まるで一枚の美しい絵画のようだと思った。
主君への忠誠を誓い跪く騎士。
それを受け信頼を寄せる主君。
説明書きをつけるならそんな端的な文章になるだろうか。
けれど、そんな短い文章では到底説明しきれない程の深みが、額縁に収めた二人の世界には溢れていた。
大将軍と呼ばれた男がむせび泣く姿に驚いたのか、それともあまりに崇高な気配に見惚れたのか、俺は一時息を潜めて見守り、騎士団の一人に声をかけられたことで吹き返す。
「……グレイス嬢」
空気を壊すことを躊躇いながらも近づき、窺うように声をかけると、彼女がすぐに顔を上げた。
「はい、サイラス殿下」
跪いていたウェイド卿も腕で涙を拭い、しかし拭いきれな***************************
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