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#普通
野々さくら
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ありあ
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一同はコンビニを後にし、近くのファミレスへ入った。
案内された席に腰を下ろすと、龍河はバッグからボイスレコーダーを取り出す。
「では取材を始めさせてもらいます」
そう言って録音スイッチを入れた。
その様子を見ていた焔垂は、思わず口元を緩める。
(MWライターの取材か)
滅多にない経験に胸が高鳴っていた。
茜が焔垂の表情に気付く。
「何ニヤニヤしてんの」
焔垂は照れ臭そうに笑った。
「こんな機会滅多にないからな」
龍河は改めて信愛たちを見渡した。
「じゃあまず霊貴冥孤について聞かせてもらえるかな?」
信愛は首を傾げる。
「霊貴冥孤ですか?」
「そう」
龍河は頷く。
「なぜ君たちは霊貴の悪事を見破る事が出来たのかな?」
すると朝陽が静かに手を挙げた。
「それは僕から話します」
龍河は少し意外そうな表情を浮かべる。
「君が?」
朝陽はゆっくりと話し始めた。
「実は僕の母が──」
朝陽は、霊貴冥孤がホットリーディングを用いても辿り着けなかった絹の虐待冤罪、叔母の嘘通報の真実について赤裸々に告白した。
話を聞き終えた龍河は腕を組み、小さく息を吐く。
「なるほど・・ホットリーディングの
弱点をうまく利用したわけか・・・」
「そうです・・・」
朝陽は静かに頷く。
龍河はなおも疑問を口にした。
「霊貴の悪事を見抜いた経緯は分かった
けど、それからはどうやったんだ?
どうやって霊貴から自供を取ったんだ?
言い逃れされたりしたら無駄足にならないか?」
すると信愛が微笑みながら答えた。
「それは虎の子が居たからです」
龍河は首を傾げる。
「虎の子?」
その時だった。
「私だよ♬」
幼い少女の声が響く。
龍河は反射的に横を見る。
「え?」
いつの間に現れたのか、一人の少女が当たり前のように席へ立っていた。
(え?いつの間に現れたんだ?)
信愛は嬉しそうに目を輝かせる。
「佳苗♬来てくれたんだ♬」
佳苗はにっこり笑う。
「私が居た方が分かり易いかな〜って」
さくらも笑顔で頷いた。
「さっすが佳苗♬」
龍河は混乱したまま少女を見つめる。
「えっー・・・と、君は?」
佳苗は胸を張って答えた。
「座敷童子だよ♬」
「座敷・・・童子?」
龍河の頭には大きな疑問符が浮かぶ。
(何言ってんだ?この子は・・・)
茜が肩をすくめる。
「佳苗ったら座敷童子気に入ってんじゃん」
佳苗は得意げに笑った。
「だって私はみんなに幸せあげるから♬」
龍河はしばらく黙り込む。
「えっー・・と、座敷童子ってのは?」
信愛は真剣な表情で龍河を見つめた。
「馬場さんには正直に話しますけど佳苗は霊なんです」
「れ、霊!?」
龍河は思わず声を裏返らせる。
(この子まで何言ってんだ?)
「いや、霊って・・・ごめん・・・
言ってる意味が分からない
俺は産まれてこの方、霊が視えた
事なんて一度も無いんだけど?」
信愛は静かに佳苗へ視線を向ける。
「厳密に言うと佳苗は
人間と霊のハーフみたいな状態なんです」
「ハ、ハーフ?」
龍河が訳が変わらず首を傾げるしかできなかった。
◇ ◇ ◇
信愛は戸惑う龍河に対し、佳苗という存在について、精神の共有や魂に刻まれた記憶。
そして半人半霊という特殊な状態まで、一つひとつ丁寧に説明した。
話を聞き終えた龍河は腕を組み、深く息を吐く。
「精神の共有に魂に刻まれた記憶
そして半人半霊・・」
苦笑しながら肩をすくめる。
「オカルト業界に身を置いてだいぶ経つけど
こんな漫画みたいな話は初めて聞いた」
信愛は少し申し訳なさそうに目を伏せた。
「信用できないかもしれませんけど──」
しかし龍河は首を横に振る。
「いや信じるよ」
「え?」
信愛は思わず目を見開く。
龍河は穏やかに微笑んだ。
「確かに突拍子もない話だけど
君が嘘をついてる様には見えない
そもそもそんな嘘ついたって
信じる奴なんていないって
君自身が一番わかってるはずだしな」
信愛は思わず呟く。
「馬場さん・・ありがとうございます」
龍河は静かに続けた。
「だからさっき霊の話をしていたわけなんだな」
「はい・・・」
信愛は小さく頷く。
すると焔垂が身を乗り出した。
「でも馬場さんはカルネアデスバス
を調べてるんですよね?」
「ああそうだ」
龍河は頷き返す。
「君たちはカルネアデスバス
についてどのくらい知ってる?」
焔垂は少し考えてから答えた。
「えっと、確か終電後の深夜に徘徊する選択行きの
無人バスって言うくらいしか知りません」
「なるほどね」
龍河は納得したように頷く。
「なら俺は君たちが持ってない
情報を持ってる事になるな」
信愛が身を乗り出す。
「本当ですか!?」
「ああ・・・」
龍河は静かに頷いた。
「君たちも色々話してくれたからな次はこっちの番だ」
焔垂は少し遠慮がちに尋ねる。
「良いんですか?」
龍河は笑みを浮かべる。
「等価交換ってヤツだよ、情報もらって
ばっかじゃなくて、こっちもそれなりの
情報を渡さなきゃ不公平ってもんだからな」
コメント
1件
めっちゃ良かったっす…!龍河さんが信愛たちのオカルトめいた話を「君が嘘ついてるようには見えない」って信じるシーン、グッときましたね。記者としての勘とか誠実さがにじみ出てて、キャラの深みが一気に出た感じ。佳苗の座敷童子感も可愛いし、情報の等価交換ってスタンスも熱いっす。次が気になる引きだわ🔥