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#ドリームコア
言乃 葉名
38
私は目を覚ました。
そこは知らない部屋だった。
視界がぼやけてやけに酷い頭痛のせいで頭が回らなかった。
重い身体を起こして辺りを見回す。
ピンク色のカラフルな内装にぬいぐるみがそこかしこに散乱している。
壁には歪んだ文字盤の時計、窓はなかった。
窓の代わりにつけられたモニターには3Dでできたようなメルヘンチックなキノコの森のような景色が広がっている。
そこで酔ってしまって、下を向くと私は淡いピンクの入院着を着ていた。
手には点滴がしてあり蛍光色の液体が不気味に落ちていく。
部屋は静かで心電図の規則的な音が響くだけだった。
目がチカチカするほどの可愛らしい部屋。本能で私はここから逃げ出さなければという気持ちになる。
立ちあがろうとした。
すると、アイシングクッキーのようなドアが開いた。
「お目覚めですか」
そこには、たぶん看護師のような女性がいた。
なぜ、たぶんなのかというと、その女性は頭にウサギの着ぐるみの頭をつけていたからだ。
女性は不安定な頭を手で押さえ
「お薬の時間です」
とやけに明瞭な声で言った。
女性はーいや彼女は看護師だということにしておこう。
看護師は、ポケットからアルミシートを取り出す。
手渡されたそれの中には小さなニンジンのような錠剤が入っていた。
飲むのにためらっていると
「お薬の時間です」
と看護師に機械的に言われた。
逃げられないな、と思いつつ仕方なくそれを口に含んだ。
するとそれはフッと口の中で溶けた。
飴のような味がした。
「では」
と看護師は頭を押さえて一礼する。
その瞬間、激しい眩暈に襲われてまた私はベットに倒れ込んだ。
コメント
1件
うわ、これめっちゃ不気味で面白い…!ピンクの可愛い空間とウサギの被り物の看護師、ニンジンの錠剤って、メルヘンなのに裏側が歪んでる感じがたまらない。世界観の構築が丁寧で一気に引き込まれた。続きが気になる!