで、寝る時間が遅くなった。
というか。
「…………」
俺はゆっくりと目を開ける。
目の前に、緑色の顔があった。
「おはよう」
「うわぁぁぁぁっ!?」
俺は飛び起きた。
勢い余って、ベッドから転げ落ち、頭を打った。
「いてぇ………」
「大丈夫?」
「大丈夫じゃない……」
床に尻をついたまま、俺は目の前のみどりを睨む。が、みどりは首を傾げた。
「なんで俺の顔の目の前にいるんだよ……」
「起きるかなと思って」
「起こし方ってもんがあるだろ!!」
「起きたね」
「結果だけ見ればそうだけど」
みどりは満足そうに頷いた。
こいつ、絶対反省してない。
「……で?」
「?」
「お前、昨日からずっとここにいたの?」
「うん」
「寝た?」
「寝た」
「どこで?」
「そこ」
みどりが指を差す。
俺の枕だった。
「…………」
「ふかふかだった」
「俺の枕なんだけど」
「知ってる」
「知ってて使ったの?」
「うん」
「…………」
俺は何も言わず、枕を取り返した。
「で、朝飯どうする?」
「食べる」
「何食べたい?」
「なんでもいい」
「じゃあ食パン」
「嫌」
「…………」
俺はみどりを見る。
「なんでもいいって言ったよね?」
「食パン以外ならなんでもいい」
「条件後出しすんな」
仕方なく、冷蔵庫を開ける。
「…………」
卵が一個!(デデンッ★)
牛乳が少し!(デデデンッ★)
あと、よく分からない調味料!(デデドンッ★)
ヨシッ!
「……」
「お腹減った」
「うん」
「すごく減った」
「それ昨日も聞いた」
「すごくすごく減った」
「うるせぇ」
冷蔵庫を閉め、財布を確認した。
「…………」
財布の中には、数枚の紙幣と小銭。
大学生の一人暮らしなんて、だいたいこんなもんだ。
「……買い物行くかぁ」
「行く」
「みどりは留守番」
「ヤダ」
「なんで?」
「一緒に行きたい!」
「いや、ドラゴンだろお前」
「うん」
「外に出たら絶対騒ぎになる」
「ならないよ」
「なるんだよ」
俺はみどりを指差す。
尻尾に翼、おまけに小さい角まで生えている。どこからどう見てもドラゴンだ。
「その姿でスーパー歩いてみろ」
「……テクテク?」
「そうじゃない」
結局、俺はみどりをリュックの中に入れていた。
「苦しくない?」
「大丈夫」
「暑くない?」
「大丈夫」
「本当に?」
「大丈夫」
「……じゃあお口チャックな」
「分かった」
ヨシッ(本日二度目)。
これなら大丈夫だろう。
俺は玄関を開けて外に出た。
ジリジリと大きな声でセミが鳴いている。玄関の鍵を閉めた。
歩き始めてから数秒後。
「らだお」
「…………」
「らだお」
「…………」
「はら、へった」
「みどり?」
「ン?」
「喋るなって言ったよな?」
「ウン」
「じゃあなんで喋った?」
「腹減ったから」
「理由になってねぇ……」
道行く人がこちらを見る。
俺は出来るだけ何食わぬ顔で歩いた。そして、リュックの中からドラゴンの声が聞こえていることについては、考えないことにした。
スーパーに到着した。
「……よし」
俺はリュックを背負い直す。
「みどり」
「なに?」
「ここからは絶対に出るなよ?」
「ウン」
「俺が買い物してる間、大人しくできる?」
「多分」
「え?」
リュックを少し開ける。
みどりの顔がひょこっと出る。
「まぁ…行ってくる」
「いてら」
俺はリュックを閉じた。
そして店内へ入る。
まずはパン。
そして、卵に牛乳、適当な惣菜。
それから………。
「……ドラゴンって何食うんだろう。」
俺はスーパーの棚を眺める。
やっぱり肉?もしかしたら魚派かもしれないし、案外ベジタリアンかも……。
「……分からん」
そもそも俺はドラゴンを飼ったことがない。
「てか、普通の人間はドラゴンなんて飼わないよな。」
「らだお」
「…………」
リュックが動いた。
「らだお」
「静かにして」
「腹、減った」
「さっき食ったろ」
「朝ごはん食べてない…」
「今買ってんの!」
「早くして?」
「なんか俺より偉そうだな…。」
近くにいた店員が不審そうに、こちらを見た。
「…………。」
俺は何事もなかったかのように商品をカゴに入れた。ドラゴンの声は聞かなかったことにしよう。
会計を済ませ、店を出るその帰り道。
「ほら」
俺はリュックを開け、みどりにパンを渡した。
「ありがとう」
「……食いながらでいいから聞け」
「?」
「お前さ」
「うん」
「これからどうすんの?」
みどりがパンを食べる手を止めた。
「決めてない」
俺は少しだけ黙った。
昨日の段ボール。
『拾ってください』
あれを書いたのは一体誰なのか。
どうしてみどりは、あんなところにいたのか。
何も分からない。
「……まあ」
俺は前を向く。
「もう少しくらいは、うちにいていいから」
「うん」
「そのうち、お前の帰る場所も探さないとな。」
「…………。」
「どうした?」
「………別に。」
みどりはまた、パンを咀嚼しながら。
「ありがとう」
「……どういたしまして。」
そして、少しだけ気まずくなった。俺は誤魔化すように歩く速度を上げる。
「……帰ったら飯な」
「ウン」
「その前に部屋片付けるから手伝えよ」
「分かった」
「あと俺の枕勝手に使うなよ」
「…………」
「聞いてる?」
「ウン」
「本当に?」
「ウン」
「じゃあ返事して」
「ヤダ」
「えぇ?」
今日もまた、俺の平凡な一日が始まった。
——いや、もう平凡ではないのかもしれない。
何しろ俺のリュックの中には、
小さなドラゴンが一匹入っている。
「らだお」
「今度は何?」
「帰ったら何食べる?」
「…………」
「楽しみ」
「お前、食うことしか考えてないだろ」
「ウン!」
「そこは否定して?」
コメント
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うわー、めっちゃ可愛いですねこの2人(笑)「らだ男」呼び、なぜか妙にハマってます。枕を奪われて「聞いてる?」「嫌」って返すみどりのクセの強さと、主人公のツッコミのテンポが絶妙で、読んでるこっちまでニヤニヤしちゃいました。リュックの中から「腹減った」って連呼しながらスーパー行くの、完全に日常の風景になってるのが不思議な安心感。まだ2話なのに、もうこの日常がずっと続いてほしいと思ってしまう。