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仙次は汗をかきながら稽古をしていた。
「仙次、精が出るな。」
「狐龍(こたつ)殿来ておったか。」
狐龍は木刀を仙次に向けて
「お前の腕前がどんなものか確かめたい。」
「望むところだ。」
二人はカンカンと楽しそうに戦った。
「仙次さんって男?女?」
「どっちなのかしら…。」
女性達がコソコソと仙次を見て話していた。
「気にするなお前はお前だ。」
「そう言ってくれるのはお主だけだ。」狐龍の優しさに感謝した。
「近くに茶屋があるんだ行くか?」
「おっ良いね。」二人は茶屋に向かった。
「あら仙次さん来てくれたのね。」
「小夏ちゃんみたらし団子二つ。」
「はい。」ゆっくり椅子に座り手を伸ばした。
「仙次何してるんだ?」
「太陽に手を伸ばしてるんだ。」
狐龍は微笑んだ。
「お待たせしました。」
「ありがとう。」小夏は嬉しそうに仙次を見た。
「仙次さんが来てくれて嬉しいんです。」
「このみたらし団子美味しいよ。」
ぽっと頬を赤らめて仙次の肩を力強く叩いた。
「やだわぁもう。」
「意外と力強いな…。」
二人は別れて仙次は長屋に戻った。夜になり蝋燭に火をつけて
本を読んでいるとコンコンと戸を叩く音が聞こえた。
「仙次大変だ狐龍が革命家たちに襲撃された!」
「ホントか!?平八。」
平八は頷き仙次は急いで狐龍の家に向かった。
「おい…しっかりしろ。」
「仙…次お前なら…。」
血だらけの手で頬を撫で息絶えた。
「うわぁぁぁ!」声を上げて泣き出した。
「仙次…。」平八は優しく仙次の背中を抱きしめた。
「拙者がもう少し早く…。」
「自分を責めるな。」
二人は狐龍の亡骸を埋めて護摩木を刺した。
「お前に代わって俺が仙次と歩むよ。」
「平…八!」仙次は平八の胸で泣いた。
二人は革命家達を討伐をしに旅に出た。
2話へ続く。