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【4話】魔法探検祭の結果発表は、夕暮れの中庭で行われた。
「今年の優勝ペアは――望月くらげ、星影海星!」
名前が呼ばれると、くらげは「わぁ!」と小さく跳ね、海星は微笑を浮かべながら前へ出る。
金色の鍵が刻まれたトロフィーを受け取る瞬間、拍手と歓声が二人を包んだ。
◇◇◇
その夜、寮の屋上。
海星は眠れずに星空を眺めていた。そこへ、毛布を肩に掛けたくらげが現れる。
「海星くんも眠れないの?」
「……ああ。少し、考え事をしてた」
くらげは隣に座り、空を見上げる。
「きれいだね。海星くんの瞳みたい」
「……っ」
思わず息をのむ海星。
この子は、どうしてこうも無防備に心を揺さぶってくるんだ――。
「今日、楽しかった。また一緒に冒険したいな」
くらげの笑顔は、月明かりの下で柔らかく輝いていた。
海星は少し目を逸らしながらも、静かに答える。
「……ああ。次は、俺が君を守る」
その言葉に、くらげは嬉しそうに頷き、二人の間に星空のような静かな時間が流れた。