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くりおね
610
チョウだよ、うん、多分
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#異世界転移
めるぴぃ
32
あ〜あ〜あ〜つか〜れた〜みんなが見てくれたら回復するんだけどな〜?
第六話「兄という名の罪」
――夜の森。
焚き火だけが、四人の顔を照らしていた。
蓮。
玲音。
黒影。
真紅。
誰も口を開かなかった。
先ほどまでの会話が、四人の間に重く残っている。
妹との間にある――見えない壁。
それぞれが、違う過去を抱えている。
だが、誰もそれを話そうとはしなかった。
やがて、玲音が口を開く。
玲音「……なあ」
蓮「ん?」
玲音「お前らは、妹に何て思われてる?」
黒影と真紅が黙る。
しばらくして、黒影が答えた。
黒影「……怖がられていると思う」
玲音「妹に?」
黒影「ああ」
黒影は焚き火を見る。
黒影「俺がいなくなった理由を、ルーミアは知らない」
蓮「……」
黒影「教えられなかった」
玲音「どうして?」
黒影「……俺が、あいつの目の前から消えたからだ」
黒影の拳が僅かに震える。
黒影「理由を説明することもできなかった」
黒影「ただ……消えた」
蓮は何も言わなかった。
自分も同じだった。
突然、霊夢の前から消えた。
説明する時間も与えられなかった。
そして今――。
霊夢は自分を母親殺しだと思っている。
黒影「だから、あいつにとって俺は……」
黒影は言葉を止める。
黒影「知らない男と変わらないのかもしれない」
蓮「……それは違う」
黒影「なぜ分かる?」
蓮「俺も兄だからだ」
黒影は蓮を見る。
蓮「妹っていうのは……そんな簡単に兄を忘れられるものじゃない」
黒影は答えなかった。
だが、その言葉を否定もしなかった。
真紅が静かに口を開く。
真紅「……俺の場合は、もっと酷い」
玲音「レミリアとフランドールか」
真紅「ああ」
真紅は空を見上げる。
真紅「俺が二人の前から離れたとき、二人はまだ幼かった」
真紅「俺は……守ることができなかった」
蓮「何があった?」
真紅「……言えない」
真紅の声が震えた。
真紅「俺がいたせいで、二人が傷ついた」
玲音「だから離れたのか?」
真紅「ああ」
真紅「俺がそばにいるより、いない方がいいと思った」
沈黙。
焚き火が小さく爆ぜる。
蓮はその言葉を聞いて、胸が痛くなった。
蓮「……それ、本当に妹たちのためだったのか?」
真紅「……」
蓮「それとも、自分が傷つくのが怖かっただけじゃないのか?」
真紅の目が鋭くなる。
真紅「……分かったようなことを言うな」
蓮「ああ」
蓮「分からない」
蓮は真紅を見る。
蓮「でも、俺も同じことをしてる」
蓮は拳を握る。
蓮「霊夢に真実を話せない」
蓮「母さんを殺してないって言い続けるだけで、何も説明できない」
蓮「だから……俺も霊夢との間に壁を作ってる」
玲音「蓮……」
蓮「兄だから守りたい」
蓮「でも、その『守る』っていうのが、本当に正しいのか分からない」
誰も言葉を返せなかった。
その夜。
四人は焚き火を囲んだまま、眠らなかった。
誰もが妹のことを考えていた。
ルーミア。
レミリア。
フランドール。
霊夢。
そして――。
魔理沙。
それぞれの妹には、それぞれの人生がある。
その人生から、自分たちは遠く離れてしまった。
――翌朝。
蓮は一人で森を歩いていた。
木々に手を触れる。
蓮「……自然は嘘をつかない」
しかし――。
この森の自然が、何かを恐れている。
蓮「……何だ?」
木々の記憶を辿る。
昨夜。
誰かが森を通った。
だが、人間でも妖怪でもない。
姿が記録されていない。
蓮「……おかしい」
その瞬間。
背後から玲音の声がした。
玲音「蓮」
蓮「どうした?」
玲音「これを見ろ」
玲音の手には、黒く焦げた小さな枝があった。
蓮「……何だ、それ」
玲音「魔法の痕跡だ」
蓮「お前の魔法でも分からないか?」
玲音「ああ」
玲音は枝を握る。
玲音「誰かが魔法を使った」
玲音「でも、普通の魔法じゃない」
蓮と玲音は顔を見合わせる。
少し離れた場所で、黒影と真紅もその枝を見ていた。
真紅「……可能性が一つ、消えている」
黒影「昨日より酷いな」
蓮「つまり?」
真紅「誰かが、俺たちの行動を変えている」
玲音「……」
蓮は拳を握った。
蓮「誰だ」
返事はない。
ただ、森の奥から風が吹いた。
その風に混じって――。
誰かの声が聞こえた気がした。
???「……兄は、妹を守るために罪を背負う」
蓮が振り返る。
蓮「今、何か聞こえたか?」
玲音「……いや」
黒影「俺もだ」
真紅「…………」
真紅だけが、何かを感じ取っていた。
真紅「……今の声」
蓮「知ってるのか?」
真紅「分からない」
真紅は森の奥を見る。
真紅「だが、嫌な感じがする」
誰もいない。
それでも――。
四人は、確かに感じていた。
自分たちの過去が、何者かによって利用されようとしている。
そして、その「何者か」は――。
兄と妹の間にある壁を、知っている。
第六話「兄という名の罪」――完
コメント
1件
第六話読みました……「兄という名の罪」、重い。焚き火を囲んで妹との距離を語る四人の姿が切なかったです。特に「そばにいるより、いない方がいい」という真紅の信念に蓮が「自分が傷つくのが怖かっただけじゃないのか」って返す場面、心に刺さりました。守るって正しいだけじゃないんだな……。ラストの謎の声も気になるし、続きが待ち遠しいです。つばささん、今回も素敵な物語をありがとうございます🖤