短編小説?的なやつ!
「えー、思春期とは━━。」
ザワザワ…ザワザワ…
(嫌だなあ。)
中学1年の私は今、大人の階段に登る時期だ。
(この空気感まじで最悪、)
キーンコーンカーンコーン
「今日の授業はここまで」
(やっと終わった)
保健の授業に受ける度に怖くなってくる。
「先輩かっこよくてさ〜、」
「えー!めっちゃ分かる!」
(はぁ、またこの話題、)
「花は誰が好きとか気になってるとかいる?!」
あ、話題振られた、
「いや全然いないしそもそも男子と話さん」
こうやっていつも話を逸らしてる…が、
「でも石本くんと仲良いじゃん?」
「あー!確かに!」
「石本とはそういうのじゃないよ」
あー本当にこういうの嫌。
小学校の頃は普通に男子と話せてたのに
今では何故か話せなくなっていた。
そんな自分が怖くていつも逸らしている。
「花ちゃん!」
「石本どしたー!」
「このゲーム面白そうだから一緒にしない?」
「やろやろ!じゃあ来週の土曜日!」
にやにやしながら私の方に来る女子達。
本当に嫌
「やっぱりそういう関係〜?!」
「違うって〜!ただの友達だよ!」
「ええ?でもさっきのは流石にねぇ。」
「言い逃れ出来ないよー?!」
「2人でやるんでしょ?ゲーム!」
もう本当に気持ち悪い
お腹痛くなってきたし、
「認めなよー!」
(違う違う違う違う違う違う)
(気持ち悪い)
「気持ち悪、」
ふと気づいた時には口から言葉が出ていた
「あ、ご、ごめん!今日早退するわ!」
「あ、え、はなちゃん、?」
やってしまったやってしまったやってしまった!
明日からちょー気まずいんだけど!
やばいお腹痛い!
ガチャッ
トイレに駆け込み下着を覗くと、
「え、?」
「花ー!お腹大丈夫ー??」
「大丈夫だって」
「今日赤飯炊いちゃう?笑」
「やめてよ。」
「冗談冗談!笑」
もうなんでこんな時に、
家族の言葉でさえ腹がたってくる。
ピロンッ
”花体調大丈夫?女子達から聞いたよ”
石本からのメッセージだった
「もう本当に腹たってくる」
〜♪
「もしもし」
「ごめん!打つのしんどいよね」
「大丈夫だから」
いつもより低い不機嫌そうな声を出す
「来週の土曜日やめない?」
「え、?なんで?」
「だって体調悪いし、無理は良くないよ!」
違うこれはただの生理現象で
「あ」
この生理現象の所為で━━━━。
「ち━━う。」
「え?」
なんでなんでなんで私の所為?
違う違う違う違う違う違う違う違う違う
「違う!!!!」
あ、言っちゃった。
「ご、ごめん。」
私の息は荒くなって泣きそうになっていた
「ごめん今のは違うの、」
「大丈夫だよ、体調はどう?」
その優しい声にホッとした自分がいた
それに、
胸がドキドキした。かも。
「平気、ありがとう。」
(やばい泣きそう)
「今会いたい、行く!」
「え?!」
プツン
電話はそこで終わった
私は大人になるのが怖かった 。
今まで遊んでた人達も中学に上がると全然遊ばなくなるし、
何より
距離がすごく遠くなった気がしたから。
今までずっとズボンだったから中学の制服は
辛かった。
でも感じた。
私は私のままだって。
「お母さん!外行ってくる!」
「え?!お腹は痛くないの?!」
「なんでもいい!」
バタン。
そう言って私は真っ直ぐにずっと走った。
「石本!!」
「はなちゃん?!」
しんどいお腹痛い。
「あれぜってー告白だ!」
「ヒューヒュー!」
「うるせぇ!!私の勝手にしろ!!!!!」
「さっきの電話はごめん!」
「い、いや大丈夫だけど、本当に大丈夫?!」
「大丈夫!」
「私、大人になるのが怖かった。
大人になっていくって事をずっと避けたかったの。」
「でも生理がきちゃって、
でも私は私だって気づいた。」
「生理現象のせいで楽しみが壊れるのは嫌だもん!」
「はなちゃん、」
「大丈夫だよ来週の土曜日楽しみだね!」
「うん!」
「あと、」
「言ってくれてありがとう。」
「うん」
私の目は涙目になった。
でも少し大人になるのも悪くないなって
そう感じた。
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