テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#デスゲーム
Mr.J
154
しょうまる
観測者l!!@人狼ゲーム中
98
#幼馴染
美鶴は震えていた。
その体は小刻みに揺れ、脂汗が額に滲んでいる。先ほどまであれほど傲慢にふるまっていた男の姿は、もうどこにもなかった。
「……あ……ぁ……」
声にならない声が漏れる。唇は震え、目は虚ろに彷徨っている。そして……
じょぼっ……
教室に、生々しい音が響いた。
美鶴は恐怖のあまり、その場で失禁してしまった。ズボンの布地に広がる濡れた染みが、彼の惨めさを際立たせる。
彼は、もはや言葉を発することすらできない。ただ、がくがくと震えながら、何かを言おうとして口を開くが、まともな言葉にはならない。
その姿は、どこか哀れで、しかし、どこまでも醜かった。
ギリッ……
その様子を見て、華子は静かに木刀を握りしめた。
「信成子があんな目に遭わされたことが許せない……!」
華子の声は低く、しかし、怒りと憎しみがはっきりと込められていた。
「信成子がどれだけ辛かったのか、時雄も無念だったわね……私は許せない。これは侮辱だ。女としても、人間としても、許せない!!」
彼女の言葉が空気を一層冷たくし、張り詰めた緊張が場を支配する。
美鶴はその言葉にかすかに反応するが、恐怖で動けず、ただその場に崩れ落ちる。
その時、ハルキが割って入った。
「離れろ、華子さん。一旦やめろ」
ハルキは低く、しかし、静かな圧を込めて言う。
「確かに、今ここにいるみんなは美鶴を消したいと思っている」
その言葉に、教室内の視線が彼に集まる。
ハルキはゆっくりと周囲を見渡した。源喜、富弥、そしてスダ――誰もが憎しみを抱えている。
そして、彼は小さく息を吐き、口を開いた。
「でも、殺しても終わらないぞ。どれだけこいつを傷つけても、信成子は帰ってこないし、時雄も戻らない」
沈黙が流れた。
確かに、皆が美鶴に怒りを抱えていた。拳を握りしめ、涙を噛み殺しながら、叫び出したいほどの衝動に駆られていた。しかし、それでも、ハルキの言葉は彼らの理性をわずかに繋ぎ止めた。
一方、そのやり取りを黙って聞いていた富弥は、壁際に座り込んで震えていた。
その姿に、源喜が鋭い目線を向ける。
「お前は……」
富弥は顔を上げ、震える声で答えた。
「……俺も、お前達を恨んでた……」
その言葉が、教室内の空気を変えた。
「正直、時雄が死んで、その彼女が酷い目にあったのはざまぁ!って思ったよ!」
その告白に、誰もが息を呑んだ。
「何人かは、お前達にへこへこしてればいじられない、そう思って一緒にヘラヘラしていた……それは事実だ」
富弥の声には、自己嫌悪が滲んでいた。
源喜は拳を握りしめた。何も言い返せない。
彼らは確かに、日頃から部の中で弱い男子たちを「いじり」笑っていた。それが、時には取り返しのつかない結果を生むことも考えずに。
そして今、その過去が富弥の口から語られることで、彼らの行いがはっきりと突きつけられたのだった。
胸が苦しかった。
なかには、富弥の言う通り、へこへこして何も言わずに黙っていた者もいた。それを今更知り、どうしていいか分からなかった。
後悔しても、もう遅いのに。
そんな沈黙の中、スダが静かに告げた。
「残り、六名ですね」
その一言が、場の空気をさらに冷え込ませた。
コメント
1件
みぅ🤍🥀です。第36話、読み終えました……。 美鶴の失禁シーン、生々しすぎて息が止まるかと思った。でも華子の「女としても人間としても許せない」って言葉には、信成子への想いが詰まってて、胸にグッときたよ。ハルキが「♡♡♡ても終わらない」って止めるのも、すごく重くて正しい。でも富弥の「ざまぁって思った」告白は、読んでるこっちまでグサッときた。確かにいじめは連鎖してるんだな……。 スダの「残り六名」で終わったのが、続きが気になって仕方ない。次話も静かに待ってます🌙