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あの日は雨がやんだ、雨上がりの日だった
雨上がり特有の湿気が肺を殺して、
肺を無いものにしていた
ただでさえ肺が苦しかったのに
もっと肺を苦しくしたのは彼女だった
彼女は体から感情を抜いたまま
僕にただ訴えていた
悲しいことがあったんだ。
彼女の澄んだ声が僕の心を揺らしていく
僕という物語が始まってしまう
あのね、私
何も出来なかったの。
何も出来ずに、死のうとしたの。
ごめんと言わずに僕に顔で訴える
ただでさえ肺の空気が苦しくて
吐き出したいのに僕は声がだせなかった
息が詰まった
知らなかった感情が溢れ出す異物感
息が吸えなくて怖かったから
僕は無理矢理、声を出した
そっか。
という声しか出なかった
僕は必死になって焦った
止まった会話と息苦しい熱気
肺が死にかけなのにほかの臓器が
イキイキして、腹が立ちそうだった
私ね。
死ぬこと、まだ諦めてないの。
死ぬ事の希望が大きくって、
そっちの方が楽になる気がするんだ。
辛いなんて適当に吐き出したら、
消えたくなっちゃうんだよね。
ごめんね、こんな話。
言葉を失った
どうしようか、と思うだけ
思うだけ何も言わなかった
私、誰にもみられないように
死のうと思ってる。
そうしたら、止められちゃうから。
だから、私と君で話すのは
これで最後なんだ、。
今までありがとう。
じゃあね
じゃあね
どこか行った
どこかに通っていた
息も出来ないまま
ただ棒立ちしたまま
生きた
その日から2年ぐらい経った日の事
まだ彼女の遺体は見つかっていない
多分きっと、地球の裏側の世界に行って
何もかも捨て去って、消えたんだろう
それでも僕はあの時何も言えなかったのが
後悔でしかない日々を2年を過ごした
彼女が居ない日々はつまらなくて
何も覚えていない
2年に積み上げたものもない
何も、無い。
怖いくらいなかった
そんな雨がなくなった日だった
ひだまりに手を置いたような暖かさと
日差しの優しさが僕を包もうとする
けど過去に囚われる僕を知ったのか
日差しは僕を嫌い、僕を毛嫌った
頭を抱える必要などなかった
僕は彼女しか考えられないのだから
あの、すいません。
何時しか僕が求めたような声がした
そんなわけないのに僕は
期待して振り返ってしまう
そこで僕は見たのは
わたし、知ってますか?
彼女「みたいな」人だった
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これが前編なんてふざけんじゃねぇよー!!!
すいません。
コメント
2件
えー!素敵✨ きゃー!最高✨ わー!すっご……(語彙力) 表現がとても綺麗。 感情移入しまくりでした…
投稿ありがとうございます🙇♂️ わぁ…深い…としんみりしていたら最後の一言で含んでいた麦茶を吹き出しました。 「○○が綺麗だった」の後に「でも僕は○○…」と覆していくスタイルが狂わしいほど好きです…後編楽しみにしてます…☺️