「それじゃあ、情報収集と行こう。」
「おぉ!」
「だから興奮するようなことじゃねぇ。」
「そうと決まれば!」
バン!
神羅は勢いよく事務所のドアを
開け、俺に手招きしてからどこかへ
行った。
「ちょっ!おい!どこに行く気だ!」
須崎は慌てて神羅を追いかけた。
「神羅、お前にアテなんてないだろ。」
「え?情報を持ってる人なんか
路地裏とかにいるでしょ?」
「馬鹿だなぁ、お前」
「んなっ!」
「俺のダチに情報屋がいる、そいつから
闇來について聞く。」
須崎はUターンし、どこかへ向かった。
「むぅ…」
神羅は須崎を睨んだ。
「ここだ。」
2人はとある一軒家へとやってきた。
「今いるかわかんねぇが。」
須崎は一軒家の前へ行くと、呼び鈴を
鳴らす。
「はぁーい!」
家の中から元気な声が響く。
ドドドド…
忙しい足音が響いた後、ドアが開いた。
「よぉ、界乃。」
界乃と呼ばれた男は、笑みを浮かべる。
「どうした、珍しいね。」
「あぁ、ちょっと情報が知りたくてね」
「情報?」
「闇來の情報だ、特に知りたいのは
場所、ボスの技、能力、構成員の強度
基地の構造だ。」
「お易い御用だね。」
「助かる。」
「まぁ上がりなよ」
2人は遠慮なく、ドスドスと家に
上がった。
「はは…遠慮なしでいいね。」
するとまた、神羅が口を開く。
「うぉー!広い!二階建て!綺麗!」
「おい神羅、誰に言ってんだそれ」
「た、ただの独り言だよ…ハハ…」
「じゃあ、2人ともそこのソファに
座って。」
神羅はソファに目を移すと
「うわぁ!ボクん家の汚いソファとは
大違い!」
「おぉい、誰の家のソファが汚い
ってぇ?」
「い、いや、き、綺麗、キレイダヨ…」
「まぁまぁ、とりあえず、話、しよ。」
「ふん、そうだな。」
2人は横に並んでソファに腰掛けた。
そして対角線になるように界乃が
椅子に座った。
「えぇと、まずボスについて
名前は吉田幸弥、能力は身体強化。」
「身体強化…?」
「うん、奴は身体強化系最強と
呼ばれ、恐れられてる。」
「その瞬間、神羅が俺の袖を
引っ張った。」
「ねぇ、本当に大丈夫なの…?」
神羅が心配そうな表情で聞いた。
「あー?負ける気しねぇよ。」
「そうだよ、君、須崎は玄千慈なん
だから!」
界乃が元気よく答える。
「君じゃなくて神羅!玄千慈って何?」
「裏の社会では、勝手に自分の強さを
格付けされんだよ、社会の壊滅が
可能なのが玄千慈だ。」
「え!?社会変えれるのに変えないの?」
「面倒くさいからな。」
「本当、須崎さんは…」
神羅は呆れたような言い方をした。
「須崎は昔からこんなんだよ、宝の
持ち腐れみたいな。」
「あ”ぁ”ん?」
「なんでもないです。」
「そんじゃあ、闇來の建物の構造を
教えてくれ。」
建物の構造を聞いた瞬間、界乃の
顔が曇った。
「うーん、その、建物の構造のこと
なんだけど、だいぶ入り組んでてねぇ、
説明が難しいんだ。」
「そうか、ざっくり言うとどんな感じ
かは分かるか?」
「そうだねぇ…強いて言えば。」
「…螺旋階段」
「多分、想像してるのとだいぶ一致
してると思う、そんな構図でも結構
基地は小さめなんだ。」
「なるほど、侵入経路はあるか?」
「うん、1階の裏、2階のひとつの部屋の
裏にひとつある。大きい組織だから
対策はしてあるだろうね、多分
強化ガラスが使われてる。」
「それは大丈夫だ、俺の気でガラスの
成分を分解して音なく侵入する。」
「あーもう!!」
「うぉ」
「っ!?」
突然叫びを上げた神羅に、2人は
驚いた。
「なんだお前、いきなり大声出して。」
「何言ってんのか分かんないよ!
僕が分からなくてどうするの!」
「お前は別にわかんなくていい。
俺に着いてきて、手伝えばそれだけで
いいんだよ。」
「そんなん脇役じゃん!」
「…言い方を変えようか。」
界乃が言い合いに乱入する。
「神羅くん…君は須崎の右腕だ。」
「右…腕…!」
神羅の目が輝く。
「ったく…そんじゃあ俺達はここで
お暇する。情報ありがとうな、今度
飯奢る。」
「うん!あのラーメン屋以外でね」
「おまっ…美味いのに…」
「わかる!店主怖いよね!」
「そうだよね!叩くのやめて欲しいよ
ホント…」
(俺の感性がおかしいのか…?)
ザァァ…
背後に多くの車が通り過ぎる音が
聞こえる。
そして、目の前にあるのは長方形の
闇來の建物。
「あれ、螺旋型じゃねぇのか。」
(どういうことだ…?てか、ここ街中
だよな、螺旋型の建物があったら普通
目立つ、てことは…)
「この建物の中に螺旋型の構造の
建物が二重に重なっている。」
「…なるほどね。」
「よし、じゃあ侵入するぞ。」
俺はそう言うと、裏口行きの扉の
左上に配置されている防犯カメラの
ブチッ…
隙から気を注入し、膨張させて
破壊する。
「いいか神羅、気にはこういう使い方
も存在するんだ。」
「なるほどぉ…攻撃以外にも使えるんだ」
「そうだ、んで、この硬ってぇ鍵も」
ガキャッ!!
俺は南京錠を破壊した。
「侵入するぞ、物音立てんなよ。」
「りょーかい!」
「うるせぇ」
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