「月が僕と始めて出会った時、『前世って信じるタイプ?』って聞いたの覚えてる?」
「僕は信じるよ」
「だって僕は鯨で君は泡だから..」
どういうこと?
全く分からない。
空くんが鯨で私が泡?
「ねぇ、また明日会いに来るから」
「その時、詳しい話聞かせて?」
そう私が言うと
「月、もう遅いよ」
少し黙った後、そう言いながら空くんは
切なそうに笑った。
途端、目の前の景色は現実世界の空くんの
家の前に戻される。
さっきのは何だったのだろうか。
すると急に空くんの家のドアが開いた。
「何の用ですか..?」
不思議そうに問う空くんのお母さんのような
人が出てきた。
「あの..空くんに会いに来たんですけど..」
そう私が言うと、
満面の笑みを浮かべながら
「空に会いに来てくれたのね!」
「どうぞ上がって上がって!!」
そう言いながら私を家に上げた。
普通に呼んでくれるだけで良かったのに..。
そう思いながら案内された場所。
そこには最初に会った死んだ魚の目をした
空くんの写真が飾ってある仏壇があった。
「ぇ..」
そう声を漏らしていると
「空はね自ら天国に行ってしまったの」
「夢遊病でね、気づいたらもう亡くなっててね..」
そう涙ながらに私に言う。
空くんが亡くなった?
いつから?
もしかして最初っから?
じゃああれは何?
私が水中世界でも現実世界でも会った、
あの空くんは何?
いくら自分に問いかけても
答えは返ってこない。
当たり前だ。
家に帰って私はあることを調べた。
それは青い彼岸花についてのこと。
もしかしたらまだ何か分かるかもしれない。
そんな期待を胸に抱きつつ。
そうして出てきたのは、
『青い彼岸花は摘むと死んでしまう』
そんなようなことだった。
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