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ピンクのものは妹、ブルーのものは雪緒。


フリルがついたものは妹、シンプルなものは雪緒。


『そっちのほうが似合うから』『お姉ちゃんなんだから妹に譲るのが当たり前』『こんな子供っぽいもの、雪緒には似合わない』そんな呪いのような言葉に、逆らえないまま子供時代を過ごした。


自分の中の満たされないものは、ずっと燻っていたのだと思う。


それでも見ないようにしたまま生きてきて、真と出会って結婚に至り――破綻したことが、多分きっかけだった。


スーパーのお菓子売場を通りかかったとき、チープな子供向けのアクセサリーが入った、一応ラムネか何かが数粒のお菓子が目に入った。


キラキラした宝石が書かれた、ピンクや紫のパッケージから目が離せなくなった。


子供の頃に欲しくて欲しくて、でもねだるのが躊躇われたお菓子。


まだ売ってるんだ、と冷静に考える自分の手が勝手に動き、そのお菓子をカゴに入れていた。ほとんど、無意識に。


大人になってみれば、大した金額ではない。

子供のころは、メインのはずのお菓子がちょっぴりしか入っていないのに他のお菓子の数倍の値段で、やたらと高級に見えたことが笑えて来る。


冗談半分でそれを買って帰って、真の姿が消えただけの部屋でそのパッケージを開いたとき。


メッキですらない、プラスチックでできたネックレスが自分の手の中に落ちてきて――自分のなかの欠けた部分に、それがぴったりと当てはまった感覚を覚えた。



好きだったのはきみじゃない

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