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「あー!腹いっぱいやぁ」
昼休みも終わりに近づき、シャオロンは満足そうに腹をさすっていた。
「シャオさん、次の時間何ですか?」
隣でカフェラテをすするショッピが尋ねる。
「数学やけど……それが何や?」
「よかったら放課後、教えてもらってもいいですか?」
ショッピは紙コップを持つ指に力を込めた。
「へ?数学?」
シャオロンの眉がわずかに上がる。
「珍しいな。お前が勉強のこと聞いてくるなんて」
「実は今度のテスト、ちょっと不安で……」
ショッピは珍しく真面目な表情になる。
「特に図形の証明問題が苦手なんです」
シャオロンは少し考えてから頷いた。
「まあ、俺も得意な方ちゃうけど……わかった。部室の机借りられると思うから、そこで教えようか」
「ありがとうございます」
ショッピの顔に少しだけ安堵の色が広がる。
「ただし!絶対他の人に見られたらあかんで?付き合ってるなんてバレたら困るからな!」
シャオロンは周囲に注意しながら小さな声で釘を刺す。
「わかってますよ」
ショッピはそう答えながら、内心では
(バレてもいいのに)
と思いつつも、今は大人しく従うことにした。
教室に戻る途中、廊下の窓から差し込む午後の光が二人の影を長く伸ばしていた。時折、他愛もない話題を交わすたびに、シャオロンの笑顔が覗く。それを見るたび、ショッピの胸の奥で温かいものが広がっていくのを感じていた。
放課後までの数時間が、かつてないほど長く感じられる。それはきっと、二人だけの秘密の時間を過ごせる喜びからだった。
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