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memi
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⚠🍆🐷
ストーカー表現◯
BL◯
登場人物
🍆[
🐷「」
視聴者『』
苦手な方はさようなら(;_;)
これは完全なる私の妄想です。
広大なマップで行われている、大型マイクラ外部コラボ配信。
賑やかな声が飛び交う全体チャットを横目に、🐷は配信開始から丸2時間、どこのグループにも入れず完全に孤立していた。最初は
「いや〜、俺クラスになるとね、あえて単独行動で!!」とリスナーに冗談を飛ばしていたが、さすがに2時間はきつい。
そんな時、偶然目の前を通りかかったのが、同じく単独で動いているように見えた🍆だった。
「あ、🍆さん。何してんすか? なんで一人?」
[お、🐷じゃん。いや〜俺? 俺は今、グループの奴らに頼まれて、いろいろ素材を探し回ってるとこなのよ]
🍆には、すでに所属している外部のグループがあった。それを察した🐷は、これ以上邪魔をしては悪いと、いつものおちゃらけたトーンで身を引こうとする。
「あぁ、グループあるんすね! じゃあ俺、邪魔しちゃ悪いからどっか行きまーす」
背を向けて歩き出そうとした🐷の背中に、🍆の声がかけられた。
「…待てよ、🐷。なぁ、もしよかったらさ、俺のグループ入る?」
その言葉に、🐷は思わず振り返り、嬉しそうにコクコクと頷いた。
しかし、🍆がチャットで自グループのリーダーに確認を入れると、無情な答えが返ってくる。
[あ、ごめん🐷……今聞いたら、もう人数上限いっぱいで入れないって言われちゃったわ……]
「あぁ、いいっすよいいっすよ! 全然気にしてないんで! 俺は俺で1人で気楽に探すんで、🍆さんも頑張って〜!」
🐷は努めて明るく手を振り、その場を去っていった。
🍆はその背中を、ただ黙って見送るしかなかった。この時、🍆は🐷が2時間ずっと丸っきり独りぼっちだったことを、まだ何も知らなかった。
―それから約15分後―
🐷の精神はいよいよ限界を迎えていた。
それまで無理に張っていた声のトーンが、完全に死んでいる。ガチで寂しさが限界突破したMENは、配信画面の向こうの視聴者に向けて、ぽつり、ぽつりと、リアルな弱音を吐き出した。
「……あーあ……」
「さっき、あそこで素直に🍆さんに甘えときゃよかったなぁ……」
「プライド捨てて、無理やりについていけばよかった……」
「マジで寂しいわ……喋る相手いねぇもん……」
「もう何のために素材集めてんのか分かんなくなってきた……」
始まった当初のふざけたテンションは消え失せ、今にも泣き出しそうな、生気を失った声。
これを見た視聴者たちは一変して大慌てになった。
『🐷がガチで凹んでる』
『これはやばい』 と察した視聴者たちは、猛烈な勢いで🍆の配信へと突撃し、チクりを入れた。
『🐷を泣かせんなー!』
『🐷が限界迎えて死にそうな声出してる!』
『🍆さん、🐷がさっき甘えとけばよかったって泣き言言ってるよ!』
最初は[ハハハ、あいつ大袈裟に言ってるだけだろ〜?]と笑っていた🍆だったが、コメント欄が伝える🐷の具体的な弱音のセリフ(「甘えときゃよかった」「マジで寂しい」)を見るうちに、次第に笑顔が消えていく。
[(あのプライドが高くて、いつも飄々としてる🐷が……? 嘘だろ、そんなこと言うわけ……)]
その瞬間、🍆の胸に猛烈な罪悪感と、理不尽な怒りが湧き上がってきた。
[(なんであいつを、自分のグループに入れてあげられなかったんだよ)]
自分の無力さとグループの枠上限に、無性に腹が立ってきたのだ。
🍆は突然、配信内で一切の無言になった。
そしてチャット欄で、自グループのメンバーに告げた。
「わりぃ、俺抜けるわ」
引き止める声を無視してグループを脱退。🍆は、ただ🐷を救い出すためだけに、夜の荒野へと走り出した。
しかし、限界を迎えた🐷は自暴自棄になっていたのか、かなりのスピードで、誰も来ないようなめちゃくちゃ遠い場所まで移動してしまっていた。座標の情報もなしに合流するのは、広大なマイクラの世界では絶対に不可能だった。
ここで、🍆は手段を選ばなかった。
「おい、お前ら。🐷の配信見てる奴、あいつの居場所を俺に教えろ」
🍆のリスナーと🐷のリスナーが結託し、
【🐷の配信を見る】→【位置を確認する】→【🍆の配信へ行き、居場所を伝える】
という伝言ゲームが、数十回、数百回と繰り返された。
🍆の目は完全にマジだった。面白おかしいのノリではない、真剣そのものの表情で、指示された座標へと全力で走る。だが、🐷も立ち止まらずに歩いているため、なかなか距離が縮まらない。
しびれを切らした視聴者たちが、今度は🐷の配信のコメント欄で叫んだ。
『🐷、一回止まって!!』
『お願いだからそこ動かないで!』
画面に溢れる『止まって』の文字に、🐷は眉をひそめる。
「え? なに、止まってって。なんかこの先トラップでもあんの? 」
怪しみながらも、🐷はその場で足を止めた。
視聴者はすぐさま🍆に報告する。
『🐷が止まりました!』
しかし、限界の🐷はさらに呟く。
「あー……もうキリいいし、今日の配信やめよっかなぁ……。モチベが上がらん……」
『やばい! 🍆さん急いで! 🐷が配信切っちゃうかも!!』
コメント欄の悲鳴のような催促を受け、最後の直線を猛ダッシュした。
次の瞬間。
上空から崖を飛び降り、着地のダメージを受けながら、🐷の目の前にドスンと落ちてきた男がいた。🍆だ。
あまりの至近距離に、🐷は一瞬ビクッと身体を震わせた。
「……ちっか。……なんすか、🍆さん」
声は低く、めちゃくちゃ拗ねている。🐷の内心は 「(あーあ、またどうせ、🍆さんがグループの用事で何かやってて、たまたま通りかかっただけだろーな)」という諦めに支配されていた。
だが、🍆の口から出たのは違った。
「🐷、迎えに来たぞ。一緒に行こう」
その言葉を聞いた瞬間、🐷のテンションがあからさまに跳ね上がった。声に一気に体温が戻る。
「えぇぇっ!? マジで!? いや〜〜〜、マジで寂しかったんすよ!! 2時間ずっと1人!! 誰も喋ってくれんくてさぁ!!」
さっきまでの死んだ魚のような目はどこへやら、いつもの饒舌な🐷に戻り、嬉しそうに🍆の後ろをついていく。🍆は[おぉ、悪かったな]と優しく笑い、その後、別のフリーのプレイヤーたちと合流して新しいグループを結成した。
そこからは、賑やかなグループ行動が始まった。
……はずだった。
悲劇は去り、ハッピーエンド。視聴者もそう安心していた。
しかし、配信が続くにつれ、コメント欄は『……何かがおかしい』と気づき始め、奇妙な違和感に包まれていく。
グループの人数が増えてワイワイしている中でも、🍆の視線は、常に、異常なほど🐷だけを向いていた。
🐷が他のメンバーと少し楽しそうに話しているだけで、🍆はスッとその間に割り込んでくる。
さらに、🐷が「あ、俺ちょっとそこの洞窟の鉄掘ってきますね〜」と、遠慮して少しでもグループの輪から離れようとすると、🍆の行動は徹底していた。
ゲーム内のボイスチャットや全体チャットではない。
🐷のスマホに、即座にメッセージが届くのだ。
【個人LINE:どこいるの?】
【個人LINE:座標教えて。すぐ行くから】
「え、あ、🍆さん? 個人LINEでどこいるか聞いてくるの何なんすか(笑)。すぐそこっすよ、いつもの🍆さん過保護すぎでしょ〜」
🐷はそれを、ただの「弄り」や「いつもの🍆さんの過保護な絡み」だと思って笑っている。🍆の声や言動も、配信上では[おいおい🐷〜、迷子になったら困るだろ〜?]と、いつもの気のいい、お調子者の🍆そのものだった。
だが、画面の前のリスナーたちは見ていた。
🍆の配信画面。彼は🐷が少しでも離れるたびに、狂ったような手つきで携帯の画面を叩いて個人LINEを送り、🐷の配信画面を裏画面で凝視しながら、その現在地を完全に特定してストーキングしていた。
🐷が他の人と話すたびに、🍆のキャラクターの視線が、ピキッと不自然に🐷の頭元に固定される。その執念深さは、完全に一線を越えていた。
そんな裏での異常行動を、🐷は知る由もない。
むしろ、2時間の孤独から救ってくれた🍆のその「異常な執着」が、今の寂しがり切った🐷には、たまらなく心地よかった。
嬉しすぎて、🐷はマイクが音を拾うか拾わないかの音量で、ボソッと本音を漏らしてしまった。
「……あー……。こんだけ俺のことばっか見られるの、ぶっちゃけ、めちゃくちゃ嬉しいわ……。🍆さん、俺から離れないでいてくれるし……」
バッチリマイクにのってしまったその呟き。
視聴者たちは確信した。この二人の関係性は、何かが決定的に狂っている、と。コメント欄が『え……?』
『🐷、それ喜んじゃダメなやつ……』
『🍆さん目がマジなんだけど』
『なんか怖くなってきた』と、恐怖の書き込みで埋め尽くされていく。
その時。
🍆は、コメント欄が自分たちの異常さに気づいたことを察した。
🍆はゲーム内で🐷に背を向けたまま、配信のマイクに向かって、
ささやくような、しかし冷徹な、視聴者だけにしか聞こえない声を落とした。
*[*……シー……]
それは、これ以上余計なことを🐷に言うな、という明確な脅しだった。
何も気づかず、「🍆さーん! 鉄掘れましたよー!」と無邪気に駆け寄ってくる🐷の足音だけが、静まり返った配信に響いていた。