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数日後、ルージュ魔法学園では年に一度の**「魔法探検祭」**が開かれることになった。 学園敷地に作られた迷宮をペアで探索し、隠された“魔法の鍵”を見つけ出すというイベントだ。
「では今年は、くじ引きでペアを決めます」
先生の声に教室がざわつく。
くらげは緊張もなく、のんびりとくじを引いた。
――そして、その紙を見た瞬間、海星と目が合う。
「……俺か」
「うん、よろしくね! 」
くらげはにこっと笑い、海星は少しだけ眉を上げた。
◇◇◇
迷宮の入り口に立つ二人。
「くらげ、俺の指示に従え。迷ったら危険だ」
「うん、でも私もちゃんと戦えるよ? 」
海星はふっと笑い、「それはこの前でよくわかった」と小声で言った。
中へ進むと、壁から炎の蛇が飛び出してくる。
海星が水の盾を作り出し、くらげが光の鎖で蛇を封じる。
「……意外と息が合うな」
「そう? なんか楽しいね!」
その後も二人は数々の仕掛けを突破し、ついに最深部に到達。
宝箱を開くと、中には黄金に輝く鍵があった。
「やった! これで一番乗りだ!」
くらげが嬉しそうに跳ねた拍子に、足を滑らせて海星の胸に倒れ込む。
「わっ、ごめん!」
「……全く。天然にもほどがある」
そう言いながらも、海星の手は優しくくらげの肩を支えていた。
――気づけば、お互いの距離は以前よりずっと近くなっていた。