Lazka point of view
今日はルータルに会った。会ってしまった。彼と話した瞬間、私の過去の思い出が蘇ってくる。
そう、全ては私のせい。
私は全開にした窓の前に立って思い出に浸る。
カミラさんと会って全てが変わった。哀しい感情も、嬉しい感情も、色んなことを共有出来て…….でもそんな記憶も思い出でしかない。
私は他の人より思い出を大切にしている自信がある。でもそれは逆に過去にすがっているように感じて――
月の光が差し込むこの部屋の中でヴァンパイアとしての私と吸血鬼としての私がいた。
「カミラさん。私少し強くなったかもしれないです。ずっと私の……」
「×××でいてくださいね」
第2章 アシアン王国編 開幕
camilla point of view
今日はラズカとアシアン王国を観光する日だ。ラズカも私もいつもより早く起きて
“おはよう”
と少しの会話を交わし、早速準備に取り掛かった。昨日とは少し違うドレスを来て、顔を洗い、歯を磨いて、夜ご飯を飲んで……準備はバッチリ!早速出かけよう!
外の様子は昨日と変わらない。きらびやかな街の中、様々な人達が賑やかに過ごしていた。特に中心部になる場所にはカイデリアを始め、数え切れない程の飲食店、防具屋などのファンタジー世界にありそうな店が沢山あってテンションが上がった。
「カミラさん。あれ見てください!」
はしゃいでつい走り回ってしまい、それに追いついたラズカが言った。
ラズカが指した方を振り向くとそこには服屋があった。周りの店よりは少し小さいけど意外と人は多く入っていた
カランカラン♪
そう私たちの入店を迎えるベルがなると、1人の店員さんがこちらへ急ぎ足できた。
「いらっしゃいませお客様!今日はどのようなものをお探しで?」
どうやらこの店では逆1人に対して店員が1人着くようだ。転生前もこんなお店に行ったことがあるが、意外と居心地は良くない。
「えっと、私たち初めてここに来たんですけど、この都市の流行りの服を2着欲しいです!」
「そうだったのですね!この都市に来て下さりありがとうございます。それでは早速こちらへ」
ラズカと店員さんの話を聞き流しながら私はこの服屋を見渡す。色んな服があって、それぞれの種族に合うような設計にしっかりとなっている。流石だな。
私はそのまま言われるがままに着せ替え人形となり、結局制服っぽい服をラズカの分合わせて2着を買った。私の高校の制服ととても似ていて、とても可愛い。
実はあの後、ルータルから資金を”同じ種族のよしみ”としてありえない量を貰った。やっぱりあの人は0か100しかないんだろうなと心から思った。これだから貴族は…..
そして新しい服を着て服屋を出ようとした時――
ドオオオン!
と今まで聞いたことのない音が町中に響いた。その中には微かに市民の声もする。慌ててラズカと外へ出るとそこには
ルータルと、巨大な化け物がいた。
「嘘でしょ……」
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