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車のライトで映る木々は、暴風と稲光で踊り狂い。時折、落ちてくる雷で大音量の悲鳴を上げていた。


ぼくは色々と考えながら、一番聞きたいことを羽良野先生に聞いてみた。


「羽良野先生。子供たちを大人が食べるって、本当なの。確認をしたいんだ」


羽良野先生は右へ左へ忙しなく動くワイパーを、調整しながら優しく頷いた。


「歩君。人はどうしても食べないといけないの。そう、生きる為です。彼らも形は違えど人間で大昔から生きている。歩君……。あなたは食べるものがない時はどうする?」


「我慢かな? それが無理なら大変だけど……」


羽良野先生は、自嘲気味にほくそ笑み。


「正解です。彼らもそうしたと思います。では、食べ物がないとしたら、大変になったら、人は人間を食べ物にしてしまう時があります。悲しいことだけど。それも生きる為……」


ぼくは気分がすごく悪くなって、吐き出しそうだ。でも、空っぽのお腹はギュウギュウしただけだ。



心臓の鼓動は、トクントクンと脈打ちだす。

白いスープと死者の街

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