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「どうしてこうなった……」
私は昨日、ラズカの友達の助けもあり、ついにアシアン王国にたどりついた。
そして今私は――
「こんにちは。カミラさん♪」
限りないプレッシャーに押しつぶされる寸前にいた。
会社のお偉いさんだとは聞いていたが、この都市の中で1番大きいであろうこのビルだとは思わなかった。外からは私が今まで見たことがない、まるで星を上から見下ろしているような夜景をバックにそのお偉いさんと話すことになった。
「ど…どうもこんにちは!えっと…カミラと言います…よろしくお願いします」
「カミラさんだね。私はルータル、このカイデリアのオーナーだ」
「カイデリア…?」
「おや、知らなかったかい?カイデリアはこのアシアンを含めて様々な都市に店舗を展開している飲食店さ」
「安い、速い、美味しいの3つが揃ったとてもいい飲食店なんですよ!」
「そうなんですね〜…」
カイデリア…安い、速い、美味しい…なにか聞いた事があるような…?あ、「○イゼリ○」と「○ス○」だ。これはたまたまかな、、と思いつつ私はルータルの話を聞いていた。
数分後、少し話が終わって来た頃に質問をした
「そういえばルータルさん。ラズカとはどうゆう関係なんですか?」
「私とラズカの関係?まぁ…種族間の関係だと思ってくれ。私も君たちと同じ吸血鬼でね、ラズカとは昔からよくお話しているんだ。」
「そうなんですか〜…」
「ルータルさんは私の初めてのお友達でもあるんですよ!」
「それは割とどーでもいい」
「なんですか!?」
そんなこんなで意外と話は盛り上がり、気づくと朝になり太陽が昇ろうとしていた。
「あ、もう朝だね。時間が経つのは早いものだ。朝まではゲストルームに居るといい」
「あ……ありがとうございます」
「なぁに、お礼はいらないよ。同じ種族のよしみだ」
「カミラさん良かったですね!私部屋を知っているので早速行きましょう!」
「はいはい」
そうしてルータルへの挨拶が終わり、私たちはゲストルームに進んだ。なんだかんだいってルータルさんはいい人そうだけど、少しチャラいってゆうか、なにか企んでいそうというか……考えすぎか!よし、行こう!
「うぇぇぇ……」
ゲストルームと書かれている部屋の中はなんと悪趣味だろう。自分の写真や肖像画、銅像も置いている。更には至る所に宝石やらが埋め込まれていて……やっぱりあの馬車を用意しただけはあるな。と謎の関心をしてしまった。
だが居心地はとてもいい。ベットはふかふかだし、生活に必要なものももちろん置いてある。
「カミラさん!すごい豪華ですね!私もこんな部屋に住みたいな〜なんて」
ラズカがキラキラした目で、手を合わせながら言う。
「無理でしょ。今いくらしかお金ないと思ってるの?」
「え〜いいじゃないですか少し想像するくらい!カミラさんも想像してみましょうよ…」
ラズカはこんな部屋がいいのかな…少し変わってるな。でも……
「そうね…少し高望みしてみるのもいいかもね」
ちなみに朝ご飯ははこの中に死んだ人が入っていた。いつも飲んでいた人の血より何倍も美味しかった気がした。
「さて、明日はもう少し街を見てみましょうか」
「はーい!」
「今日、ラズカがきたようですね……」
「ああ、もう少しで私も動こうと思っていた所だ、ちょうどいい」
「貴方達はラズカとカミラとやらの吸血鬼を監視しなさい。もしなにか変な真似をしたら、殺しても良いぞ」
「はっ」
ヒュン!
「ラズカ……今回こそ私が……帰ってきて貰うぞ。」
少しづつ、本当に少しづつ衰退していく王国の影で、あるもの達が話し合っている。
それは、自分の国のため?自分のため?いや。
愛する、ラズカのため。最後のヴァンパイアである、彼女のため。なぜ彼女は吸血鬼と偽っているのか分からない。でもいつか…取り返してみせる