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???「おんなかほんなかぽっぽっぽっー」???「またその歌歌ってらっしゃるんですね。それにいつも微妙にリズムが違う」
???「その歌は誰が考えたんだ?」
「雨花」が歌を歌っていると、「橙」、「兎白」が話しかけてきた。
雨花「作詞作曲わたし。廊下より愛をこめて。」
橙「あっ自分で考えたんですね」
兎白「面白い歌だな」
雨花「そうだろうそうだろう」
雨花はドヤさぁとした顔で笑った。
橙「あっ私曲を作る課題があったんでした」
兎白「あぁそういえば去年俺たちもやったな」
橙「雨花さんもやったんですか?」
兎白「いやそれがこいつは曲作りの代わりに別の課題をやったから曲作りはしてないんだ」
橙「雨花さんの曲……聴いてみたかったです」
雨花「そもそも音楽の先生も酷いよ!曲なんて簡単に作れるわけないじゃん!!」
兎白「お前は曲作りの題目が『自分の心』だったって言うのもあるんじゃないのか?」
雨花「えぇ〜どうでしょうねぇ〜」
橙「これは絶対そうですね。今回の曲作りの題目は『大切な人への想い』でした。どうしましょう……」
雨花「いっその事サボっちゃえば?そしたら曲作りの代わりの課題が渡されるよ!」
橙「いえ、曲作りそのものが嫌な訳では無いので、ちゃんと頑張ろうと想います。」
雨花「橙ちゃん!!真面目!!ご褒美に高級みかんパフェの割引券をあげよう!!」
橙「ありがとうございます!!」
兎白「まぁあまり無理はするな。頑張ってくれ」
橙「はい!」
橙は、こうして曲作りを頑張ることにした。
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橙「まずは作詞からやってみますか」
私の伝えたいこと
まず誰に伝えるかですよね
いつもあまりお礼を言えてない人でしょうか
《あは。こちらこそよろしく!橙ちゃん!》
そうだ!
雨花さんに伝えよう!!
雨花さんがいたから私は桃時さんや兎白さん、瑠璃人さんに逢えた訳ですし、感謝を言うなら雨花さんですね!
では、まずは雨花さんに伝えたいことを……
雨花さんは……
いつも面白くてよくふざけていて
トラブルメーカーで
でも実は周りをよくみていて、
人に気を使うことも出来て、
それをやりすぎちゃうこともあって、
それから
いつも何かを恐れてるようにみえる
いつも人に自分自身を隠しながら
誰にもバレないよう
誰にも悟らせないよう
自分自身を黒く黒く塗りつぶしているように
そんな風にみえる
そんな風に生きてる雨花さん
そんな生き方に余裕なんてあるんだろうか
橙「……よし」
橙は紙にペンを走らせる。
橙「…………できた!あとは作曲ですね。流石に一から作るのは難しいので、プロの方が作った曲を少しアレンジして作詞に当てるようにしても良いと言われましたし、お言葉に甘えましょう」
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雨花「ふんふんふーん」
???「あんたいっつも何かしら歌ってるわね」
???「癖なんじゃねぇの?」
雨花は、「桃時」、「瑠璃人」と一緒に生徒会室に向かっていた。
橙「雨花さん!!!!」
雨花「ん?どったの?橙ちゃん」
橙「曲作れました!」
桃時「曲?」
瑠璃人「あぁ!その課題ならオレも終わらせたぜ!橙への気持ちをしたためたんだ!」
桃時「あんたのしそうなことね」
瑠璃人「もしかして……オレへの曲かぁ?!」
橙「違います」
瑠璃人「そんな即答すんなよ!!」
桃時「誰に作ったの?」
橙「その……雨花さんに……」
雨花「え」
桃時「へぇ。……うふふっ。瑠璃人。項垂れてないて行くわよ」
瑠璃人「えぇ〜オレも橙の作った曲聴きたいぜ!」
桃時「好きな子が作った他人への曲聴いて面白いの?」
瑠璃人「うっ確かに……」
桃時「じゃあアタシたちは先行くわ。ごゆっくり」
桃時は、瑠璃人を引きづって生徒会室へと向かった。
橙「聴いてくれますか?」
雨花「……うん!良いよ!聴かせて!」
橙はスマホを操作し、曲を再生する。
※ここから少し歌詞になります。皆さんのご想像でメロディをお付けください
僕はただ人を救いたかった
小さい頃みたアニメ
かっこよかったヒーロー
ヴィランから人を守る
いつも独りで闘ってる頑張ってる人を救う
そんな存在になりたかった
そんな存在は
フィクションの中だけだって
思い知らさせるまであと1945日
僕はただ人を救いたかった
小さい頃やったゲーム
やられてくヴィラン
ヒーローに倒されてく
いつも傷つけてばかりの悪者も救う
そんな存在になりたかった
そんな存在は
綺麗事と切り捨てられるだけだって
悟ってしまうまで0814日
僕は 僕は
「ハッピーエンド」になりたかった
偽善者でも
綺麗事でも
フィクションでも
空想でも
もうなんでも良い!
僕は君に生きてて良いんだよって
許せなくたって良いって
それで良いから一緒に生きていこうって
伝えて魅せたいんだ
それができるなら
それがもしできるなら
良いのに
君がどれだけ何かを傷つけても
傷つけたものに許されなくても
君は救われて良い人
楽になっちゃいけないって
自分にはそんな資格ないなんて
そんなことないよ
こんな曲くらいきいてみても良いんじゃない?
君は君を許してあげて
お願い お願いだから
こんな歌を歌っても
君の現実は変えられない
僕が勝手に満足するだけ
でもせめてここでは
君に 僕が 助け出せ続けるから
歌い続けるから
雨花「…………」
橙「どうですか?」
雨花「…………うん。すごく嬉しいよ。ありがとう」
橙「本当ですか……!私綺麗事まみれであんまり雨花さんは好きじゃないかと思ったんですが……」
雨花「綺麗事で良いじゃん。それがその人の優しさの形なら。大切にしようとしてるんだから。綺麗事で良いんだよ。自分から歩み寄ろうとしたってことでしょ?歩み寄ろうとしなきゃ綺麗事だって跳ね除けられることすらされないじゃん。綺麗事は優しさの形の一種だよ。」
雨花は微笑む。
橙「!、ありがとうございます!」
橙は目をキラキラさせて喜んでいる。
雨花「…………」
ごめんね
橙ちゃん
わたしは
ダメみたいだ
せっかく作ってくれたのに
せっかく”生きてて良いんだよって”“許せなくたって良いって”
言ってくれたのに
わたしは
そんな言葉を貰って良い生き物じゃない
分不相応だ
分不相応なんだ
ごめんなさい
雨花はひたすらひたすら
橙の曲を想い出し続け
自分の心を抉り続けた
ひたすら
ひたすら