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「あれ、先客か珍しいな」
「ってお前かよ」
聞き慣れた声
そこには見知った顔の幼馴染がいた
「びっくり…させないでよ…」
「え、俺が悪いの?まぁすまんな」
「それでそんなとこ座り込んでどうした?」
「今日デートだってこの前言ってなかったか?」
「話なら聞くぞ」
彼は何も悪くないのにとりあえず謝ってくれる
察してるのか話を聞こうとしてくれる
私は浴衣が汚れるからと差し出してくれた手をとりながら
彼氏にも幼馴染の1割ぐらい優しさがあったなら
なんて叶いもしない過ぎたことを考えていた
「もうなんか食べた?」
「ううん…」
「たこ焼きならあるけど食う?」
「食べる…」
「んじゃ、はい。残れば俺が食うから」
「ありがと」
貰ったたこ焼きを食べてる間
彼はずっと静かに遠くを眺めていた
少し大きめのたこ焼きはどこか懐かしい味がした