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#切ない
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第12話
「僕は、ただの戦うだけの兵器だったんだ……」
そうロルフはポツリと言った。
何で、兵器……?
私たちは何も言わず次の言葉を待った。
「僕は、家族も、アニカも護れなかった。そんなやつは剣を振るうだけの兵器でしかない……」
「そんな事無いよ。ロルフは兵器じゃない。優しいでしょ? 自分の事、知らないの?」
「そうだよ。優しい人だよ。それに、私の事を体を張って護ってくれてたじゃん。そんな事を言わないで」
そう二人で言ったけど、ロルフの青い瞳に光が灯る事は無かった。
ロルフ……自分で見合った評価ができてないのかな……?
だとしたら……
「二人とも、ありがとう。でも、僕は剣を振るう以外、できないんだよ。ただ、戦う事しか……なのに、護れなかった。だから僕は、剣を振るうだけの兵器」
そんな事無いけど……何で、そんな事を……
「私の事を護ってくれた。それは証明のしようが無いけど、私の心に光を灯してくれた。それは変わらない事実だよ」
ロルフはハッとしたけどぎこちなく微笑んだ。
「とりあえず、王城には来たい時に来ていいよ。貴方の代わりは探せるから今は休んで。お願い」
ロルフは俯いたまま頷いた。
「うん。お大事に」
二人で王城に戻った。
魔獣も何も出なくて帰り道だけは平和だった。
ソフィー……ただの留守では無いよね……
✡
……二人とも僕の事を思って……だけど、兵器なのは変わらない。
ただの兵器って事は誰が何を言おうと変わらない。
ため息をつきながら空を見上げた。
「その他に、何ができるんだろう……」
僕はそう呟いた。それと同時に頬に涙が通った。
「っ……なんっ……皆は、っ……」
ベッドの中に潜った。あの日から魔物被害は殆ど無くてあの光が倒してくれたと思う。
僕はあそこに戻っていいのだろうか? こんな兵器がアニカを護れないだろうに……
ソフィー……アニカは気を利かしてソフィーの名前を出さなかったのだろうな……
僕は深くため息をついて眠った。
あれから二週間後。眠りは浅くて鍛錬はあの日から辞めずに続けているけど、腕は落ちたような気がする。
心の傷は大分、回復したけどまだまだ痛い。でも、今日から王城へ行く予定だから準備をした。
一ヶ月ぶりにあの毎日通った道を歩いた。
全てが一ヶ月ぶりだけど、いつものように進んだ。
王城へ着くと団長が話しかけてきた。
「大丈夫か? 確かに一ヶ月の休養だったが……」
僕はいつものように頷くと何だか心配したのを損したよえな顔をされた。
それから、他の人たちにも顔をだして同じような反応をされた。
廊下を歩いているとアニカの姿が見えた。
「ロルフ! もう大丈夫なの?」
「うん」
「良かった。明日からまた、偵察が入っているからよろしくね」
「あ、ソフィーは……いなくなったんだ……帰ったらいなくて……」
そこまで言うと僕の手が震えていた。
「無理して言わなくてもいいよ。話したいと思った時に話して」
アニカは僕の手を掴んだ。温かい手だった。
え? 手を……
僕は顔が真っ赤になりながら「うん」と頷いた。
アニカは僕の手を離してから手を振って違う所へ向かった。
今、手を繋いだ……え? 嘘っ……
僕は今日はそれで頭がいっぱいになった。
十日後。あれから、ちゃんと目を合わせる事が出来なくなった。顔が真っ赤に染まってしまう。
避けているように思われるかもだけど、こんな真っ赤な顔をみられるわけにはいかない。
「わぁ……この薬草は痛み止めにもなるんですよ」
僕はいつものようにアニカの散策に付き合っている。
僕も少しは薬草の事について勉強をしているけど、アニカの知識量にはボロ負けだ。
「何だか、冷たくない? 不満があったら何でも言って」
そう言ってアニカは僕の方に向いた。
僕が言いにくそうにしていると微笑まれた。多分、耳まで真っ赤になっているのだろう。
「訂正するね。何かあったら何でも言って」
僕は真っ赤になりながら頷いた。
「意外に照れ屋なのね。もし、本当に不満があったら言ってね。あ、不満があるように見えるとかじゃないから……」
「分かってる。アニカも僕みたいなやつ、不満とか沢山、言っていいよ」
「ふふっ。それじゃあ、もっと自分を大事にして。何だか無理をしているでしょう? 誰かを護るなら自分も気にしないといけないよ」
誰かを護るなら、自分も……
「そんな深く考え無くても……まぁ、そんな気にしないで」
僕は久しぶりに心の底から微笑めた。
そんな僕を見てアニカも微笑んだ。