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「おい どうした?」
きっと私の大声のせいで気づかせてしまっただろう深澤先生が来てくれた。
「いや。何も」
紅月くんがそう答えると深澤先生は「そう」とだけ言い部屋を出てしまった。
『⋯』
「で何 アイツが好きな訳?」
『好きってゆーか⋯』
もういっそ言ってしまってもいいんじゃないか
だって紅月くんは私達の関係を否定して先生の悪口まで叩く人だもん
『結婚してるの。渡辺先生と。』
「⋯は 」
『だからそんなこと言わないでほしいの』
「⋯なんだよ。どいつも」
それだけ告げて紅月くんは此処を去った。
そしてすぐ深澤先生が来てくれた。
「もう大丈夫?」
『大丈夫そうです⋯』
「渡辺のとこ行きなよ」
『いや⋯笑』
「言わないとわかんないでしょ」
『⋯ですね』
深澤先生に背中を押されて
私は電車に乗って先生の家に戻る。
ピンポン
合鍵は持っているのにインターホンを鳴らして先生が出てくるのを待つ。
「⋯〇〇」
『⋯先生』
「⋯ごめん 本当に俺が悪かった」
『私こそっ!ごめんなさい』
2人して謝る。
この行動に2人して笑ってしまう。
『先生。』
「ん?」
『綺麗事じゃなくて。』
「うん」
『好きです 大好きです』
「そんなの前から知ってるわ」
『あれ?言いましたっけ?笑』
こんな冗談が言えるのも
愛おしい時間。
・
もっと違う関係で私達が出会えていたなら
どれだけ優しかったんだろう。
それでもこんなこと思っていても叶うことは絶対になくて。
“運命の人は俺じゃない” なんて
何回先生から言われたことだろう。
それでも好きだから
どんだけ嫌な設定だって私は乗り越える。
それで先生との幸せを掴みとる。
恋愛ポエムみたいな恋を
───One Love───Fin.───
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コメント
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もう、ほんとさいこう 🥹♩ 朝からいい物語ありがとう 笑