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#幽霊
凛道桜嵐 新
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#日常
がくじゅつてき・あかげ
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わーい
41
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日曜だが、来週以降の仕事の予定を整理しておきたかったので、俺は机のノーパソに向かっている。千歳も、隣の机で週報を書いている。
「今週もいろいろあったから、週報大変じゃない?」
『んー、そうでもない、いろいろあったことは日報で書いたからさ、週報は日報参照ってだけ書けばいいって』
「そっか、よかった」
『おまえも仕事大変だな』
「いや、予定立てるだけだから」
そんなことを話しながら作業を進めていたら、千歳がかけていたradikoから、こんな声が流れた。
〈では、次の歌はあいみょんの「君はロックを聴かない」です〉
高すぎない優しい声、でも切なさを秘めた声の歌が流れる。歌が終わってから、千歳がぼそっと言った。
『今の、いい曲だな』
「うん、俺も好き。あいみょんはマリーゴールドもいいよ」
『おっ、お前知ってる歌手なのか?』
「うん、前になんかで聞いて、いいなと思って。て言っても、YouTubeでMVいくつか見た程度だけど」
『ふーん、手が空いたらワシも見ようかな』
話している時、俺はふと、自分は今の歌に似た境遇なんだなと気づいてしまった。
君はロックを聴かない。でも僕はロックを聴いている。君に近づいてほしくて、僕はロックを聴かせる……。
君は恋愛なんかしない。でも俺は君に恋している。俺は、少しでも君に近づいて欲しくて……。
ロックで恋が乗り越えられるなら、俺はこんな歌もあんな歌も聴くよ。でも、乗り越えることもやり過ごすことも、すごく大変だ。
千歳と、物理的な距離はすごく近い。寝るときなんて添い寝してるわけだし。でも、千歳が俺に持ってる気持ちは親愛とか友愛であって、恋愛ではないんだよな。
俺は、こんなに君に恋しているのにな。
「……千歳は、ロックとか聴く?」
『うーん、よくわかんないから聴かない』
「そっか……」
コメント
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ああ、この回、すごく好きです。あいみょんの「君はロックを聴かない」をあえて引いてきて、主人公の片思いを重ねる構成が巧い。物理的には添い寝するほど近いのに、千歳が持ってるのは恋愛じゃなくて親愛・友愛……その距離感が切なくて、胸に刺さりました。最後の「そっか……」も余韻が効いてる。748話も積み重ねてきた空気感があるからこそ、この静かな一コマがこんなに響くんですね。