事務所にて…
「神羅、そろそろ闇來の壊滅仕掛けるぞ」
「うぉ!ついに!」
「そんなワクワクする話じゃねーけどな。
戦闘狂かよ。」
「…ていうかさ、前のチンピラ潰した時
のことなんだけど…」
「…なんだ」
「僕がクローゼットに隠れている間、
消えてたよね、何をしたの?」
「…お前にも教える頃合かな。
ついてこい。」
2人はとある体育館へと移動した。
「うぉお!」
神羅は広々とした体育館に目を輝かせて
いる。
「おい、遊ぶ場じゃねぇからな。」
「はぁーい。」
「じゃあ、『気』について話そうか
気ってのは強さが3段階に別れていて、
1番上が」
・気重慶
「2番目に強いのが」
・気業戸
「3番目に強いのが」
・気之手
「多分、神羅は気業戸まで使える」
「えぇー?気重慶ってやつは使えないの?」
「気重慶を使えるのは本当の才能、
生まれつき使えるってレベルの難易度だ。
てか、気業戸でも十分強い、気重慶よりは
自由度は劣るが。」
「分かった、じゃあ気業戸教えて。」
「お前は、体を再生する時、何かを
感じないか?」
「あー…わかんないから殺して?」
「今殺したら再生しないけどな。」
「うわっ!そうだった!あっぶな!」
「本当不用心だなお前は、まぁ、何か
しらの能力や技の発動時には体の
気が放出されたり、凝縮される。
まずはそれを感じ取れ、そしてその
気を体の部位や武器に移すのも練習
しろ。攻撃するときには気を相手に
思いっきりぶつけるイメージで放出
するんだ。」
「なるほどなるほど…でも、能力が
使えない場合は?」
「そんな時は、戦闘時に出るアドレナリン
に頼る、アドレナリンで体が覚醒し、
気が膨大に溢れ出る。」
「なるほどぉ!だからこんな広い
体育館に!」
「あぁ、死なない程度に気を使う練習だ。
まず俺から行くぞ」
キュッ!!
体育館の踏み込む音が響き渡る。
(やっぱり須崎さんは早い…対応しないと)
「突っ込むだけなの!」
特攻してくる須崎を迎撃するように
神羅も飛び出す
「まずはここだ…」
ドゴッ!!
「ぐふっ!」
神羅は蹴りを予想していなかったのか
もろに食らってしまった。
三日月蹴りは肝臓を狙う
内蔵にダメージを与えるのに加え
須崎の足には少量の気が宿っていた
ため、ダメージは大きい。
「おい、隙だらけだぞ。」
ゴッ!
神羅の下がった頭を、右に蹴り抜いた。
もちろんこの普通の蹴りにも気は宿って
いる。
「痛ったいなぁ!」
新羅は怒り、我武者羅に拳を
突き抜いた。
「ふん」
(感情に任せず、ちゃんと拳に気を込めて
殴ってるな、成長してる。)
「工夫するようになったな、だが」
腕が伸び切り、体制の崩れた神羅
の頭を鷲掴みにし
「基礎的な攻撃ができいない。」
ガシャッ!!
体育館の地面に叩きつけた。
「くぅっ…」
「…自分の弱さ、思い知ったか?」
「…う、うるさい…」
神羅の目には涙が溜まっていた。
「その悔しさ、忘れんな。」
「…」
「ほら、帰るぞ、帰ったら組織の情報
を集めてから…」
キュッ!!
神羅はいきなり飛び出し、後ろから
須崎を襲う。
(誰が帰るか…こいつをぎゃふんと
言わせてやるんだ!)
神羅は体の芯から溢れ出る気を
体全体に6割、拳、足にそれぞれ2割
分け与え、バランスの良い攻撃を
した。
「神羅、やっぱお前才能あるよ。」
「えっ」
神羅の体から力が抜けた。
「んだけど、油断禁物だな。」
ドカッ!!
「ぐふぇ…」
須崎は神羅に後ろ蹴りをした。
バンッ!
神羅は勢いよく吹き飛び、倒れた。
「酷いと思うか?」
「…」
神羅の返答はない。
「…後で帰ってこいよ。」
須崎は、神羅のぐずる男を
聞いたが、何もせずに帰宅した。
それから、何時間か経った頃だった
「はぁぁ、闇來、思った以上に
でかい組織だな…誘拐に人身売買、
殺人に窃盗に…やり放題だな。」
ガチャ
事務所の扉が開かれた。
「…ん?いらっしゃい。」
「…僕だよ。」
「あぁ、お前か。」
「…体育館、来て。」
「…分かった。」
須崎は何も言わずに体育館に同行した。
「…さぁ、始めようか。」
神羅は構える。
「…しゃーねぇな」
須崎も呼応するように、構えた。
ドゴッッ!!
神羅は落雷のような速さで須崎
へと突進する
「はえぇじゃねぇかよ。」
須崎の目の前まで迫ると、即座に
飛び、攻撃を仕掛けた。
ドドド!!!
新羅は頭、脇腹、膝をそれぞれ
攻撃したが、どれも
防がれてしまった。
「なっ!」
「攻撃後の体制が隙だらけだ。
防御されたら退け。じゃねぇと」
須崎は神羅の肩を突く。
ゴッ!!
「ぐぅっ!?」
「お前、今腹に気込めたろ、一点に
気決めるとそこ以外が脆くなる。」
「こっからでしょ…!」
神羅は不敵の笑を浮かべて
しゃがむ。
それと同時に足を横に蹴り抜く。
体制を崩すのが目的だったのだろう。
だが
「しゃがむのが遅い。」
ひょいと後ろに退き、攻撃を避ける。
「えっ」
「しかもその姿勢、まずいだろ。」
神羅が見上げた頃には、須崎の
踵がすぐそこまでに迫っていた。
ドッッ!!
「がぁっ!?」
神羅の肩に激痛が走る。
「うう…」
「2点だ、改善点しかねぇ。」
「もう…やだよぉ…」
「ちょっ、お前…」
神羅はなんと泣き出したのだ。
「いや、お前は、あの、そうだ。
よ、弱いからこそ改善点が…」
「弱いって言うなぁ!!」
「お…す、すまん。」
須崎はゆっくり神羅に歩み寄る。
(気は放出されてない、闘気も
感じ取られない。)
座り込んで泣きわめく神羅の頭を
須崎は撫で下ろした。
「お前の工夫や努力は伝わった。
俺がいない間ずっとやってたんだろ?
訓練。」
神羅がコクリと頷く。
「…」
須崎は下を向く神羅の頭を、頬を
包み込むように両手で自身に向けた。
「…っ」
「そう落ち込むな、俺に負けた事実より
成長の事実のが大事だ。」
「…ん」
神羅は声にならないような返事をした
「それじゃあ、さっさと飯行くぞ
休まないとやってらんねぇからな。」
「え!ご飯!ご飯!」
「いきなりどうしたお前…今度は
箸落とすなよ。」
「えー!あのラーメン屋ァ?店主怖い
からやだ!」
「駄々こねんなクソガキ…」
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