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無二は一条の腕を引っ張った
「そこは下着とか入ってるんで見ないでください」
「でも何で血のにおいがするんだろうな」
無二はためらいがちに
「それはその、私が生理中で」
「悪いな、言わせたりして。でも外にいる時はにおいしなかったけど」
「外ではにおいが風でなくなるんじゃないですか」
「でもあんなに近づいてたらにおうだろ。やっぱり開けさせてくれ」
「だめっ!」
一条はクローゼットを開けてしまった
小湊は一条に首をかもうと襲いかかる
一条は小湊にパンチした
小湊は一回転する
「やめて!」
一条が小湊に馬乗りになりパンチをくりかえす
「お前が!無二の血を!吸ってたのか!」
「やめて!やだー!」
無二は泣きながら一条の両腕を引っ張った
小湊はふふと笑った
「何がおかしい!」
一条が激昂した
「無二は血を飲ませてくれた上に抱かせてくれたよ。甘いあえぎ声だしてかわいかったなあ」
無二は別にあえぎ声など出してない
「何だとこの変態野郎!」
一条がさらに小湊の右頬と左頬を殴った
「一条さん、もうやめて。死んじゃう」
一条は殴るのをやめた
「この吸血鬼は守若に引き渡す。無二の血を吸ったんだ。相応の罰を受けてもらおう」
守若の家には牢屋があり、そこで拷問できるようになっていた
「やめて!小湊さんは私を襲ってないよ。私から血をあげたの。注射器で」
「何でそんなことをした?そんなことをしつづければ無二は死ぬかもしれないんだぞ」
無二は傷ついた小湊と目が合う
「小湊さんのこと、きれいな人だと思ったから。血が欲しくて苦しそうにしてたから…」
「この吸血鬼を助けたいのか」
無二は頷いた
「なら、おれが血を分けてやるから無二は血を出すな」
「一条さん、ありがとう。でも無理しないで」
一条は味方になったのだった
小湊は外に出かけるとき黒髪のウィッグをつけ、一条の服を着た
「一条くんの血はおいしくないなあ。僕、無二の血のほうが好き。抱かせてもらえるしね」
無二は一条のことが心配になった
3日に1回とはいえ、大量の血を注射器から抜くので貧血になってないだろうか
そのことを言うと
「見に行ってきたら?」と小湊
無二は一条の家についた。
一条工務店をやってるので純和風の立派な家だった
一条は玄関ドアをあけた
いつもは青いワイシャツの一条が黒いTシャツを着ていた
それもまた似合ってる
金持ちで容姿抜群。人を大事に思ってくれる。モテるだろうなと思わされた
「いらっしゃい。珍しいな、無二がおれの家に来るの」
気だるげにドアによりかかる姿が絵になっていた
「貧血ですか」
「全然」
「じゃあ失礼しました」
「おい、折角来たんだ。中入れよ」
無二はためらったが
「お邪魔します」
別に中に入るつもりはなかったのに入ることになり、無二は一条の家を見回した
一条がお茶を出してくれる
「ありがとうございます」
「男の家にあがりこんで緊張してる?」
「別にそんなことは…」
無二はちょっと緊張していた
無二の血を飲んだのか!と怒鳴った時かっこよかったと思ってしまっているから
「小湊に抱かれたって聞いてびっくりした。あんなへらへら男がいいんだな、無二は」
「…..」
「あの男は無二を利用してるだけな気がするけどな。人間と付き合ったほうがいいと思う」
「私と付き合おうって人いないと思います」
「いるじゃん。守若とか」
守若は無二と二人きりになると、無二の胸をじろじろ見たり肩に手をまわしたりしてくるので無二は苦手だった
「でも守若は狂人みたいなところがあるから友達ってだけのほうがいいかもしれんな」
無二のことをいろいろ考えてくれるんだなと思った
そして申し訳ない気がした
「あんなに血を大量に抜き取ってしんどくないですか。私これからは小湊さんに自分の血をたまに分けたいです」
「無二が無理するなよ。おれは平気だけど無二は東屋で倒れてたんだから」
「倒れてないです。寝てただけです。私は別に死んだっていいけど、一条さんは死なないでほしいです」
「死んだっていいなんて言うな。無二のまわりの人間全員が悲しむし、おれだって悲しむ」
一条は無二の手をつかんだ。
そして優しく撫でた
無二はドキドキした
「お前は生きてるだけでいいから無理すんな。それから今日からおれも無二の家に泊まるわ」
「えっ!何で」
「小湊と二人きりだと妊娠するかもしれんだろ」
「妊娠するわけないじゃないですか///」
「おれがいれば監視になっていい」
荷物の用意をする一条