想像していたより早く到着したのは
私自身が成長したからか、はたまた
その場から一刻も早く逃げ出したい気持ちの表れだったのか
長い階段を登り終えると
茂みをかき分けながらすぐに裏手の方へ向かった
浴衣の裾が汚れるのを気にもせずに
裏手に繋がるちゃんとした道があるわけではないから
ここならしばらくは一人でいられるはず
見下ろせば屋台の連なる灯が遠くに見える
本当なら今頃はあそこにいたんだけどなぁ
そう思うと自然に涙がこぼれた
せっかくのメイクも何もかも台無し
屋台で食べる予定だったからおなかもすいた
「はぁ~」
「なにしてんだろ…」
思わず大きなため息をつきしゃがみ込む
ガサッ
「えっ?」
音のした方に振りむく
ガサガサッ
「なになに…誰…?」
あれ?ここってもしかして動物でる?
人?動物?
わかんない…怖い…
「あれ、先客か」
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