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少女レイ

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2 - 二編目「夏」

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2024年05月20日

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2.夏

入学式から3カ月が経った。

入学当初抵抗があった夏希ちゃんとは、今ではすっかり打ち解けていた。

「ねーねー、ここのクレープおいしそうじゃない?」

「確かに!」

「家からもちょっと近いし放課後一緒にいこ!」

「賛成!」

私はそう言い、放課後が来るのを待っていた。

放課後を告げるチャイムが鳴った後、私は夏希とクレープを目指して一緒に歩いた。

行く道にある木々からは夏を知らせる蝉の声がする。

「おいしー!」

「ねー!!」

「友達ってさいこーー!!」

二人してクレープの虜になっていた。

「じゃーねー!」

「また明日!!」

そう言って私たちは分かれた。そしてなぜか帰るときに胸が締め付けられる感覚があった。

わたしは思った。夏希に恋をしているかもしれないと。

けど、もうこの恋はかなわない。

私たちは「友達」なのだから…

どんなに幸運であっても、夏希の恋人になれるわけがないのだ。

私たちが出会えてることが幸運なのだから。

私は、あの踏切に行った。

見たこともないような青い空、潮風の香り、波の音。

そのすべてが私の感覚を刺激した。

翌日から一週間、夏希は体調不良で学校を休んだ

それから私は夏希に会わないまま、夏休みに入った。

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