ソ連×アメリカ
アメリカ病み
いじめ表現あり
俺の街には、立ち入ったら二度と帰ってこれない山というのがある。その山には吸血鬼が住んでおり、入ると襲われてしまう───。そんな噂がたっているからだ。
けど、俺は今その山の前にいる。
……なぜか?
…もう疲れたんだ、生きることに。
毎日毎日、学校では殴られたり罵られる。助けを求めても、家族は俺の事をちっとも見てくれない。
……そんなことが何年も続いたんだ、もう解放されてもいいだろう。
俺は夕日に染まる山へ足を踏み入れた。
山の道は、わかっていたことだが整備されていなかった。普通は不便、危ないと感じるかもしれないが、俺には好都合だ。ここで足を踏み外せば、死ねるかもしれないから。
しばらくすると、段々と辺りが暗くなってきた。獣が出そうだ。
…獣……獣か、食い殺されるのは痛そうで嫌だなぁ……
俺にはもう恐怖心なんてなかった。ただ死を待ち望んで、延々と歩いていた。
🇺🇸「……つか、れた………」
さすがにずっと歩いてたから疲れが出てきた。
少し休憩……いや、こっちの方が死ねる確率が上がるかもしれない。休んでる暇なんてない、早くこの苦しみから解放されたいんだ。
……何してるんだろ、俺。
こんなことしても家族は俺の事愛してくれないのに……
🇺🇸「……ははっ……!」
はやく、しなせて。
??「………」
夜も深まり、深夜。
時計がないから分からないけど、多分そう。
…さっきから寒い。でも、でも。あともう少しで……!
🇺🇸「……やっと、死ねる………(微笑)」
??「おい、俺の庭で死ぬな。」
低い声が頭に響いた。
振り向くと、背中に羽を生やした奴が立っていた。本物の吸血鬼だ。
🇺🇸「……!」
吸血鬼を凝視していると、彼は突然目の前から姿を消した。驚いていると、首元に衝撃が走り、俺の意識は暗闇へと沈んでいった。
🇺🇸「……ぅ……? 」
目が覚めるとふわふわなベッドの上にいた。
なぜこんな所に…そう思うが、直ぐに記憶は蘇ってきた。
……殺されてなかった。殺されると思ってたのにな。
ということは、ここはあの吸血鬼の家……?
ガチャ
??「……起きてたんだな。」
吸血鬼が部屋に入ってきた。第一印象は背が高いただの吸血鬼。
??「起きて早々で申し訳ないが……」
??「血、飲ませてくれ。」
そう言って吸血鬼は近づき、俺にまたがってきた。
……俺に拒否権はないらしい。
🇺🇸「……どこから吸うんだよ」
??「首。」
吸血鬼は俺の首に顔を近づけた。その時、俺の肩…腕?を抑えてきたから思わず声を出してしまった。…そこには今日殴られて出来たでかいあざがあった。
🇺🇸「い゛ッッッ!!?」
??「……!?」
??「え、俺そんな強く触ったか……?」
吸血鬼はそう呟いて反射的に俺の腕から手を離したので、俺はそこを守るように抑えた。
??「……見せろ、お前がそんな状態じゃ”食事”が出来ない。」
🇺🇸「ッ!…ッだ、だったらッ、俺の事殺せばいいだろッ!」
おれははやくしにたいんだ。
痛みに耐えながら吸血鬼に向けて言葉を発した。…肝心の最後の言葉は飲み込んでしまったけれど。
??「俺は新鮮な血が飲みたいんだ。ここで殺したら新鮮じゃなくなる。」
🇺🇸「………。」
??「ほら、はやくしろ。」
そう言って吸血鬼は俺を急かしてくる。
……この言葉、前誰かに言われたことがあるような……
そう思えば、頭に親といじめっ子のヤツらの記憶が映し出された。それは最近あったことなのに全てが灰色で、俺の心情がよく表れていた。
????「……ほら、早く起きなさい。いつまで寝てるんです?」
????「……はぁ、学校に行きたくない?」
????「甘えるのも大概にしてくださいよ。」
????「……毎日が辛い?虐められてる?」
????「……あぁ、……私の頃もありましたね、”そんなこと”。」
????「大丈夫ですよ、その分強くなれますから。……それに、あなたは”長男”ですから、」
????「我慢……できるでしょう?」
モブ1「うわっ!あいつまた来てるw」
モブ2「えホントじゃん。さいっあくなんだけど。」
モブ3「毎日遅刻してくるとか……ノロマかっつーのw」
モブ1「水ぶっかけてやろーw」
モブ1「えーい!w」
ビシャッ
モブ3「うわっw最悪濡れた〜w」
モブ2「何それかわいそ〜なんだけど。」
モブ2「罰としてこの床の水制服で拭いてよね。」
モブ1「ははっ、姉さん鬼畜っすなぁw」
モブ2「はぁ?どこが?舐めろよりはマシだと思うけど?」
「「「きゃはははははははは!!! 」」」
モブ2「……何してんの?早くしなさいよ。」
モブ3「モタモタしてると休み時間終わるからね〜w」
「「「あははははっ!」」」
他「クスクス笑」
🇺🇸「………」
思い出した。思い出してしまった。ずっと、ずっとあの時の出来事が、ぐるぐると頭の中をループしている。
きっと、この記憶は生きている限り頭に染み付いて離れない───。
そう確信した時、無性に……
死にたいと思った。
何吸血鬼に捕まったからって諦めてるんだ。殺してくれないなら、死なせてくれないなら、自分で抵抗して殺されに行けばいい。死にに行けばいい。なんだ、簡単だよ。
ばいばい皆、もし死んだら……いや、死んでも死ななくても、みんなのこと、呪ってやるからね。
続き……は気が向いたら書きます
コメント
1件
こういうの大好きです! …ツヅキタノシミダナァ……