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「彼らは、何百年と生きる為に子供を犠牲にすることで、長い間生きてきました。……そうしないといけない理由がありました……。悲しい。けれど、仕方がない。それで、不死の儀という儀式を始めることにしたの」
ぼくはそこまで聞いて、空想が膨らむ。まるで、怖さを薄めるためみたいに。
「羽良野先生は、今まで不死の儀をしていたの」
ぼくは思い切って聞いてみた。
「そうです」
少し後悔した。
けど、羽良野先生は今では味方だ。ぼくは許す心も持っていた。
「先生を責めて……もいいわ。でも、これだけは言えます。先生は、もうこんなことはやめましょうと村の人たちを強く説得したわ。当然、村の人々は怒ったわ。逃げるのに苦労するほど……」
ぼくは裏の畑のバラバラにされても生きてる子供達を思い出し、目を閉じた。
悲しい歌を口ずさんで、心を静かにしていると、羽良野先生が信号待ちをした。
「でも、歩君。とても悲しいことだけど。特別なことじゃないわ。大昔から人が人を食べるということはあったの。それは歴史の授業じゃ誰も言わないけれど。本当のことよ。人間の裏側の黒い歴史」