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続き
アルが何かを落とした。 「ん?お前、なにか落とした…」「あ、待って!!」アルが焦るように拾おうとしたが、あいにく俺の方が拾うのが早かった。アルが落としたものは子供用の絆創膏だった。「…?お前、こんな絆創膏使ってたのか?」え…でもさっき、俺に貼ってたやつはごく普通の肌色味を帯びた絆創膏だったような…「いや…ずっと、とってたんだよ」「え、絆創膏を?」なんで?よりによって絆創膏?なんだか、こいつ…変わってんなぁ…今更だけど「昔、キミが…」あ?俺?「俺が、怪我した時…貼ってくれたから…」「それだいぶ前の話じゃねぇか…?お前それ覚えてんのか!?」「だ、だって!そん時…嬉しかったんだぞ!」「好きな人から絆創膏貼って貰えたんだから!しかも、俺だけのために買ってくれたようなデザインしてたんだぞ!そんなん嬉しい以外の感情が出てこないんだぞ!」もう一度絆創膏を見る。確かに…俺が使うようなデザインではなかった。だから、過去の俺は本当にアルのために買ったってことは想像が着く。しかし…この時点で、アルは俺のこと好き…だったのか?「アルお前いつから俺のこと好きだったんだよ!?そんな前から好きだったのか!?」アルは一瞬だけ黙り込んで照れくさそうに言った。「これ…言うの初めてなんだぞ…?引かないでくれるかい…?」「…時と場合によるな」「えぇ!?そこは引かないって言ってくれよ!」こいつ…めんどくせぇな…「はいはい。引かないから」「実は…一目惚れ…に近しい…ものなんだぞ…」ひ、ひとめぼれ…?え…?え、じゃ…こいつ、最初から…?「ま、まぁっ!完全な一目惚れじゃないんだけどっ!あの、俺が近寄った時のあの笑顔に惚れたっていうかっ…あ、あのっ」アルが焦って代弁していたが…それももう一番最初で…嘘だろ…?え?な、なんで…?「ち、ちょっと…そんな黙り込まないでくれよぉ……」「…アル、お前すごいな」「なんだいそれ!?引いてるんだろっ!?」「いや、引いてはない…けど、ちょっと…」「まぁ…すげぇな、って…」「なんだいそれ!?君の得意な皮肉なのかい!?」「まぁ…とりあえず、この話はなかったことで」「え!?酷い!」「取り敢えず…俺が飯作ってやるから」「え」「やめて!お願いアーサー!それだけはやめて!!」すごく深刻な表情でアルが必死に俺を止める。「あ”?んだよ…そんな言わなくてもいいだろ…」「俺が作るからっ!アーサーは座っててくれよっ!」「…ハンバーガーとかは嫌だ」「んもぅ…しょうがないなぁ…」え、これ俺が悪いの?数分経ったあと、アルによる料理が机の上に並べられた。どれもかれもとても美味しそうだった。
……すごく美味かった。まぁ、俺ん家のビーフシチューとかには勝らねぇけどな!
「…そういえば、俺は一目惚れに近い状態だったけど、アーサーはいつ俺のことを好きになったんだい?」そうアルに聞かれて、思い返してみる。確かに、いつ頃なんだろう…と考えてみる。「…明確には、覚えてないけど…少なくとも、お前が出ていく時には…お前に軽く依存してた、ってことを自覚した」だから…その時にはもう、すきになっていたのだろう。「…そっか…意外と早かったんだね、俺たち」「俺も人のこと言えねぇのか…」「ほんとだよ!俺にだけ哀れみの目をしてさ!」「それはホントのことだろ!?」「まぁそうだけどさぁ!でも君も本当は嬉しかったんじゃないのかい?」「は、はぁ!?べべべ別に…そんな長い間ずっと好きでいてくれて嬉しぃとか思ってねぇから!!」「んもぅ〜本当は思ってるんだろう?」と言いながらアルは後ろから手を伸ばしハグをする。「うぉっ、びっくりした」「いやぁ…かわいいねぇアーサー」「は?何がだよ…てか俺はかわいくなんかねぇ!!」「…そういうとこもかわいいし、今までと逆の立場になってるとこかな」「うるせぇ!俺は小っちゃくなんかねぇし、可愛くもない!」「ていうか…可愛いのはお前の方だろ…それは今も昔も変わらな……」
言葉を言い終わる前に頬を強い力で掴まれ、アルは俺の口を塞いだ。「ん”むぅ”ッ!?」唇全体を覆って、吸い取るようなキスをした。吸い取ったあとは、口を無理やり舌で開けられ、舌が口の中で唾液と一緒に混ざりあって、呼吸もままならない状態だった。アルに言われたように鼻で呼吸しようとする。「ふぅ”ッ~ふぅ”ッん”ッぅ”ッ」でも、上手に呼吸することが出来なくて、その間もアルは俺の口内を犯し続けて、苦しくて、気持ちよくて…目尻には生理的にでてきた涙が滲んでいた。