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「そんな……惨いことして…。」
「ちょ…!」
川島さんを咄嗟に止めようとする戸惑った翔太くんに、私は少し罪悪感を抱いた。
「もういいよ翔太くん、私が殺したんだもん。」
翔太くんは口をぽかんと開けて立ち尽くしていた。
『じゃあもう認めるんだぁ』
「はい。」
私はスピーカーを睨み付けながら思い返事をする。
翔太くんは踵を返して席に戻った。
「名残惜しくなる前に早く殺してよ。」
するとスピーカー真下の壁が地鳴りをさせる。
「え…?」
「今度は何ぃぃぃぃ?!」
奥に眩い光が見える通路が現れ、私達は唖然としていると
『ささ!奥へ』
川島さんは勢いよく立ち上がり、
「アンタが先に行きなさいよ!奥に何かのトラップが張ってあったらどうするつもりなのよ!」
「川島さん落ち着いて……。」
すっかり意気消沈してしまった翔太くんは、足をガタガタと震わせながら止める。
「いいよ、私行くから」
私、川島さん、翔太くんの順に並び通路に足を運んだ。
中は埃っぽく、地面には砂や埃や…血?みたいな物が所々に拡がっていた。
出ると目の前に飛び込んできた風景に驚愕した。
血まみれの巨大なギロチン。
2つの白い椅子。
ギロチンと椅子の間には大きなスピーカーがセットされていた。
『さぁさぁ!川島さんと翔太さんは白い椅子に座って座って〜!』
『罪人の処刑タイムだよ〜!』
パァン
クラッカーの空砲で私達は身体を震わせ驚いた。
私はギロチン前に立ち首をはめる穴に顔を突っ込んだ。
『あーらら?随分と積極的に行くじゃない?』
『凄いねぇ。普段なら怖がって逃げたがるからレッドラムの子達にやってもらうのに…。なんかつまんなぁい!』
ケタケタと笑う男児女児の声はまるで悪魔のように思えた。
『じゃあ芽依ちゃん、最後に言い残したい事ある?』
頭の中で大量の情報が舞い込む。
とても痛い…頭が割れるように痛い。
「芽依さん!?」
立ち上がり叫ぶ翔太くん。
『翔太クーン、座ろーねー』
全身の力が抜ける。
「加奈子ちゃ…」
『??なんて?』
「…ごめんね……加奈子ちゃん…」
私の目は涙で滲み、前の風景がどう写っていたのか分からない。
『それだけでいいんだね?いいんだよね?』
鼻水を啜り、静かに頷いた。
『じゃ!ばいばぁい!』
視界がグルンと回転し首に計り知れぬ、感じたことのない激痛が走る。
顔を歪める事も出来ず私は頭を強打した。
「ーーーーーーーっーーーーっ!!」
なにか喋っているが…何も聞こえない……。
激痛と…共にい……意識がとお…く…………。
21話に続く