真希さんとやっちまった。カラオケルームのソファーに寝そべり天井を眺めながらタバコに火をつける。ロマンチックなのか、クールなのか腐れ映画のワンシーンのようだ。
視線を横にずらすと真希さんは対面にあるソファーで眠っている。夢ではないようだ。
例え殺人容疑で刑務所に入ったとしても真希さんとSEXしたことでもうやり残したことはない。
誰が凛を殺害したのか分からないけどこのまま警察に行くか。。。色々な意味で疲れ、投げやりになっていた。
「角平くん起きてたんだ」
真希さんが目を擦りながら上着で裸体を隠しながら起き上がった。
「バイトまでまだ時間あるから一回家に帰るね」
「あっ、はぃ」真希は後ろを向いたまま服を着出した。一枚一枚服を着ていくたびに露出した肌がベールに包まれるように消えていく。
まるでさっきの事は無かったかのような振る舞いに俺は服を着ていく真希さんの手を掴んだ。
「角平くん?」
「あっすいません、つい」
力が緩んだ俺の手を逆らうように真希は背中のジッパーを上まで閉じソファーにあった鞄を手に取った。
「バイト遅刻しないように」
そう言って真希はカラオケを後にした。
恋人なら、気があるなら、キスくらいして出ていくだろ。所詮、そんな関係じゃないのか。流れで肉体関係を持ってしまっただけそんなふうに言われた気分だった。
フロントで会計を済まし、階段をゆっくり降りて駐車場に向かう。
トランクを開けると、やっぱり死体はここにある。これが現状だ。
「おぃ真一」
誰が俺の名を気安く呼ぶ。声の方に目を向けると友人の裕己だ、彼女らしき女を連れていた
「真一1人でカラオケ?」
「まぁそんなとこだ」
「紗栄子ちゃんさそってやれよ、お前に夢中なんだからさぁ」
なんでも話せる仲なだけに言葉が軽い。
「うるせいなぁ、お前こそ何してんだ?」
「こいつの地元のダチが昨日から連絡取れなくて、いそうな所を一緒に探してたとこ」
そう言って裕己はスマホの画面を真一に見せた。何気なく画面を見た俺は背筋が凍りついた。裕己の隣にいる女とカメラに向かいピースサインをしてる女は。。。
トランクの中にいる「凛」であった。
「名前は凛ていう子なんだけど見覚えありますか?」
俺は一瞬、間をあけた。
「知らないな、見てない」
「まぁそんなもんだろ、おい飛鳥、ここで最後だ、もう警察いこうぜ」
飛鳥という女は頷いた。
「絶対なんかあったんだょ、凛に限って電話でないとか、LINE既読つかないとかありえないし」
「分かった、分かった」裕己はそういうと、さっと俺のセルシオに乗り込んだ。
「お前なんのつもりだ」
「警察まで乗っけていけよ、もうクタクタだし」飛鳥も車に乗り込んだ。
俺は動揺を押し殺し冷静さを保ちセルシオに乗り込んだ。
「真一暑いから早くだせよ」
ため息をつき仕方なく俺はエンジンをかけて警察に向かうことになった。
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