テラーノベル
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更衣室に入ると、40前後ぐらいだろうか、落ち着いた雰囲気の女性が部屋の隅の片づけをしていた。カンナが弾んだ声で声をかける。
「よっ、小林さん。制服ゲット出来たぜ」
小林と呼ばれた女性は晶子の姿を見て目を細めた。
「まあ、可愛い。あなたがカンナちゃんがいつも話してるお友達?」
晶子は何かあいさつを、と思ったが、非日常の雰囲気に呑まれてしまって言葉が見つからず、無言でぺコンと頭を下げた。小林は微笑みながら晶子に言う。
「ねえ、あなた、飛び入りでモデルやらない? 衣装は用意するわよ。大丈夫、写真を勝手にネットに上げたりしないよう、誓約書を書かせたお客さんばかりだから」
カンナも目を輝かせて晶子に言う。
「お、いいじゃん。晶子、あたいとツーショットやろうぜ」
晶子は思いきり首を横に何回も振った。
「ダメダメ、うちの学校、アルバイト禁止だから」
カンナが呆れかえったという顔で言う。
「はあ? アルバイト禁止? 高校生にか? 金のない家の子はどうすんだよ」
そして今思い出したという口調で続ける。
「ああ、そうか。晶子の高校はいい家の子ばっかりの名門私立だもんな」
晶子の方も首を傾げてカンナに訊く。
「カンナの高校はアルバイトOKなの?」
「そりゃそうさ。てか、昼間仕事してる人たちのための高校なんだから」
「そうか。まあ、あたしの学校は禁止する以前に、全員が放課後は塾とか予備校のセミナーに通ってるから、やりたくても出来ないけどね」
「だったら今日だけこっそりやれよ。黙ってりゃわかりゃしないって」
「え、ダメだよ。それ以前に、あたしモデルなんてやった事ないし、そもそも無理!」
カンナはしつこく晶子を誘い、晶子は繰り返しダメだと言う。晶子の困惑を察した小林が割って入った。
「こらこら、カンナちゃん。ダメよ、無理に誘っちゃ。こういうのは本人の意思が一番大事なんだから。それより、早く着替えなさい。時間迫ってるわよ」
小林が更衣室を出ると、二人は急いで服を取り換えた。ブラジャーとショーツだけの下着姿になり、お互いの服を上に着て行く。
コメント
1件
第53話、読んだよ〜!✨ カンナの自由なノリと晶子の堅実な感じの対比がめっちゃリアルで、思わずニヤニヤしちゃった😊 「アルバイト禁止」って言う晶子に「こっそりやれよ」って返すカンナ、人間関係の温度差が伝わってきてエモい…! 小林さんの「本人の意思が一番大事」って割り込みも、大人の余裕感じて好きっす。 二人の下着姿のシーンもドキドキしたけど、それ以上にキャラの掛け合いにキュンと来た〜💕 次話も楽しみにしてるよ!
宇津Q
2,015
#いじめ
るあ🩵🦊🌙
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