数日後、その日はやってきた。
🌟「時間通りだね、さくら」
🌸「マフィアに遅刻は厳禁だから」
朝ならともかく、夕方過ぎのこの時間帯なら、遅刻することはあまり無いだろう。
🌟「あーそっか」
🌸「…それはそうと、家って確かこっちだよね」
おれは、右の方を指差した。
前に一度、お酒に酔ったおれを家に入れてくれたことがあるから、場所は分かる。
🌟「あそうそう、ここからそんなに遠くないし、多分すぐ着くよ」
🌸「…そうだね、」
今日のデートは、彼の希望で彼の家になった。
それはおれの計画にとっても都合が良い。
決行は明日。卑怯な手だとしても容赦なんてこれっぽっちもしない、それがおれ達マフィアだ。
今回も、いつも通りナイフを隠し持ってきた。
だけどそれは護身用のものではない、普段おれが使っているナイフだ。
これなら手に馴染みがある分、やりやすいし失敗する確率だって少ない。
こんなにきちんと準備をしたのは、今回で必ず殺すため。これ以上彼と関わる前に殺しておきたいから。
🌟「じゃあ、行こっか、」
🌸「うん、笑」
おれは彼に向けて、少しだけ微笑んだ。
そしてようやく、彼の家に辿り着いた。
🌸「お邪魔します、」
🌟「どうぞ、入って?」
おれは促されるまま中へ入った。
ここに来るのも二回目。
前回のは半分事故みたいなところあるけど。
🌟「そういえば今日、特に何するかとか決めてなかったなあ。何かしたい事とかある?」
🌸「おれは別に無いけど…そっちは?」
🌟「俺も無いな、今日はゆっくり過ごすか」
🌸「そうだね」
それからも、特に変わったこととかは無く、ただ普通にお喋りしていた。
仕事柄上、何が得意か、何が苦手か等の話は避けないといけないから、話す内容がかなり阻まれる。
そのせいでお互い無言な時間もところどころあったけど、彼といるとそんな時間も決して気まずくは無かった。
それどころか、この温暖な空気感で、居心地も良かった。
どこかほわほわしているような、安心してしまう感覚。
例えるならば、”長年一緒に過ごしてきた夫婦”というのがぴったりかな。
長年一緒にいるわけでも、結婚どころか付き合ってすらないけど、本当にこんな感覚。
彼はどう思ってるかは知らないけど。
🌟「あそうだ、お腹空いてない?」
🌸「…空いてるかも、」
🌟「だよな?俺も、笑
今から料理作るから、待ってて」
🌸「手伝おうか?」
🌟「いや大丈夫、さくらに包丁とか危ないし」
🌸「何言ってんの?笑
おれに危ないとかないでしょ、笑」
マフィアであるおれが…ましてや、使う武器が刀やナイフが中心のおれに、。
🌟「そうだとしても、危ないもんは危ないの。さくらは横で見てるか、ここで休んでて?」
🌸「…じゃあここで休んでる、」
🌟「うん、良い子だねさくら」
彼はおれの頭に手を置くと、後ろに流して優しく撫でた。
🌸「おれのことをなんだと…」
🌟「えーなんだろうなぁ?笑」
なんて、彼は意味深に笑った。
…いや怖いんですけど。
🌟「出来たよー。さぁ、召し上がれ」
彼は作った料理を机の上に並べた後、おれにそう言った。
見た目は美味しそう。
この人、料理もできるんだ。何でもできるじゃん。
逆に何が出来ないの?
そう問いたくなるほど彼は完璧に近しい人間だ。
🌟「あれ、食べないの?」
🌸「いや食べるけど」
🌟「…あ、ちなみに毒とか薬とかは何も入れてないよ?不安なら僕が先に食べても良いけど」
彼はなかなか食べようとしないおれに、不思議そうに言った。
別に毒とかを疑ってるんじゃないんだけど。
おれは、大体毒が入っていれば匂いで気付く。万が一飲み込んでも、おれは過去に訓練したこともあって、毒には耐性がある。
普通の毒ならまず効かないし、強力なものでも死には至らない程度で済む。
つまり、おれが彼の作った料理を食べたところで何も起きないし、仮に毒でも入っていたとしても、おれには効果が無いというわけだ。
🌸「いや大丈夫」
おれはスプーンで一口分を掬い上げ、口元まで持っていく。
匂いは普通に美味しそうで、毒とかの匂いは一切しない。
おれは安心して口へ運んだ。
🌸「…美味しい、」
🌟「ほんとに?それは良かった!」
おれがそう呟くと、彼は心の底から嬉しそうな笑顔を浮かべた。
…前から思っていたけど、この人、危機感無さすぎでは?
マフィアなのに、どこかマフィアらしくない。
これでも今まで負けなしと言うのだから、ほんっと世の中不思議だよね。
そんなことを思いながら、おれはどんどん食べ進めていった。
🌸「ご馳走様、作ってくれてありがと、美味しかった」
🌟「口に合ったみたいで良かったわ、それより、風呂入る?」
🌸「…いや、おれ着替え持ってきてないから、」
🌟「着替えだったら、僕のを貸そうか?」
🌸「でも、」
🌟「大丈夫、さくらなら僕の服のサイズでも着られると思うよ」
彼は、どこからか持ってきていた服をおれに見せた。
確かにそのサイズなら、おれが着られないことは無いんだろうけど…いやあの、おれは服のサイズを心配してるんじゃないんだけど、。
…まぁ良いか、ここは大人しくお言葉に甘えよう。
🌸「…ありがと、」
🌟「良いの良いの、じゃあ服は脱衣所に置いとくね」
おれの言葉を聞いた彼は、何だか嬉しそうに、服を持って脱衣所の方へ向かった。
一旦ここで切ります!
長かったので分けることにしました、
この話が♡10↑になったら、続きをすぐに出します、笑
達成しなくても一週間以上あとには出しますけど((
そしてこの垢は転生した垢なんですけど、転生前が誰なのか親友ちゃんにバレました、笑
薄々気付いてる方も居ますよね、多分
転生前の垢で何も言わず消えたままなのも申し訳ないので、もう言います、笑
私はさめという者です!
知らない方も多いと思いますが、笑
どうして転生したかは、単純に使えなくなったからです🥺
もし私が急に消えてて探してる方がいたら申し訳ないので、名前だけ戻します((
以上です、スクロールお疲れ様でした🫶🏻
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