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コメント
6件
おわっ、思ってたより凄惨だな……ゾンビキヴォトス人の力恐ろしい すいません、顎を砕かれたレンゲを見て邪な感情を抱いてしまった……
今回は様々な活動場所の様子をまとめた感じですかね。ちょっと物足りないかもしれないけど
百鬼夜行連合学院
春の訪れを知らせる桜の木から滴る赤黒い血は、その地の悲惨さが伺える。辺りを見渡す凶悪な「感染者」は赤く染まった皮を被り無意識に獲物を探すように歩く。
ツバキ「あそこにも…」
修行部に残ったのはただ一人。普段自由に行き来する楽しく、理想の夢の世界には当分行けそうにもない。ただ一つ、変わり果てた友人の塊を見てそう漏らす。
ツバキ「カエデ..ちゃん….」
彼女自身感覚が麻痺していた。夢なのか、逃れることも叶わない現実なのか。分かりきったことだった。彼女に…皆を守る腕はとうに無い。
彼女の何倍もあるであろう目の前の敵、いや悪夢そのもの。逃げる足も動かない。数秒の抵抗の結果彼女は…
百花繚乱の百戦錬磨の参謀、桐生キキョウ。紛争調停委員会の皆は永遠に散った。儚さも…和の趣も消し飛ばす、鮮血に塗れた臓物。床に散らばるユカリ。壁に何度も叩きつけられ顎から上は潰れたレンゲ。その場に残ったのは二名。
キキョウ「これ以上ここにいれば私達も死ぬ。いい?あんたが死ねば….私もここで死ぬから。」
ナグサ「…..そう、だね…..」
二人は部屋を出る。
陰陽部部室
ニヤ「にゃはは〜、こりゃえらいことなってんなぁ…どうするカホちゃん。チセちゃん担いで逃げる?」
カホ「これ以上無駄口叩くならその静脈を切ります。」
笑うニヤ。しかし目に光は宿っていない。先生という協力者が居なくなった以上、陰陽部は活動意義を無くした。既に部室の電気は切れ、チセも部屋に篭っていた。いや…居る筈ないのだ。ニヤはカホの様子に付き合っていたが..
ニヤ「ねぇカホちゃん。いい加減ここを出てみないかなぁ〜?….薄々気付いてるでしょ?チセちゃんは…」
ニヤの目が開く。その目にはもうカホに付き合い切れないと言う怒りと、気持ちは分かる、悲しみがこもっていた。カホは既に病んでいた。
カホ「笑えない冗談です、部長。チセは部屋に居るんです。打開策を探すために私達のために頑張ってるというのに部長のあなたが…」
ニヤが部室の扉を開く。自殺行為当然の行動。カホは笑いながら何もいないところに語りかけている。
ニヤ「もう、いいですよねぇ。」
最後に笑い部室を出て窓を開け、空を眺め飛び降りる。グチャっと地面から生々しい音が立った。
場面は戻りゲヘナ最高戦力の眠る研究治療室。重症であろう二人は少しずつの治療を受けてはいたが、限界はある筈だった。ヒナが…目を覚ました。
ヒナ「こ…こ…..小鳥遊ホシノと…それ..から…」
誰もいない病室を出て彼女の様子を伺いに行く。
ガララッ
ヒナ「小鳥遊…ホシ……?」
血で汚れるシーツ。布団に彼女の姿はなかった。代わりに….病室の窓が開いていた。