⚠️注意⚠️
主の妄想と願望しか入っていないです
左手君のメンタルがちょいボロボロ
それでも良い方どうぞ!
寝室に2人の寝息が響く。1つは右手、もう1つは千ト、左手は起きていた。いつもとは違う寝室で。そう、3人は依頼のため県外に来ていたのであった。海に近いホテルに泊まっていて、左手達の部屋からは海が見える。
なぁんか、ねれねぇなぁ……散歩でもすっか、
そう思い、ベットから立ち上がる。つま先からゆっくりと足をおろして音を立てないように静かに。冷房が効いているため、床は冷たかった。
静かにドアを開けて、玄関に向かう。夜だというのに、廊下は少し蒸し暑く感じた。
靴を履いて、鍵を持って外に出る。頬を掠める風はほんのり暖かく、気温も高い。このまま外に居続けたらきっと汗をかくだろう。ざぁ、ざぁ……そう聞こえるのは近くの海。
左手「海、ねぇ」
左手の住むTOKYOCITYに海は無い。その為、興味をそそられ、海まで散歩することにした。
アスファルトの上を歩く。所々ひび割れていて、そこからは雑草が生い茂る。道の端を見ると電柱が立っていた。TOKYOCITYはかなり発展していてこのような光景はあまりお目にかかれない。新鮮なその風景を左手は目に焼き付けながら歩いた。
そうして海に着く。サンダルで砂浜に足を乗せると少し砂に足が沈む感覚がした。さくっ、さくっと軽い音を立てながら広大な海へ近づいていく。
かなり海に近づいたところで足を止める。1m先に海があり、不規則に小さな波が砂浜に押し寄せていた。風が吹くと近くの木々が揺れ、葉が擦れ合ってざわざわと音を立てる。
海……初めて来たな
東京生まれの左手は実物の海を見た事がなかった。
初めて見た本物の海を左手は静かに見つめる。
花紺青色の空に半月が浮かんでいる。月は太陽の光を反射し、白く光っている。海も同様、空を反射して花紺青色に煌めいている。
海って広いよなぁ、
終わりの見えない海に左手は今更ながらそんな感想を抱く。
夜とはいえ、蒸し暑い。そんな中で左手はある考えを思いついた。
左手「、海入っちゃお〜」
サンダルを適当に脱ぎ放り投げる。
裸足になり、夜間の冷たい砂に足を置く。指の間に砂が入っていく感覚が少し気持ち悪い。
そのまま歩みを進め、海の前で止まる。つま先だけ海面に触れると小さく波紋が広がった。少しだけ冷たく、今の気温では気持ちよく感じた。そして1歩、海の方へ足を踏み出す。その時、小さな波が押し寄せ左手の足首を濡らした。
左手「……」
波が収まると、濡れた足首が空気に晒されて冷たくなる。心までが冷たさに蝕まれていく感覚がした。もう一歩、足を踏み出す。ちゃぽんという音とともに少し水しぶきが飛んだ。
水の音しかしない、暗闇の空間。左手は何故か孤独を感じた。
その中で唯一輝きを放つ月。不思議と月が恋しくなった。海面に反射する月に手を伸ばして握ってみる。拳の中に感覚は無い。そりゃそうだろう、反射した月を掴んでも月を得られる訳が無い。
左手「ッ、」
左手は焦りを感じた。何故だろうか、なにかを失ってしまいそうなそんな感覚。心臓がうるさい。
そして、月に引き寄せられるように足を動かした。
まだ、まだだ、……もっと、!!
その瞬間
右手「左手゛!!!!」
左の手首を掴まれると同時に名前を叫ばれる。
左手「……兄貴」
右手を見ると眉間に皺を寄せ激しく息切れをしている。一瞬、時が止まった。どうして兄貴が……?その時、ふと自分の状況に気づく。
胸元まで来ている海水。陸からかなり離れている。少し驚いた。
俺、こんなとこまできてたのかよ
右手「なに、ッ、してるんですかっ、」
必死に酸素を取り込みながら話しかけてくる。
左手「…ぶはっ、!遊んでただけだって…大丈夫、大丈夫だよw」
右手「…」
あまりにも必死すぎる右手に吹き出してしまいながらそう答える。
だが、右手からの反応は無い。その代わりじっと見つめられた。
左手「なんだよ、つーか兄貴焦りすぎだろw」
右手「……はぁ、」
一言そう言うと、馬鹿みたい大きいため息をつかれた。
右手「そりゃ焦るでしょう、目が覚めて、窓から海を見ていたら弟が突然海の深い方へ歩いていくんですよ…」
左手「……」
右手「とりあえず、戻りましょう。いくら暖かいとはいえ水に入っていたら冷えます。」
左手「、おう」
そして右手に手を引かれて陸の方へ歩いていく。
その頃には、うるさかった鼓動も静かになりさっきまで感じていた焦りも無くなっていた。逆に、どこか安心していた。
砂浜に着く。濡れた足に砂がくっついて足が汚い。
左手「…さむ」
右手「当たり前です、こっちまで濡れて寒いのですが……」
左手「悪かったって」
裸足のまま2人でホテルまで歩いた。
マンションの部屋に着くと、暖かい橙色の電気が2人を照らした。
右手「…電気?」
右手がそう呟くと千トが奥から出てくる。
千ト「うわぁぁん!!良かったよぉ!!!」
左手「うぉっ、千トくっついたら濡れるぞ」
千ト「ぬれっ、てえ?!?!ふ、2人共なんでそんな」
右手「はぁ……後で説明しますから先にシャワーを浴びてきても?」
千ト「わ、分かった、」
そうして2人で浴室に行く。廊下は大分濡れたが、後で拭けばまぁ問題は無いだろう。
左手「うぅさっみぃ……」
右手「ほんとですよ……」
両腕を擦りながら服を脱ぐ左手。双子だからか考えていることは同じらしい。時間がかかるし一緒に入ってしまおう。その考えで2人で風呂に入った。
シャワーを浴び終えて、千トの元へ行く。
ソファの上で毛布をかぶりソワソワしている千トに声をかけると笑顔でこちらを見つめる。
千ト「2人とも!早かったね」
左手「まぁ一緒に入ったからなぁ」
千ト「一緒に……仲良しだね、」
一緒にという言葉を聞いて少し顔を背けながらそう呟いた。
左手「あっれぇ、もしかして一緒に風呂入れないからって嫉妬してんの」
千ト「べ、別にそんなんじゃないもん……」
からかうように左手がそう言うと頬をふくらませて千トが返事をする。
右手「こら左手、からかわない。」
左手「へぇへぇ、サーセンした」
千ト「……それでなんで2人ともびちょ濡れで帰ってきたの?」
話題を戻し、千トがそう問いかける。
右手「それは……」
そうして右手があったことを全て話した。
千ト「え、えぇ?!?!左手君、溺れちゃわなくてよかったぁ、」
左手「溺れる訳ねぇだろw遊んでただけだっつうの」
左手に抱き着き、安堵する千ト。
千ト「……」
いつもなら抱き着いても振り払われるのに、今日は振り払われなかった。それに少し千トは違和感を抱いた。そこで、なにかを察する。
千ト「ねぇ、左手君。」
左手「あ?」
すると、千トが左手に耳打ちをする。
千ト「ずっと一緒だよ」
左手「、?」
千ト「じゃあ僕寝るね!」
突然そう言われて困惑した左手を置き去りにし、寝室へ戻って行った。
右手「……なんて言われたのですか?」
左手「わかんね」
左手自身もよく分からないが、その言葉にどこか安心した。
これは、左手のとある可惜夜のお話。
今回の話、私の文才が無いばかりに読者の皆様に伝わらなかったと思うので、カワノハシの妄想を織り交ぜた解説を……是非読んで頂けると嬉しいです。
~解説~
星喰は月、皇は太陽。月は太陽の光を反射して光っている為、月単体で光ることは無い。光ることが無い=夜空に月は存在しなくなる。比例し、星喰は皇といることでネストで探偵、という表(光)の職業ができている。それを表してるのが星喰達が玄関を開けて、千トが付けた電気に照らされるシーン。千トが居ないと2人は一生2人きりで裏社会にいたんだよって事を表したかった。
左手君が月を掴めず焦った理由。先程言った通り星喰は月の存在。右手と左手は双方半月で2人が揃うと満月になる。自分のもう半分である右手(空に浮かぶ半月)に手が届かず、また離れ離れになってしまうのかと思ったから焦った。
右手を見て安心したのは、離れ離れにならなくていいと思った、そしてふたりが揃った(満月になった)から。
千トに抱き着かれた左手が千トを振り払わなかったのは心のどっかで寂しさを感じていたから。夜は太陽が出ない、でも千トは太陽のような存在で何故か安心する。だから、寂しさが無くなっていく心地良さに無意識に縋っていた。
3人のお互いにお互いが居ないと生きていけない、という関係を書いた小説でした。
セリフより文が多く読むのに疲れると思うのに、ここまで読んでくださった方本当にありがとうございます。
今回の小説で自分の語彙力の無さに改めて気づいたので、夏休みちょっと小説ガチりたいと思います。多分沢山更新するのでお楽しみに!
可惜夜:明けてしまうのが惜しいほどに美しい夜