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アンテナぴこぴこ
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やばいやばいやばい。
「 そしたら、ここを __ 」
近い!近すぎる!!!
ドキドキしすぎて勉強どころじゃないし!
頭にぜんっぜん入んない!
しかもなんかいい匂いするし!?!?
「 日向裙?聞いてる? 」
頭を抱えながらドキドキを紛らわせていると、桜花さんが俺の顔を覗き込んだ。
「 え?あ、はい 」
正直嘘だけど、聞いてないなんて言えないし … 。
「 ほんと?今のちゃんと理解した? 」
「 え ー っと、 」
圧をかけるように問い詰めてくる桜花さんに本当のことを言うしか無かった。
「 もうっ、ちゃんと聞いてね 」
「 うっす 」
このまま勉強にも集中出来ない時間が続き、1時間が経過した。
「 うぅ … 」
ガチガチに硬くなった体を、伸びをして解す。
「 お疲れ様、日向裙。今日はここまで! 」
「 はぁぁぁ … あざした … 」
桜花さんが鞄に勉強道具を詰める中、俺は顔を机に伏せてぐったりとしていた。
「 ふふっ、よく頑張ったねっ。ご褒美何がいい? 」
… ん?はい?
「 … え?今なんて? 」
「 え?頑張ったねって … 」
「 そのあと!! 」
「 ご褒美、何がいい? 」
聞き間違いでは無かったみたいだ。
ご褒美 … ごほうび … 。
ゴ、ホウビ … 。
「 ご褒美なんてくれるんすか!? 」
「 え、うん。もちろんだよ!日向裙凄く頑張ってたし! 」
ガッツポ ー ズをして当たり前のように言う桜花さん。
「 まじすか … 」
え ーーー まじどうしよう。
流石に1個だけだよな?
ん ーーーーー 。
「 … はっ!! 」
「 ん? 」
ひらめいた!!
「 これだ!!!!! 」
「 えっと … どれ? 」
「 ご褒美! 」
「 あ、うんっ、ご褒美何にする? 」
何も知らずにかわいい笑顔を浮かべる桜花さんに胸が痛いほどドキドキする。
「 勉強合宿なんて、どうすか!? 」
「 お勉強 … 合宿? 」
桜花さんは不思議そうに首を傾げている。
「 そう!そうです!1泊2日で、泊まり込みで勉強会! 」
「 泊まり込み … 」
考え込むようにしてから再び口を開いた。
「 それなら、今からなんてどう? 」
「 え!?今から!? 」
「 だめ … かな? 」
ゔっ、だめじゃないけど … 流石に明日は朝練もあるし … 。
「 では … 今度の土日とか … 」
「 いいねっ、私のお家でいい? 」
「 え、いや … 」
桜花さんのお家 … !?!?!?
ぜっっったいいい匂いする!!!
「 私のお家、親いないし弟いるからお洋服も貸せるよ 」
親いないのはいいけど … 。
「 弟いんすか!? 」
「 うんっ!言ってなかったけ? 」
「 全然聞いてないすよ! 」
だけど、なんだか納得だ。
しっかりしてて、でもかわいい … 。
「 ふふっ、ごめんね 」
「 あ ーーー !思ってないですよね!? 」
ニコニコして、絶対反省してないな?
「 日向裙、私もう帰るね 」
突然鞄を持ってそう言った。
「 え!ちょ、ちょっと待ってください! 」
教室を出ていく後ろ姿を追いかけた。
結局、途中まで一緒に帰ることになった。
「 日向裙、こっちなの? 」
「 っす、 」
なんか … 緊張して全然話せねぇ!
隣に好きな人がいるってこんな感じなんだな。
やっぱりいい匂いする … 。
でも身長俺より低いのかわいい … 。
「 どうかした? 」
「 え 」
気づいたら、ずっと桜花さんのことを見つめてしまっていた。
「 ぁ … す、すみませんっ 」
一気に恥ずかしくなって、目を逸らした。
「 謝らないで。別に日向裙は悪くないんだから 」
「 あざす 」
それでも俺に優しい声を掛けてくれる。
そこも大好きだ。
「 ふふっ、日向裙って面白いね 」
「 え? 」
全然話してないけど … 。
「 私ね、日向裙たちが入部してきた時からずっと … 怖かったんだ 」
「 怖い? 」
「 うん。仲良くなれるかなとか、ちゃんと … 先輩らしくできるかなとか 」
そんなこと … 。
「 でもね、日向裙も影山裙も … みんなとってもいい子で、安心したの 」
その目は、どこか悲しそうで、儚くて、美しい。
「 月島裙とは … まだ話したことないけど 」
「 ぇ … ちょ、ちょっと待ってください! 」
もう、俺が入部して2ヶ月以上が経ってるんだぞ?
「 なんで … 」
「 ん ー 、なんだか避けられてる?みたい 」
桜花さんは悲しそうに眉を八の字にした。
… 明日月島に言っておこ。
「 日向裙、あっちでしょ?私こっちだから。今日はありがとう、おやすみ 」
「 あ、こちらこそ!ありがとうございました!おやすみなさい 」
桜花さんに手を振って、その日はわかれた。
コメント
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日向可愛いな笑