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コメント
3件
あー、読了です……!初投稿とは思えないクオリティでびっくりしました。特に、弟くんの「可愛いな」から始まって徐々に歪んでいく心情の描き方が繊細で、ラストの寝顔に触れるシーンでは背筋がゾッとしました。純白なままでいてね、という台詞が恐怖と切なさを同時に呼んで、すごく好きです。LaLaさんの心理描写、めちゃくちゃ丁寧ですね🌷
注意書き
※伊ロマ(一部西ロマ要素あり)
※黒伊/ヤンデレ・愛が重い伊がいます
※初投稿作品です。何でも許せる方向け。
初めて見たときから、可愛い子だなと思っていた。
これが俺の恋の始まりだった。
あれは雲ひとつない晴天の日、俺が初めて君に会ったときのこと。
〜数世紀前〜
「ほら、お兄さんですよ。イタリア」
「……貴方が、僕のお兄さんですか?」
「あぁ?」
トマトを口いっぱいに頬張りながら、目の前の少年がこちらを見る。
「お前が俺の弟か?」
「ロマーノ! トマト食いながら喋るのやめい!」
「あぁ? うるせぇよ、スペインのクセに」
「何やとー! 生意気で可愛げないなぁ」
「ちぎーッ! 俺はいつでも可愛いだろうがよ!!」
ワイワイと賑やかに喧嘩を始めるふたり。
(ロマーノ兄ちゃん、可愛いな……)
あのときの俺の頭には、それしか浮かんでいなかった。
昔も今もベッラにはいつもそう思うけれど、男の人にこんな考えや感情を抱いたのは初めてだった。ましてや、自分の兄にこんな感情を抱いていいのだろうかという疑問すらあった。
〜現在〜
今の兄ちゃんは、スペイン兄ちゃんに恋をしている。
「はぁ……スペインの野郎、会いに来てくれねぇかな……」
「兄ちゃん、本当にスペイン兄ちゃんのこと好きだよね〜」
「は、はぁ!? 別にそんなんじゃないし!! 何言ってんだよバカ弟!」
「あはは〜、ごめんごめん」
笑いながら謝りつつも、胸の奥がドロリと痺れる。
いいな、スペイン兄ちゃん。兄ちゃんにそんな感情を向けてもらえるなんて……許せないよ。
いつになったら、兄ちゃんは俺の気持ちに気づいてくれるんだろう?
スペイン兄ちゃんが羨ましい、羨ましい、羨ましい、羨ましい、羨ましい、羨ましい、羨ましい、羨ましい、羨ましい、羨ま―――。
「お〜い、バカ弟! 聞こえてないのか?」
「あ、ごめん! ちょっと考え事してただけだよ〜」
「そうか……」
ぽん、と頭に優しく手が触れた。
「無理はするなよ、バカ弟」
「え? うん、わかったよ〜」
そう言い残してロマーノが部屋を出ていく。
一人取り残された俺は、静かな部屋でぽつりと呟いた。
「はぁ……兄ちゃんは俺を殺したいの? あんな可愛いことされちゃったら、もっと好きなのに、更に好きになっちゃうじゃん……」
◇
それから3日たったある日。買い出しに行く途中で、俺は今世紀一番会いたくない、できれば関わりたくないヤツに会ってしまった。
「あ! イタちゃんやないの? 今日はどないしたん?」
「Ciao! スペイン兄ちゃん! 俺は今買い出し中なの!」
得意の作り笑いを貼り付けて、さっさと会話を終わらせようとする。家には兄ちゃんが待っているんだから。
「そうなんやな!」
太陽のような笑顔を向けてくる。……うぜー。何その笑顔、本当に腹が立つな。
「せやか、買い出し中に話しかけてごめんな。買い出し中なら俺はもう帰るとするわ」
歩き始めようとする背中に、俺は声をかけた。
「ねぇ、スペイン兄ちゃん。聞きたいことがあるんだけど……いいかな?」
「お! ええで、俺に答えられることなら何でも!」
「じゃあ、兄ちゃんのこと、どう思っているの?」
「ロマのこと? せやな……」
スペインは少しの間、考え込んだ。ロマーノという存在を、自分はどう思っているのか。
「俺はロマのことは、可愛い子分で、家族みたいなものやな!」
「……そうなんだ」
「でも、どうしたん急に?」
「単純に気になっただけだよ。それじゃ、俺帰るね〜」
「おう、またなイタちゃん!」
はぁ、疲れた。早く帰ろう、兄ちゃんが待ってる。
◇
「た、ただいま兄ちゃん!」
「遅えぞバカ弟! 今日の晩飯はなんだ?」
「今日はリゾットだよ〜」
「お! 美味そうだな!」
「あ! そうだ、兄ちゃんにプレゼントがあったんだ! はい、これ」
そう言って渡したのは、爽やかなフローラルの香りを漂わせる一輪の花。
ヒマワリ――『イタリアンホワイト』だった。
「なんだこれ? ヒマワリ?」
「うん、そうだよ!」
「でも、どうした急に花なんて?」
「兄ちゃんに似合いそうだなって思って」
「ふ〜ん、そうか。まぁありがたく頂いといてやるよ! 俺は優しいからな!」
「あはは、兄ちゃんありがとう!」
◇
あれから数ヶ月。兄ちゃんはスペイン兄ちゃんに告白した。
結果は――失恋だ。
そのため現在、絶賛ヤケ酒中&荒れ模様である。
「なんだよ〜! あの野郎、せっかく俺が勇気を出して告白してやったというのに!」
バンバンと力任せに机を叩くロマーノ。
「兄ちゃん、そんな強く机叩かないでよ〜」
「あ? うるせぇよ、バカ弟!」
数十分後。
「うぅ〜……俺の何が駄目だったんだよ〜……。何が気に入らなかったのか教えろよ〜……」
「……」
「やっぱり俺じゃ駄目だったのか? まぁ俺よりもいいヤツなんて沢山いるしな……ぐすっ、はぁ、どうせ俺なんて……」
「兄ちゃん、元気出してよ! 兄ちゃんにはいいところがいっぱいあるよ!」
「本当か……?」
「本当だよ!」
「うぅ〜……ヴェネチアーノぉ、俺にはお前しかいねぇぇ……!」
「はいはい、そんな兄ちゃんに頭よしよししてあげるね〜」
よしよしと撫でていると、数十分後には「スゥ……スゥ……」と可愛らしい寝息が聞こえてきた。
「兄ちゃん寝ちゃった。こんなところで寝たら風邪引いちゃうよ、部屋まで運んであげる」
ロマーノを抱えて部屋に向かう。
部屋に到着すると、そこには以前俺があげたヒマワリが大切に飾られていた。
「兄ちゃん……飾っててくれてたんだ」
ロマーノをそっとベッドに寝かせる。
(スペイン兄ちゃんめ……兄ちゃんを悲しませるなんて。まぁ俺的には失恋して嬉しいけどさ。俺なら絶対、そんな思いさせないのに……)
どうして選んでくれないんだろう?
ふと、無意識に言葉が口からこぼれ落ちた。
俺とスペイン兄ちゃんの違いは何?
……いや、そんなことを考えるのはやめておこう。
「兄ちゃん、寝顔綺麗……ずっとこのままがいいな」
俺は飾られたヒマワリを見つめながら、ずっと考えていた。
そしてロマーノのベッドに近づき――
んチュ……。
静かな部屋に、小さな水音が響く。
唇を重ねたあと、俺は囁いた。
「兄ちゃん……ずっと、純白なままでいてね」
誰にも聞こえない声でそう呟くと、俺はそっと部屋をあとにした。
終わり
めっちゃ頑張った、疲れた
初投稿にしてはいいほう?
ぽんず🍅
6,914
#伊ロマ
みりん
135
みりん
358