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「この……気配、もしかして、い、ぶき、なのか……?」
「い、いぶき??誰のことを言って……」
「まさか……まさかまた!!!また巫として……来て、しまったのか……?」
「か、かんなぎ……?なんの事です?」
「……少年、それ以上この娘に近寄ったら、葬るよ」
「ひっ……あっ……てんし、くん。ご、ごめん……」
「別にいい、次から気をつけて」
やっぱり、か。
みずちゃんの苗字を聞いた時から勘づいてはいた。
だからこそ神王様も境界へ行くとみずちゃんが言い出した時は驚いたのだろう。
まさか、自分が巫として他の者の魂が存在するために地獄の道に突き落とされたというのに巫家の本能がそれを……自分が堕とされた原因を、拒まなかったことを。
まぁ、神王様のあの慈しむような、後悔するような瞳を見ていれば誰でもわかることだろうが。
「てんし、くん。この子も、また、また……っ巫……っ!?」
「分からない……けど、巫は50年に1度……地獄の道が終わる度、来る。ちょうど、その年なんだ」
「そんな……っ、またっ、僕はっ……いぶきを……っ」
「少年、娘はいぶきじゃない……その、みずちゃん、と呼んであげて欲しいんだ」
「みずちゃん……?」
「……っ!?はい!!?急に呼ばないでくださいびっくりしますね!!?」
「……え、あ、ご、ごめん……」
「……神王様は、二人で仲良くなりなさいと言っていたでしょ?僕は神王様に呼ばれたから、がんばってね」
「え、あ、え、るいさん!!!?」
「てんしくん!!!?」
「ふふふっ、最初二人で話せなかった罰だよ」
……ぼくも少し、にこりに性格が似てきたかもしれない()