テラーノベル
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目が覚めると、カーテンの隙間から差し込む暖かい日差しが、部屋を優しく照らしていた。
寝返りを打とうとした時、背中にいつもとは違う、心地よい重みと体温を感じる。
ふと、誰かが自分のベッドに潜り込んでいることに気づいた。
驚きと共に、恐る恐る振り返ると――。
「……イギリス?」
そこにいたのは、小さく身を縮めて眠っているイギリスだった。
普段の彼なら絶対に有り得ない状況だ。いつもなら、あのきっちりとしたタメ口混じりの嫌味や、「紳士が夜這い?趣味悪いねーw」なんてからかいの言葉が喉まで出かける。
けれど、フランスの言葉はそこで止まった。
目の前のイギリスの顔には、いつも彼が右目に嵌めているモノクルがない。剥き出しになった素顔、その目元を凝視して、フランスは息を呑んだ。
フランス(……泣いてた、のかな?)
そっと触れたシーツや、自分のパジャマの袖が、微かに湿っている。
そして、イギリスの白い頬には、涙が伝った跡がはっきりと残っていた。
フランス(また一人で溜め込んで……全く、相変わらず不器用な奴)
フランスは小さくため息をつき、ベッドの中で寝返りを打ってイギリスと向き合う形になった。自分の左耳で、イギリスの国旗を模したピアスが、カチャリと小さな音を立てる。
普段は喧嘩ばかりして「ブリカス」「フラカス」と呼び合う仲だ。
けれど、植民地の「親」として、かつての偉大な「大英帝国の末裔」としての重圧に押し潰されそうになり、彼がこうして酷く自信をなくす瞬間があることを、フランスは誰よりもよく知っていた。
今回の理由はなんだろうか
自分が弱って、どうしようもなくなって机の下に隠れる時、何も言わずに手を差し伸べてくれるのがイギリスであるように。
今、この無防備な姿でここにいることが、イギリスの精一杯の「SOS」なのだ。
「……おいで」
フランスは、まだ深い眠りの中にいるイギリスの細い肩を引き寄せ、そっと抱きしめた。
暖かい太陽の光が、静かに二人を包み込んでいく。
コメント
2件
1話が30いいね行きましたら続編書かさせて貰います
うわ、この展開……! 普段あれだけ喧嘩ばっかりしてるのに、イギリスが無防備に寝てる姿、しかも泣いた痕があってモノクル外してるの、フランスが一瞬で空気読んで抱きしめるところ、マジでグッときた。二人の関係性の深みが一気に出た回だわ。続き気になる🔥