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※この物語はフィクションです。
実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。
〈File22:いとけない小指〉
「その依頼、私が引き受けるわ」
迷いのない声で言い切った彼女は、一体どんな顔をしていたのだろう。
彼女の後ろに立つ俺は知ることができない。
だが彼女の前に座る子供の赤い頬からふっと力が抜けたのを見て、きっと俺が見たこともないような顔をしているのだろうと思った。
冴島さんも社長も、こうなることが初めからわかっていたように落ち着き払っていた。
やれやれと呆れて見せるが、諫めることはしない。
奥村先生ばかりが、おろおろとしていた。
ソファーの背に手をつき、彼女の耳元へ顔を寄せる。
彼女は僅かに振り向いたが、すぐに前を向いてしまった。
「……なにか宛てがあるのか?」
「これから考えるわ。多分、この子は警察に保護されても自分の名前も住所******************
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